文化祭決め
梅子「はい注目!。今日は文化祭のクラスの出し物で何をするか決めるわよ。」
委員長の声がクラスに響く。今日は文化祭のちょうど1か月前、そろそろ何をするかを決めなければならないので放課後に委員長と副委員長の僕とでクラス会を開き出し物の内容を決めなければならないのだ。
「はい!、みんな自由に見て回れるように展示がいいと思います!。」
なるほど、展示だったら準備は大変だけど当日は何もしなくていいというメリットがあるのか。なるほどと思い板書する。
「展示するものは委員長と副委員長の百合カップル写真集でどうですか!。」
どういうことなんですかね?。僕は黙って板書していた展示の案をきれいに消した。クラスから悲鳴の声が上がる。いや、何で僕たちの写真集が展示されなきゃいけないのか。しかも百合カップルて。100歩譲ってカップルの部分はいいよ。男女で疑似のカップル写真集、よくある話だ。百合ってのは何なんすかね?。僕は男なのに。てっきり委員長が言い返してくれると思っていたが何も言わない。委員長?。
梅子「は、恥ずかしい・・・。」フルフル
委員長は顔を真っ赤にして恥ずかしさに震えていた。まぁ、恥ずかしいよね。
歩美「みんな真面目に意見出してよ!。僕は女の子じゃないからこの意見は没ね。」
クラス一同「あぁ~~~!。」
いや、そんな悲しまなくても・・・。もっと屋台とか絵の展示とかまともな意見を言ってくれよ。
梅子「き、気を取り直して決めてくわよ!。」
あ、委員長復活した。
優斗「まぁ、さっきの展示の話は中身がアレだっただけでょ宇出津で展示をすること自体は悪くないと思うんだ。」
梅子「なるほど、じゃあ何を展示するの?。」
優斗「それはもちろん妖精委員長の写真集を―」
ゲシッ
優斗「ぐおおおおおおおおおおおおお~~~~~~~!。」
梅子「害虫は駆除したわ。みんなどんどん意見を言ってね!。」ニコッ
委員長笑顔が怖いよ・・・。優斗は・・・自業自得かな。それにしてもなかなか決まらない。何かいい案ないかな。
「メイド喫茶ってのはどうですか?。」
突然とんでもない意見が出た。意見を出したのはクラスのおとなしい女子の英子さん。あのまじめでおとなしい英子さんにしてはなかなかはっちゃけた意見だ。
梅子「それはメイド服を着て喫茶店をするってやつ?。」
英子「はい、男子が調理を、女子がホールをします。」
なるほど、男女で仕事も分けられてなかなかいい感じだ。これで決定にしたいな。
歩美「みんなはどう?。」
優斗「委員長たちはメイド服着るのか?。」
「よくぞ聞いてくれた!。」「それでこそだ!。」
クラス中から謎の称賛の声が上がる。いや優斗もどや顔しなくていいからね?。
梅子「そりゃ私は女子だから着てといわれれば着るわよ。」
歩美「僕は男だから調理かな。」
「歩美の手料理もイイ!・・・が。」「ここは妥協なしで歩美もメイド服を・・・。」
このクラスの人たちは何を言っているんだろう。僕なんかがメイド服着ても気持ち悪いだけじゃないか。
歩美「男の僕が来たら気持ち悪くなるよ・・・。」
優斗「歩美、そんなことはない。親友の言葉をどうか信じてくれ。」
僕ってそんなに女の子っぽいのかな・・・。顔が熱くなる。
歩美「いや・・・あの・・・。」アワアワ
梅子「・・・言い出しっぺの英子ちゃんはどう思う。」
委員長が英子さんに話をふってくれた。まじめな英子さんのことだからこれでようやく―。
英子「歩美君はかわいいんだから着るべきです。」
ええ・・・。もうどうやらにげられそうもない。観念することにした。
歩美「着るよ。着ればいいんでしょきれば。」
クラスから万雷の拍手が起こった。そんなに僕のメイド姿を見たいもんかな?。あと当たり前だけど出し物もメイド喫茶で決まった。
~クラス会終了後~
クラス会が終わった後僕と委員長は雑用をするために二人、教室に残っていた。
歩美「ああ、先が思いやられるよ。」
メイド服を着るということは実質女装して人前に出るということだ。このまえ桜に女児服を着せられたのとはわけが違う。あの時は桜だけだったが文化祭では不特定多数の人に見られまくるのだ。
梅子「まぁ、あんたのこと知らない人はあんたが男だって誰も気づかないと思うわよ。」
歩美「そんなに僕って女っぽい?。」
梅子「見た目は完全に女児よ。」
歩美「それは委員長もなのでは?。」
梅子「ふ~ん、そんなこと言うんだ。」ニヤニヤ
委員長、笑顔が怖いです。
梅子「無駄口たたいてないで早く雑用終わらせるわよ!。」
歩美「は~い。」
間の抜けた返事をしながら書類をホッチキスで止める。メイド服着るのは嫌だけどなんだかんだ文化祭が楽しみな自分がそこにはいた。
文化祭まであと〔30〕日
次の投稿日は9月27日(日)です。




