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悪女の王子様~云わねば心を射たれまい~ 共通1

救世主が現れなかった世界では邪教が溢れ、聖教が追い遣られていく。

その中でもラハージャ教は皇帝を後ろ盾として掲げる主教となりつつあった。


「このまま順当に行けば、世界はすべてラハージャ教になる!」

「もう邪教なんて言わせない!」


信者達は盛り上がっていた。

しかし、すべてをラハージャに変えることは教祖の望みではない。

それを酌めるものは幹部にもそういないだろう。


「今日も一日頑張ろ! ヱン様にご挨拶しなくっちゃ」


ただ一人、彼女を除いては。


「リル様だ」


教祖の右腕にしてご寵愛を受けるという女性幹部。

噂では一国の王がうつつを抜かし政治を疎かにしたとかなんとか。



「我々したっぱ信者は近くでお顔を拝見できないのが悔やまれる!」


どうせお婆さんだろうと男達は納得して去る。こういうのを“すっぱい葡萄”というそうだ。


「おはようございますヱン様」

「うむ、リルか……」


待っていたぞ、とでも言いたげな含みのある笑みを浮かべる。

何か妙案でも思いついたのだろう。リルは楽しみでならない。


「ブルーム星の第三王子フェンセルを我が教派へ迎え入れようと思う」


フェンセルの腹違いの兄にあたる第二王子クリストフは、聖ファラフ教の信徒にして聖騎士である。

新参なら聖教の主力たるクリストフを排除し、主教の座を得ようとするだろう。

しかし、教祖ヱンの目的は秩序を保つことだ。聖教がなければ邪教の概念が存在しないだろう。

そうなれば正義とされていたものからまた悪が生まれていく。故に核ではなく周囲から攻めるのだ。


「行ってくれるな?」

「もちろんです」


王子フェンセルに邪教を説き、ヱンのすばらしさを知らしめる。

そう誓うリルだったが……噂では王子は体が弱いと聞くし、あまり城を出ないようだ。


「まずは城に入るところから始まるわけだが」



→〔誘惑する〕「門番は男、であれば簡単です」「ふむ」「王子も骨抜きにしてみせます」「相手は子供だぞ」「2つしか違いませんよ?」「……そうか」/〔どうしましょう?〕


「奴は幼い頃に母親をなくしている。それを利用すればよい」

「わかりました!」


そういってリルは城へ直行した。ヱンは穏便に済めば良いがと気が気でない。


「ねえ、今度アタシとデートしない?」


長く艶やかなブロンドの髪、抜群のグラマラスボディ。まさに妖艶な悪の女幹部そのもの。

男所帯で鍛錬を重ね、女慣れしていない兵士達はウインク一つで失神するのだった。


「ちょろい」


中に入ってしまえば簡単でメイドのフリをして王子のいる部屋に到着した。


「王子サマ、ご機嫌いかが?」

「見かけない顔だし、おまえ……潜りか」


父王譲りの銀髪に珍しい紫の瞳。

大人と子供の間にあり、成長すれば彼の次兄に劣らず美男になると想像がつく。


「僕の首を……?」 →〔いらない〕 〔違う〕/「王子なら誰でもいいんだろ?」 〔はい〕 →〔いいえ〕


















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