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クラガシア

本来ならトラディション伯爵家の調査には、地元出身のフレイラを連れて行きたいが、まだ、傷が治っていないので、王都で待機させることにした。そうなると、フロディアとテミスも、護衛として残さないといけない。

そういう訳で、俺と同行するのは、オーリアとクレラインとルビーになった。もっとも極秘の調査なので、大人数では目立つと具合が悪いから丁度いいのかもしれない。


トラディション伯爵領は、王都の西方にある。

ナンガブール山の北側を通る街道を馬車で3日進むとクラガシアの街があり、さらに4日進むとナザニアールの街がある。この街はもう、トラディション伯爵領だ。そして、そこから、やや南西に5日程進むと領都トラディションがある。

フレイラの話では、伯爵領には3つの鉱山があり、どの鉱山にも、複雑に枝分かれした広大な坑道があり、誘拐した子供を隠すのに使われているのではないかとのことだった。

その情報から、俺達は、領都トラディションではなく、領地の辺境にある3つの鉱山を調べることにした。


新しく幌馬車を買って、食糧や予備の武器や寝具替わりの毛皮、着替えの服に水の入った樽などを馬車に積み込み、ディアスに引かせて、王都を出発した。

今、俺達の乗っている馬車は、クラガシアに向かっている。御者は、クレラインとオーリアに、交互でやってもらっている。

馬車を引いているディアスは、ヘラジカを大きくしたようなこの世界の馬で、獣テイムと念じると、眷属獣になった。そのため、手綱が無くても、勝手に馬車を引っ張ってくれるが、見かけは大切なので、御者が馬を操っているように見せかけている。


馬車の中で俺は、自分のステータスを確認している。


名前 ダブリン

種族 人間

性別 男

年齢 8

ジョブ 捕食者6(魔物を捕食する者)、進化者7(魔石によって進化する者)

筋力 A+

耐久 B

俊敏 B+

魔力 B+

抵抗 C-


固有スキル スキルドレイン(接触時) 魔石進化(魔石吸収時) 魔力ドレイン(接触時)


武器系

両刀術1、大剣術6、剣術7→10、短剣術2、棍棒術3、斧術1、槍術1、暗器術1、盾術2、投擲2、強打1→2、強襲1→2、鎧袖一触2→3、破城斬1、弓術5、回転斬り1、飛斬1、3点突き1、大盾術1

格闘・身体系

無双2、瞬動3→4、回避2→4、格闘1、喧嘩1、噛み付き4、跳躍2、突進1、逃げ足1、蹴り1、踏みつけ1、頭突き2、後ろ回し蹴り1、あびせ蹴り1、空中回転1、スリップ1、バックステップ1、サイドステップ1、縮地1、木登り1、枝渡り1

能力上昇系

怪力7、剛力5、敏捷4、身体強化7、皮膚硬化5、頑丈5、金剛1、聴覚強化3、夜目5、俊足2、長駆1、無呼吸耐性5、潜水5、強靭身体1、生命力1

技能系

航海術1、操舟1、穴掘り1、陶芸1、目利き1、錬金術1、薬草採取1、酒造1、鉱物精錬1、鍛冶1、木工1、調理1、裁縫1、織物1、彫金1、交渉術1、暗算1

隠蔽系

隠密2、隠蔽3、目くらまし1、騙し討ち1、裏切り1、詐欺1、誘拐1、横走り1、岩這い3

探査系

気配察知8、魔力探知3、聞き耳1、方向知覚1、熱感知5、超音波4

魔法系

風魔法9→10、音魔法9、土魔法4→6、火魔法4→8、水魔法6→7、闇魔法4、魔力回復3、雷撃魔法1、閃光1、闇弾1、

支援系

気力譲渡1

召喚系

ゼネラルアーマー召喚、ゼネラルソード召喚、眷属召喚1、オーク召喚2

支配系

統率3、眷属強化1、仲間呼び1、魔物テイム1、獣テイム1、精神干渉1、ノーボディ1

精神制御系

マインドブロック2、警戒1、威圧1、脅し1、フィア1、精神統一3、束縛1

耐性系

異常耐性1、毒耐性1、酒豪1、熱耐性1

呪い系

バインドワード1、ファントムファイア1、魔法阻害1、ファントムウォーター3、呪い無効、カース1、セイントファイア1

調剤系

操毒1、毒薬調合1、調剤1、調薬1

回復系

再生1、癒し1、起死回生1、分裂4→ブラッドスライム5

その他

鑑定2、無敵1、天賦の才1、悪食4、成長加速1、床上手1、

魔物スキル(使えない)

飛行1、羽刃1、嘴攻撃1、鉤爪1、狼爪斬1、遠吠え1、雄叫び1、繁殖力1、陸上呼吸1、ハサミ撃ち1、脱皮1、多足1、巻き付き1、毒牙1、雲霞1


称号 

ゴブリンの捕食者

(ゴブリンに対しての攻撃が防御無視になる。コブリンからの攻撃はダメージが半減する)

将軍(眷属を統べる)


今回の調査では、貴族家の騎士団とも剣を交える可能性がある。そうなると、移動の間に剣の練習を続けて、剣術スキルの熟練度を、せめて11に上げておく必要がある。

耐火煉瓦の作成で土魔法と火魔法が、霧魔法の練習で風魔法と水魔法が、それぞれ熟練度がアップしている。

また、その他の分類に入っていた分裂スキルが、回復系のブラッドスライムに変わって、しかもレベルが5に上がっている。これは、フレイラの腹の傷をブラッドスライムで治療したからだろう。このブラッドスライムが回復系に分類出来たことで、傷を治療できるスキルになったことが分かった。

スキルは覚えきれないほど増えたが、どれも習熟度が低く、貴族家と対抗できるような力はない。

無駄に多いスキルの中で、一番使えそうなものは、ノーボディだ。

これは自分自身に使っても効果的だが、他人に対しても使えるようになると、今回のトラディション伯爵領の調査はぐんと楽になる。

しかし、熟練度が低いためか、元々そういうスキルなのか、自分自身にしか効果がないようだ。

馬車に乗っている全員に、あらかじめ「これからノーボディ―を使う」と言ってから使う。5分位は、俺が誰だか分からなくなるようだ。

『ということは、効果の持続時間は5分ということか。しかし、逃げるときに5分間を稼げたら大きい』

使い方次第では、大きな可能性を秘めたスキルだ。

そして、手っ取り早くステータスを上げる方法として、なるべく早いうちに、強い魔物の魔石を手に入れて食べないといけない。


「ねえ、昼飯はどうする?止まって、料理を作る?」と、御者をしているクレラインが聞いてくる。

俺は、魔法の練習を止めて、

「いや、止まらずに干し肉で済まそう。先に皆で交代で飯を食べてくれ」

俺に背を向けて座って、後方を警戒しているルビーとオーリアが、

「先に食べるよ」と言いながら、馬車に積んだ干し肉を、壺から取り出して食べ始めた。次にオーリアが御者を替わり、クレラインが干し肉を食べる。俺は、皆が食べ終わるまで、周囲を警戒する。

皆が食べ終わったので、俺も干し肉を食べる。

王都から西側の街道は、盗賊も魔物もあまり出ないというが、警戒を緩める気はない。


馬車の振動に身を委ねているうちに日が暮れてきて、野営をするために街道から少し外れて、開けた場所を探して、馬車を停める。

馬車の横の地面を火魔法と土魔法で平にして、土魔法でかまどを創る。そのかまどに火をおこし、水と干し肉を入れた鉄鍋で、干し肉鍋をつくる。

食事を済ませて、女達は馬車の中で休み、馬車の左右と後ろ側には、耐火ゴーレムを1体ずつ、歩哨として立たせておく。野営のときの新しい戦力だ。

もしものときの為に、馬車の中にアレックスを召喚して、頭に頭巾を被せておく。毎日、アレックスもバードを交互に召喚して、召喚の訓練は欠かしていない。

夜中に、グラスウルフの群れが襲ってきたが、耐火ゴーレムの他に、火炎ゴーレムを追加して追い払った。

ゴーレムは動きは遅いが、魔法を打ち出して攻撃させることで、動きの遅さをカバーしている。

オーリア達が馬車から飛び降りて、グラスウルフに止めをさして回っていた。 

皮を剥いでいると眠る時間が削られるので、魔石だけ取り出す。

野営の間、放しておいたディアスを、再び馬車に繋ぎ、血の臭いのしない場所まで移動して、改めて交替で眠った。

翌朝、出発する前にオーリアとルビーに魔石を吸収させた。

2人とも、遠吠え1,群狼1という、人間には役に立たないスキルを覚えていた。

俺は、馬車の中でも、霧魔法の訓練をしている。何故、霧魔法に力を入れているかというと、逃げるときの煙幕に使えるようにする為と、野営のときに霧魔法で周囲を覆いたいからだ。


こうして、王都を出て3日目の夕方に、クラガシアの街に入った。

直ぐに宿を探し、2人部屋を2つ取る。部屋割りは、俺とルビー、オーリアとクレラインとで分かれたが、夜には、俺のベッドに3人が交代で入って来て、朝まで寝られなかった。

翌朝、冒険者ギルドに行って、標識に街の刻印を刻んでもらい、消費した分の食料などを買い込んでから、宿屋に戻った。

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