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もうコネとは言わせません! 共通1
「……今日も依頼が来てる」
大魔導一族ノウプル本家の次女レティアは、
一月前に魔法学園を卒業し、すぐに高位魔導士となった。
「今日も頑張っておいで」
とパパがいう。
「ちゃんと護衛連れてけよ~」
姉様がいう。
「こまったらお金でなんとかなるわ」
とママにいわれ、送り出される。
「いってきまーす」
パパの雇った護衛二人を連れて依頼主の家に出発するのだった。
■■
「高位魔導士なのに傭兵を雇うなんて
さすがは金だけあるプルテノ(富の)一族ね。領地も狭いのに……」
レティアを見かけた青髪の女は遠くから言った。
「陰口なんて相変わらずクラール(知恵)の一族は陰湿だぜ。
科学者はプルテノのパトロンに支えられないとなんもできねえのにな」
大剣を背に抱える赤髪の男が大きな声で青髪の女を揶揄する。
「ハイロダルタンダ家のように野蛮な脳筋とは違うのよ」
「んだと……」
にらみ合いを始める両者を見て、やれやれと肩をすくめながら黒髪の男が間に入る。
「落ち着け。今日は集会だぞ」
「ふふふ……いつものこととはいえ、今日くらいはまともに話しましょう」