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【第五問】青春は闇がなくては語れない。(Part 4)


◇ ◆ ◆ ◇


「――それは大変……というか、お気の毒、だったね、剣山君……」

恋と死の物語を聞き終えた筑波(つくば)さんは何故か小さく同感した――まるで痛みの第一理解者であるかのように。

それに次いで、彼女はボクの物語を聞いている最中、不快な表情を一切浮かべず率直に聞いてくれたので、個人としてはなんだか――モヤモヤではなく、スッキリした感じが、心の奥底にあった気がする。

「それにしても、安城(あんじょう)さん、か……」

「……え? も、もしかして奴と知り合いなの? そうとも知らずにうっかり全部物語っちゃったんだけど……、」

もしも彼女と何らかの関連性があるというのならば、ボクは逸早く口止めしておかなければならないだろう。

まあ、語ってしまった自分も自分だから、とやかくは言えない……

「大丈夫、私、結構口堅いから、他の人には言わないよ?」

「本当に? いや、筑波さんを信頼していないって訳じゃないけど、そういう文言を口にする人って、結構口軽い場合が多いと思うんだけど。それに、今日の筑波さん、何かがおかしい気がするんだけど、気の所為か……?」

「そ、そう? い、いつもどおりじゃない?」

今日に限って、何だかボクに積極的であるというのは事実だ。この女子は普段、普通の女子とは違って女子女子してないし、女子らしい仕草とか、漫画とかで出てくるいやらしい行動とか、そういうのが一切ない――女子じゃない女子みたいな感じなのだ。

ま、まさか、この子、ボクのことが……! 的な展開には絶対ならないのは分かるが。

そう、ボクにラブコメは起こらない――起こったとしたら、それは絶対間違っている。

方程式の解として、間違っていて、虚数解でさえある。

「それで、そ奴――口にしたくないけど、安城(あんじょう)(はす)がどうかしたの?」

「その人は、私の元恋敵だったの」

筑波さんは、にこりと八重歯を見せてボクに微笑んだ。

そして、何処かぎこちなく――自嘲気味だったのを、ボクは不意に勘付いた。



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