1/13
アリアの夢 共通1:敵討ち
『パパとママ出かけてくるわね』
待って!
『帰ったらごちそう作るからな。お前の好物だよ』
私も一緒に連れて行って!
『わーい! パパの作ったビーフストロガノフ大好き!』
聖都には行っちゃだめだよ!
「うわああああ!」
勢いよく起き上がると、ベッドから転げ落ちてしまった。
「またこの夢……」
いつもここで目が覚める。あれが両親と最後にした会話だった。
あのあと両親は聖都ルクスダリスへ向かって、隣国カオスマインの襲撃に巻き込まれ帰らぬ人となったのだ。
「寝よう」
あたりは真っ暗で、起きるには早すぎる。
■■
「女神クレイシニー様、どうか旅のご加護を」
礼拝堂を出ると幼馴染のクロネがいた。
「……おはよう」
「おはよう!」
朝は町の小さな教会で女神様の像と彼にあいさつするのが毎日の日課である。
「今日行くんだね」
「うん」
両親の仇をとるために