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家臣団

「冗談は、さておいて、先ほどのお話ですと、アンテローヌ様はランズリード家を離れて、家臣団を立ち上げられるのですね。それなら私も参加致します」とシモーヌ。

「シモーヌ様、よろしいのですか?」とアンテローヌ。

「私も参加するわよ」とアリシア。

「えっ、アリシアは、代理とは言えここの領主だろう?」と、俺が突っ込むと、

「父上は直ぐに戻りますので、問題ありませんわ」

「そう言えば、家臣団のことを、詳しく知らないんだけど、教えてもらえないか?」と俺が言うと、3人は顔を見合わせて、

「テレナリーサ様から、聞いておられないのですか?」とシモーヌ。

「いや、全然」と俺が答えると、

「では、私から説明させて頂きますわ」とアンテローヌ。

「家臣団というのは、貴族家の揺り籠と言われております。有力な殿方に3人以上の貴族の女が嫁いで、家臣団を設立すると宣言することで、興すことが出来ます。本来なら、ダブリン様の第1妃はテレナリーサ様ですが、テレナリーサ様にはそのようなお気持ちはない筈ですわ」

「そうですわね。それなら、ここにいる私達3人で、家臣団を宣言してしまいませんこと」とアリシアが提案し、アンテローヌとシモーヌの顔を見ると、2人とも頷いた。そして、3人は椅子から立ち上がって、アンテローヌとシモーヌが俺の両脇に来て、

「さあ、立ち上がって下さいませ。宣誓の間に参りましょう」

と、俺を無理やり立ち上がらせた。

オーリア達には、その部屋で待ってもらうことになって、俺は、その部屋から連れ出された。

先頭をアリシアが歩き、アンテローヌとシモーヌが俺の両腕を抱えて、連行されるようにして、長い廊下を何度も曲がって、とある扉の前まで連れて行かれた。

アリシアはその扉を開けて、俺達を招き入れると扉を閉めた。

部屋の正面には大きな石の祭壇があり、その祭壇の前で、俺は皆の前に押し出され、3人が俺の後ろに横一列に並んだ。

「膝立ちになって下さいませ」

アリシアに後ろから囁かれて、訳も分からずに膝立ちになる。俺の後ろで、3人が同じように膝立ちになり、祈る様に手を前で組む。

そして、まず、アンテローヌが、

「我、アンテローヌは、ダブリン様の妃として、ダブリン家臣団の設立を、ここに宣言する。今より我が名は、アンテローヌ・ダブリンとする」と宣誓した。

「我、アリシアは、ダブリン様の妃として、ダブリン家臣団の設立を、ここに宣言する。今より我が名は、アリシア・ダブリンとする」

「我、シモーヌは、ダブリン様の妃として、ダブリン家臣団の設立を、ここに宣言する。今より我が名は、シモーヌ・ダブリンとする」

と、アリシアとシモーヌが続けて宣誓した。

俺が驚いている間に3人の宣誓が終わると、3人と俺の身体が光り、その光が繋がった。そして、その光は一瞬で消えた。

ステータスを見ると、


称号

ダブリン家臣団当主


という称号を得ていた。


「これで、ダブリン家臣団が設立されましたわ。そして、私達は、正式なダブリン様の妃となりましたわ」とアリシア。

「驚かれましたか?これが貴族家の正式な婚姻の儀式です。ダブリン様の正式な妃は、私達3人になりますので、心しておいて下さい」とアンテローヌ。

俺はこの話を疑問に思い、

「前にテレナリーサもパティも、サークルの一員だと言っていなかったか?」と聞いた。すると、

「家臣団は、サークルの中でも、貴族家だけを対象にしたものを言いますのよ。サークルでの妻は正妻と呼び、家臣団での妻は妃と呼びます。ですから、あなたの妃は、今、家臣団の宣誓をした私達3人だけで、テレナリーサ様や、まだ宣誓していないヴィエラ、それと平民のパトリシアさんやデュエットさんは、正妻という呼び方になりますわ。もっとも、テレナリーサ様とヴィエラは宣誓さえすれば、妃になれます」とアンテローヌが説明した。

「王都に戻れば、ヴィエラは家臣団に加わるのに間違いありませんわ。私が、抜け駆けしたと怒るでしょうけれど」とアリシア。

「妃と正妻はどう違うんだ?」と聞くと、

「家臣団は、貴族家を興そうという集団ですから、家臣団の妃には、軍事や社交など、家臣団の活動を担う義務が生まれます。女としてどう扱うかは、妃も正妻も妾も、旦那様次第ですわよ」とアンテローヌ。

「テレナリーサの意向も聞かずに、勝手に家臣団を創って良かったのか?」

「たぶん大丈夫でしょう。テレナリーサ様にその気があれば、いつでも家臣団に参加されるでしょう。ですけど、テレナリーサ様は、恐らく家臣団には参加されないと思いますわ」

「何故だ?」

「私達は、このように生家から離れて、新しい家を興すことが出来ますが、テレナリーサ様は新しい家を創ることが出来ないからですわ」

「何故、出来ないんだ?」

「テレナリーサ様が新しい家を興すということは、新しい王朝を興すということになるからですわ」

と、とてつもなく衝撃的なことを聞かされた。

「テレナリーサは、王族なのか?」

「そのようなものですわ。テレナリーサ様は、王家に縛られておられます」

「そ、そうか、新しい王朝を起こすとか、そんな大層なこと、出来るわけはないな」

俺は、納得してしまった。

『言葉を濁されたけれど、テレナリーサは、たぶん、王位継承権をっ持っているのだろうな。俺なんかが付き合っていていい相手じゃなかったわけだ。これからどうしたらいいんだろう。これは、王都に戻って、テレナリーサに聞いてみたい気もするが、聞くのが恐い気もする』

と、凡人でしかない俺は、自分が置かれてしまった立場に怯えた。

そんな俺の手を取って、アリシアが何処かへ連れて行こうとする。

「何処へ行くんだ?」

「私の寝室に決まっていますわ。今夜は覚悟して下さいませ」

と、俺の腕に、釣鐘型の巨乳を押し付けて来た。

その後、寝室にオーリア達も押しかけて来て、6人の女が満足するまで♡することになった。

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