詩って何だろう①
詩って何だろう、と思うのですよ。
私が詩に初めて触れたのは、十代の頃でした。当時「19(ジューク)」という歌手(三人組)がいたのです。そのジュークのメンバーだった「326(ミツル)」は、CDジャケットのイラストだとか、そういうのを担当していた人で、特徴的な絵を描く人だったのです。その絵と詩がセットになっている。これが、ミツルだと言えるのでした。そしてミツルの詩が、私の詩の原点であったと思います。
私は高校生の頃、ミツルのイラストを真似したりしたものです。あとは何か、「昨日見た夢の事」とかいう題名の、わけの分からんもの書いて、その病んでる感じのものを手紙として友達にあげたり。友達は友達で、私が退学するって言って教室を出て行く夢を見たとか、手紙に書いて寄こしてきたり。
そんな、青春時代でした。
時は移り変わり、二十代の始めごろ。私はバイト先で、初めて本物の詩人に出会ったのです。それは、新入社員のSさんでした。彼はある日、売り場を作っていた私に手のひらサイズの冊子を見せて、こう言ったのです。
「僕は詩を書いている。ペンネームは沢田研。ぜひ、読んで下さい」と。
私は固まりました。「沢田研って、あの歌手の、沢田研二の事かなあ」と思ったからです。そして、サワケン(心の中で勝手に略していた)が以前から「LUNA SEA(ビジュアル系ロックバンド)」を好きな事は知っていたので、なんていうんだろう。
「いや、いいです」って、詩集を読むことを拒否しちゃったんですよね。私。その当時は、耐えられなかったんですよ。三十代の男性から、俺の詩を読んでくれって言われている、その状況が嫌で。
ただ、今思えばもったいない事したなあとは思うんですよ。冊子というか、書籍を出している人なのだから、それなりに内容は良いものだったのじゃ無いかとか、思うんです。若気の至りでしたね。
という事で、なんか話が長くなっちゃったんで、詩の話は次回に続きます。