表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
可愛いだけの死神ちゃん  作者: カラスヤマ
3/52

③家族計画

また神様から『夢』を持ち続ける勇気をもらった。十時半。寝る準備を終え、布団に潜り込んだ。


そういえば、どうやって帰ってきたのか何故か思い出せなかった。喫茶店を出た記憶も抜け落ちている。


「痛っ!!」


頭痛薬を飲むと、少しだけ落ち着いた。なんだか無性に外が気になり、小さな出窓を開けた。

家の前のゴミ置き場。その近く。電信柱の陰に何かが動く気配がした。




◆◆◆◆◆◆◆【奇妙な話:家族計画】◆◆◆◆◆◆◆



まだいる。


家の外に姉さんが。



僕と目が合うと、たぶん笑わそうとしているんだろう。グニグニと変な形に両手を動かしている。



僕が外に出ても、話しかけるワケでもなく、いつも黙って我が家を見上げていた。



「ねぇねぇ、お母さん。なんで姉さんは、ずっと外にいるの?」


「えっ…………。アナタにお姉さんなんていたかしら??」


お母さんの顔がいつも以上に白くて、少し怖かった。

…………………。

…………。

……。


塾から帰るといつも外にいる姉さんの姿がなかった。


安心と同時に、残念な気もした。もう少し、観察を続けたかったな。


「ただいまぁ……。あぁ~……お腹すいた」


「あなた……………ダレ?」


冷たい目が、6つ。

こんなに近いのに、手が届かない幸せ。


カレーの良い匂いがする食卓に母さんと父さん。それといつも僕が座っている席に姉さんがちょこんと座っていた。三人で仲良くテレビのお笑い番組を見ている。


あぁ。


そっか……。



今度は、僕が『外で待つ番』なんだね。

この狂った家族の一員になる為にーーー。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ