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中学校

 今日は月曜日、何とも憂鬱だ。いつもは元気な桜も今日ばかりは元気がなさそうだ。


歩美「桜、はやく朝食食べて。」


学校に行く前に食器を洗ってしまいたいので早く食べるように言う。お父さんとお母さんはさっさと食べてさっさと行ってしまったのに桜は寝ぼけているのかのろのろと食べる。これだと食器が洗い終わらないよ!。


歩美「桜、早く食べて!。」

桜「?。お兄ちゃんがおにぎりだ!。」がばっ


桜が意味不明なことを言いながら僕のことを持ち上げてきた。これだからチビっていやだ。普通の兄妹だったら妹に持ち上げられることなんてないのにと考えていると時計は8時前になっていた。これは食器洗いは帰ってきてからだなと思いながら桜をビンタでおこし家を出た。


学校につくと僕の席の前で待つ人影があった。


優斗「今日は遅かったな。」

歩美「妹が寝ぼけてて・・・。」


彼の名前は前園優斗。僕の親友だ。幼稚園から小学校まで全部同じクラスだったいわゆる腐れ縁という奴だ。寡黙だが昔から僕と仲良くしてくれるいいやつだ。


優斗「それにしても今日もちっちゃいな。」なでなで


前言撤回、嫌な奴だ。いや基本的にはいいやつなんだけど会うたびに小さいと言いながら撫でてくるのはやめてほしい。176センチと中2としては高身長な優斗から見ると僕は小さいのかもしれないがあんまり撫でられると縮む気がする。


歩美「頭撫でないでよ!。こうしてやる!。」ちょんちょん


お返しとばかりにわき腹をちょんちょんする。わき腹が弱い優斗は笑うのを必死にこらえているようだった。僕の頭を撫でるからこうなるんだ!。


梅子「こら!、あんたたち暴れてんじゃないわよ!。」


僕たちがじゃれあっていると横から注意されてしまった。彼女の名前は秋島梅子、このクラスの学級委員長だ。委員長につかまるとめんどくさいんだよな。


優斗「別に暴れてたわけじゃない。こうやって撫でてただけだ。」なでなで


そういって優斗は委員長の頭を撫でる。委員長は身長が僕といい勝負なので優斗は余裕で撫でていた。一方委員長はというと・・・。


梅子「・・・んっ。」


撫でられるのを堪能していた。さっきまでの高飛車な委員長はどこに行ったのか。そのあと委員長は自分が恥ずかしい姿をさらしているのに気付き顔を赤くしながら「覚えときなさいよ!。」なんて捨て台詞をはいて自分の席に戻っていった。


歩美「委員長、かわいいなー。」

優斗「でも、高飛車だぞ?。」

歩美「僕はちょっと高飛車なほうがいいよ。」


そういうと優斗はジト目でこっちを見て一言「お前はMか。」といってきた。別にそんなんじゃないんだけど。


キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴り授業が始まった。


~放課後~

優斗「あれお前の妹じゃね?。」


学校が終わったので二人で帰っていると優斗が急に指をさした。刺したほうを見ると確かに桜だった。友達と帰っているらしいがほかの子が140~160程度の身長なのに対し桜だけがずば抜けて大きい。まあ当然といえば当然だが。


優斗「いつ見てもでかいな。」


優斗も中2にしては大きいのだが桜は大きいのレベルが違う。そうこう話していると桜がこっちに気づいて友達を連れてやってきた。


桜「下校中に会うなんて珍しいね。」

歩美「今日は少し早く終わったからね。」


普段はこうやって鉢合わせたりしない。しかし今日は偶然は小学校と中学校の下校時間が同じくらいになったらしい。


桜「初めまして。妹の桜です。兄がいつもお世話になっております。」

優斗「優斗です。いつも歩美のお世話をしてます。」

歩美「優斗、それどうゆうこと!。」


優斗に世話された覚えはないんだけど!。桜のは社交辞令だけど優斗のは僕を馬鹿にしてるよね!。


優斗「高いところのものをとったりいろいろ世話してます。」


相変わらず馬鹿にしてくる。嫌本当なんだけれども。



歩美「初めまして。桜の兄の歩美といいます。よろしくね。」


優斗のせいで少し挨拶が遅れたが桜の友達にも挨拶をする。桜と違って小さくてかわいい。でもさっき遠目に見てわからなかったことが目の前に来てようやくわかった。桜の友達は桜よりは全然小さいけれど僕はその友達の誰よりも小さかったのだ。やはりというべきか桜の友達はみんな僕を疑惑の目で見ている。


桜友1「ねえ、桜の家って複雑な事情でもあるの?。」(小声)


いやそういうのが一番つらいんですけど。いっそのことチビだといってくれ。


桜「いや普通に血のつながったお兄ちゃんだけど?。」


桜が説明してくれる。ただの自己紹介でこんな説明が必要な兄妹も珍しいだろう。みんなが信じられないという目で僕を見下ろしてくる。見世物じゃないんですけど。


桜友2「お兄さん、小さくてかわいいですね。女の子みたい。」なでなで


僕のコンプレックスの欲張りセットを言うのはやめて欲しい。しかも初対面の年下の女の子に撫でられてしまった。初対面ゆえに乱暴に払い落とすこともできない。


歩美(優斗、助けて。)チラッ

優斗「歩美はかわいいからね。」なでなで


いや、一緒になって撫でないでよ。結局この後ほかの桜の友達や桜も加わり僕は頭をもみくちゃにされるのだった。

次の投稿日は8月23日です。これ以降は毎週日曜日に投稿します。

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