冥界スキル
カロンの言葉が終わると同時に、俺は尾根下の戦場跡に居た。
『地上に戻れたのか』と、周囲を見回すと、横にアンテローヌ達が居て、
「アンデッドは無事に消滅したようです。これから、どうされます?」と聞いてきた。
俺が冥界に行っていた間、彼女達の時間は止まっていたはずだから、彼女達にとっては俺がアンデッドを消した直後なのだろう。
目の前に居たアンデッド達が消滅して、ホッとした様子だ。
『そういえば、ナザニエールを出るとき、内戦が起きて、街にいる冒険者は強制的に徴兵されるからと、冒険者の暴動が起きたんだったな』
あのときは、アンデッドを消滅させることに気を取られていて、内戦について情報を探っていなかったことに、今更ながら気が付いた。
「誰か、ナザニエールの冒険者達から、戦争の情報を聞き込んだか?」と、皆の方を振り向くと、
「冒険者達は、トラディション伯爵が王都を攻める為の徴兵だと騒いでいました」とアンテローヌが教えてくれた。
『やはり、王家とトラディション伯爵の内戦か。内戦が起きたのは、穢れが解き放たれたせいなのか?カロンは、生者の世界に8つの穢れが解き放たれたと言っていたな。内戦と穢れを結び付けると、内戦の首謀者は8人ということになる。しかし、8つの穢れのうち5つは倒した。残りの3つについては、地上で滅ぼさねばならぬとカロンが言っていたから、穢れに憑りつかれた奴が3人残っているということなのだろう。まずは、その3つの穢れを探し出さないといけない』
「アンテローヌ、トラディション伯爵に加勢しそうな貴族家は分かるか?」
「トラディション伯爵を盟主とするフスタール同盟は、8つの貴族家からなります。個別の名前を挙げましょうか?」
「やはり、8つか」
「やはり?」と、俺が零した言葉にアンテローヌ達が首を傾げる。
「詳しいことは、野営のときにでも話そう。今は、直ぐに、クラガシアに取って返そう」
俺は、封鎖で足止めを食ったナザニエールを避け、直接クラガシアを目指すことにした。
戦場跡の尾根下からクラガシアまでは、かなりの距離がある。騎馬で早駆けをさせても、尾根下からナザニエール迄4日~5日、ナザニエールからクラガシア迄2日程かかる。
俺は、馬を走らせながら、『今度の戦いは、そなたにとっても益があったはずじゃ』というカロンの言葉を思い出しながら自分のステータスを確かめると、大きな変化があった。
名前 ダブリン
種族 人間
性別 男
年齢 8
ジョブ 捕食者7(魔物を捕食する者)、進化者9(魔石によって進化する者)、冥界の戴冠者
筋力 A++→S-
耐久 B+→A--
俊敏 B++→A-
魔力 A+→S-
抵抗 B++→A-
冥界スキル 冥界存在(死亡時)、冥界結界、冥界召喚、冥界支配
固有スキル スキルドレイン(接触時) 魔石進化(魔石吸収時) 魔力ドレイン(接触時)
スキル
武器系
両刀術1、大剣術12、剣術13、短剣術2、棍棒術3、斧術1、槍術1、暗器術1、盾術2、投擲2、強打5、強襲4、鎧袖一触6、破城斬1、弓術5、回転斬り1、飛斬1、3点突き1、大盾術1
格闘・身体系
無双8、瞬動9→11、回避8→10、格闘1→3、喧嘩1、噛み付き4、跳躍5、突進4、逃げ足3、蹴り1→3、踏みつけ1、頭突き2、後ろ回し蹴り1、あびせ蹴り1、空中回転1、スリップ1、バックステップ4、サイドステップ5、縮地3、木登り1、枝渡り1、体当たり1
能力上昇系
怪力11→12、剛力9、敏捷7、身体強化10、皮膚硬化7、頑丈6、金剛3→5、聴覚強化5、夜目8、俊足5、長駆1、無呼吸耐性8、潜水5、強靭身体2、生命力3、皮膚筋肉硬化3
技能系
航海術1、操舟1、穴掘り1、陶芸1、目利き1、錬金術1、薬草採取1、酒造1、鉱物精錬1、鍛冶1、木工1、調理1、裁縫1、織物1、彫金1、交渉術1、暗算1
隠蔽系
隠密2、隠蔽3、目くらまし1、騙し討ち1、裏切り1、詐欺1、誘拐1、横走り1、岩這い3、インビジブル1、待ち伏せ1
探査系
気配察知10、魔力探知3、聞き耳1、方向知覚1、熱感知7、超音波5、警戒1
魔法系
風魔法11、音魔法11、土魔法6、火魔法9、水魔法9、闇魔法9→10、魔力回復3、雷撃魔法1、閃光1、闇弾1、雷撃1、光魔法3、冥界魔法5→35、空間魔法1→3
支援系
気力譲渡1
召喚系
ゼネラルアーマー召喚、ゼネラルソード召喚、眷属召喚1、オーク召喚2、スタンジー召喚1
支配系
統率3、眷属強化1、仲間呼び1、魔物テイム1、獣テイム1、精神干渉6、ノーボディ3、威圧4、脅し1、フィア4、束縛1
精神制御系
マインドブロック2、精神統一3
同調系
以心伝心2
耐性系
異常耐性4、毒耐性1、酒豪1、熱耐性1
呪い系
バインドワード1、ファントムファイア3、魔法阻害3、ファントムウォーター3、呪い無効、カース6、セイントファイア1、ブラックファントムファイア1
調剤系
操毒1、毒薬調合1、調剤1、調薬1
回復系
再生1、癒し1、起死回生1、ブラッドスライム5、超再生2
その他
鑑定2、無敵1→2、天賦の才1、悪食6、成長加速1、床上手1
魔物スキル(使用不可)
飛行1、羽刃1、嘴攻撃1、鉤爪1、狼爪斬1、遠吠え1、雄叫び1、繁殖力1、陸上呼吸1、ハサミ撃ち1、脱皮1、多足1、巻き付き1、毒牙1、雲霞1、擬態1、刺突舌1、咆哮1、風斬爪1、毒針1、羽音1、鉄鎧1、創毒1、悪臭1
称号
ゴブリンの捕食者
(ゴブリンに対しての攻撃が防御無視になる。コブリンからの攻撃はダメージが半減する)
インビジブルの捕食者
(相手のインビジブルを無効に出来る)
冥界の戴冠者
(冥界支配)
まず、冥界に行く以前に、ジョブのデスマスターが冥界の戴冠者に変わり、称号のデスマスターも冥界の戴冠者に変わっていたが、それ以後の変化として、冥界スキルとして、冥界存在(死亡時)、冥界結界、冥界召喚、冥界支配という新しいスキルが現れていた。
その影響なのか、固有スキルから、アンデッド復活(死亡時)が消えて、冥界スキルの冥界存在(死亡時)に置き変わったようだ。アンデッド復活の場合は、死ぬとアンデッドとして復活するという嫌なスキルだったが、今は、死ぬと冥界存在という一段階上位の存在になるらしい。死んだ後、アンデッドになって彷徨う心配が無くなったのは良かった。
次に、固有スキルのヘルゲート(使用済み)と、スキルのリッチ召喚1、冥界の鎧召喚、カロン召喚が消えている。これらは、冥界スキルの冥界召喚に統合されたようだ。
また、スキルの冥界支配とアンデッド化が消えている。これらは、冥界スキルの冥界支配に統合されて消えたようだ。
それだけでなく、各ステースのパラメーターが全て大幅に向上し、幾つかのスキルの熟練度が上がっている。その中で、冥界魔法が5から35と熟練度の上がり方が著しい。
大きく変化したジョブやスキルの詳細を見ると、
ジョブ
冥界の戴冠者
冥界の王の権能を持つ。ただし、種族が人間であることの制約がある。
冥界スキル
冥界の権能を持つ高次元スキル。ただし、種族が人間であることの制約がある。
冥界存在(死亡時)
死亡すると冥界存在として蘇る。
冥界結界
いつでも、どこでも、冥界属性の結界を呼び出して、拠点とすることが出来る。
冥界召喚
冥界神以外の冥界の全てを召喚することが出来る。ただし、格上の存在を召喚することは出来ない。
冥界支配
冥界神以外の冥界の全てを支配することが出来る。ただし、格上の存在を支配することは出来ない。
称号
冥界の戴冠者
冥界の王の権能を持つ。
これが今回の戦いの成果だとすれば、カロンの言ったように益があったことは確かだ。




