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可愛いだけの死神ちゃん  作者: カラスヤマ
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②雷

雨は止むどころか、どんどん激しくなってきた。


「雨、スゴいね~~」


神様は、僕の横で優雅にフルーツサンドをモフモフ食べながらボソッと呟いた。


「あ…あのさぁ、この店って神様一人だけなの?」


「うん。基本はね。髭もじゃマスターは忙しい人だから、たまにしか店に来ないの」


「ふ~ん………」


初めてこの店に来た時、神様の姿を発見し、何故かホッとしたのを覚えている。明るい彼女がいるから普段は気にならないけど、なんだかこの店は、店全体が蝋燭の炎のようにひどく儚くて………。


「ひゃぁ! かみなりぃっ」


慌てて、僕の体に抱きつく。


「ぐる…じ…ぃ……。く、首をしめるなッ!!」



◆◆◆◆◆◆◆◆【奇妙な話:雷鳴】◆◆◆◆◆◆◆



私は、雨女。


学校で彼を見た時、一瞬、思考が止まった。初めての感情。


これが、恋?


ある日ーー。


彼に声をかけられた。ドキドキした。そのあとすぐに激しい雷雨になった。雷雨は、夜中まで続いた。



夏休み前、玉砕覚悟で彼に告白した。


「うん。俺もお前のこと、前から気になっていたんだ」


告白は、成功した。



だけどーーーー。



どこからともなく黒い雲が押し寄せ、雨が降りだした。



ゴロゴロゴロゴロ


激しい雨。光。……と怒り。



突然、雷が目の前に落ちた。


私の前を歩いていた彼に。今も煙をプツプツ出しながら、倒れている彼を見た。雨雲は消え、綺麗な夕焼けが私だけを優しく照らしている。



私は、雨女。



天に愛された女。


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