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刺客 4

その日の夕方、俺達の後ろから蹄の音を響かせて、20頭のヘラジカモドキが迫っていた。闇ギルドの刺客たちだ。

俺は後ろの馬車の後部に立って弓を放ち、ときどき魔法も撃つ。弓術の熟練度は1なので、風魔法で矢の飛んで行く方向をコントロールして、敵に当てている。

200メートル程離れているときに1人。150メートル程に近づかれる間に2人。100メートル程に近づかれて3人。殺し屋達も弓や魔法を撃ってきたので、風魔法で逸らしながら、70メートル程の距離でさらに3人。ついに、50メートルまで詰められたので、衝撃波魔法を3連発で撃つ。ドーン、ドーン、ドーンと腹の底を揺るがす音と振動が響く。

身体が大きく力の強いヘラジカモドキは、衝撃波で吹き飛ぶことはなかったが、衝撃波の副作用ともいえる内部破壊で、次々とつんのめって倒れ、乗り手を放り出した。

まだ、無事なのは、馬車の真後ろではなく、端の方を走っていた4~5頭と、倒れたヘラジカから飛び降りて、こちらへ凄まじい速度で走ってくる長身の男だけだ。長身の男は50メートル程の距離を2秒程で走り抜いて、俺に飛び掛かって来た。

俺は咄嗟に無敵を発動して、ゼネラルソードでそいつに斬り掛かる。空中で裂けきれない筈の横なぎを、そいつは空中で体を回転させて避けると、俺の首に突きを放ってきた。その突きを裂けきれないと判断した俺は、ゼネラルアーマでその突きを受けた。

ガッという音がして、剣が鎧の胸の辺りに当たる。俺は跳ね飛ばされるが、同時に、三半規管を狂わす超音波魔法をそいつに放つ。一瞬、ハッとした顔のそいつに、バートがハルバートを繰り出す。そいつはその突きを剣で軽々と跳ねのけたが、そこへもう一度衝撃波魔法を撃つ。そいつが態勢を崩しかけたので、肩からタックルし、一緒に馬車の外に落ちる。

そいつは、俺が立ちあがるよりも早く立ち上がり、俺の右手を蹴って、ゼネラルソードが弾き飛ばされる。

俺は「動くな」と、バインドワードを使い、そいつが一瞬止まった隙に、反転して立ち上がる。

俺達に続いて馬車を飛び降りて来たバートが、そいつの後ろからハルバートを横薙ぎにするが、そいつは攻撃を見もせずに剣で祓う。俺は、その間に腰の剣を抜いて腰だめに構えて体当たりする。だが、この体当たりの突きはフェインだ。本当の狙いは、相手にぶつかる寸前に、俺の体の正面で衝撃波魔法を爆発させることだ。

ドッォォォォォォンと轟音がして、俺もそいつも跳ね飛ばされた。ここで俺の無敵は時間切れだが、相手はどうだ?と思って見ると、そいつは、衝撃波に耐えて立ち上がりながら、ニヤリと笑って、

「面白いことをするじゃねえか。だが、これからが本番だ」と余裕でこちらに飛び掛かかり、右袈裟に剣を斬り下ろしてくる。

俺は避けたが、首を斬られたのか、首から血が噴き出す。そいつは、止めの一撃を入れようとしたが、血しぶきを見て油断したのか、コンマ数秒以下だが、動きに間があった。俺は、その瞬間に三半規管を破壊する最大出力の超音波を放つ。

そいつは白目を剥いて、一瞬、立ちながら気を失ったので、再召喚したゼネラルソードで首を刎ねた。

紙一重の戦いだった。

つまりは、俺の無敵スキルが切れたことを察したそいつは、首を斬りに来たが、その一瞬前に無双を発動して、回避スキルで紙一重で躱しながら、首筋に貼り付けたブラッドスライムを斬らせて血しぶきを上げて相手の油断を誘ったのが上手くはまった。4つ目の奥の手のブラッドスライムが決め手となった勝負だった。

周囲を見ると、残りの刺客はアレックスとクレラインに始末されていた。

この殺し屋からは、天賦の才1、鎧袖一触1、金剛1をドレインした。


天賦の才

ステータス及びスキルの熟練度が上がりやすくなる。


ステータスとスキルの熟練度が上がりやすいということは、成長補正か。こいつの強さを考えると、成長加速の上位互換か?。どちらにしても、いいスキルが手に入った。


鎧袖一触

最初の1撃が決定打になる。熟練度に応じて確率が引き上げられる。


金剛

身体が鋼鉄並みに強化される。持続時間は熟練度による。


どれも、ある意味でチートだ。ステータスと熟練度が上がりやすいから、何をしても天才と呼ばれていた奴なんだろう。他の2つのスキルもチートだし、こいつが闇ギルドで一番強い奴だったのは、間違いないな。

この3つのスキルの熟練度を上げていけば、アンデオンの闇ギルドは怖くなくなるだろう。


俺が、倒した奴を見ながら、新しく手に入れたスキルのことを考えていると、オーリアが横に来て、

「苦戦していたようだけど、よく勝てたね。大金星だよ」と言うから、

「他人事過ぎないか?俺が負けてたら、お前たちも殺されるか、奴隷に逆戻りするところだったんだぞ」

「勝てたからいいんだよ」

俺が、呆気に取られていると、クレラインがやって来て

「何人か生かしてあるけど、尋問する?」というので

「よし、尋問しよう」ということになった。

しかし、生き残りを尋問しても、新しい情報はなかった。ただ、こいつらを率いていたのが、ヘルファイブのナンバーワンであるのは、こちらの予想通りだった。


盗賊の死体を穴を掘って埋め、そこから移動してから野営の準備をした。

ここで、改めてステータスを確認する。

ステータスの各パラメーターや固有スキルや称号は変わらない。

変わっているはスキルだ。


武器系

大剣術5、剣術6、短剣術2、棍棒術3、斧術1、槍術1、暗器術1、盾術2、投擲2、強打1、強襲1、鎧袖一触1、弓術1

格闘・身体系

無双1、瞬動1、回避1、格闘1、喧嘩1、噛み付き4、跳躍2、突進1、逃げ足1、蹴り1、踏みつけ1、頭突き2、

能力上昇系

怪力6、剛力4、敏捷4、身体強化6、皮膚硬化5、頑丈5、金剛1、聴覚強化2、夜目3、俊足2、長駆1、無呼吸耐性4、潜水4

技能系

航海術1、操舟1、穴掘り1、陶芸1

隠蔽系

隠密1、隠蔽2、目くらまし1、騙し討ち1、裏切り1、詐欺1、誘拐1

探査系

気配察知6、魔力探知3、聞き耳1、方向知覚1

魔法系

風魔法8、音魔法6、土魔法4、火魔法4、水魔法4、闇魔法4、魔力回復3

支援系

気力譲渡1

召喚系

ゼネラルアーマー召喚、ゼネラルソード召喚、眷属召喚1、オーク召喚2

支配系

統率3、眷属強化1、仲間呼び1

精神制御系

マインドブロック2、警戒1、威圧1、脅し1、フィア1

呪い系

バインドワード1、ファントムファイア1、魔法阻害1、ファントムウォーター3

調剤系

操毒1、毒薬調合1

その他

鑑定2、無敵1、天賦の才1、悪食4、異常耐性1、成長加速1、床上手1、分裂3、再生1

魔物スキル(使えない)

飛行1、羽刃1、嘴攻撃1、鉤爪1、狼爪斬1、遠吠え1、雄叫び1、繁殖力1、陸上呼吸1、横走り1、ハサミ撃ち1、脱皮1、多足1、岩這い1、巻き付き1


天賦の才は、能力上昇系ではなくて、その他に分類されていた。能力上昇だけでなく、その他にも効果があると考えるべきだろう。

鎧袖一触は、武器系のスキルなわけだ。

金剛は、能力上昇系で、なおかつ頑丈の上位スキルのうようだ。

無双と瞬動と回避は、3つとも格闘・身体系のスキルというわけだな。すると、昨日の夜に襲ってきた奴は、剣よりも素手の方が得意だったわけか。しかし、相手が剣を持っていると、素手という訳にはいかないから剣を持っていたのか、それで却って実力が発揮できなかったのか。皮肉なものだな。

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