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オーネ、君には何もない 共通1
「ここが普通の学校か~」
建物の構造の珍しさにきょろきょろ周囲を見渡す。
「そこで立たれると通行の邪魔だ黒縁眼鏡女」
フチなし眼鏡男子が喧嘩腰で言った。
「おお、いかにもインテリって感じの少年だな」
通路を塞いでいたのに気がつき、道を開ける。
「……なんだこいつ」
彼が怪訝そうな顔で去っていく。私は教室へ向かった。
クラスで紹介され、授業を受けてあっという間に放課後になる。
勉強の時間は退屈だった。そして目的の友達を作るのって難しいんだな。
「見つけた!」
「アーマン、久しいね」
顔見知り程度の関係だが、彼は宇宙組織のエリート隊員。
「久しいね、じゃない! なんで辞めた!?」
私は宇宙組織のエリート科学者になったが、適当なマシンを制作して1週間で辞めた。
飛び級してまともな学園生活など遅れなかったから、通い直して青春したくなったのだ。