【第三問】色欲は吐き気がする程キモすぎる。(Part 5.5)
◇ ◆ ◆ ◇
朝7時30分、妹が裸エプロンで起こしに来てくれた。
「…………ZZZ」
「ほらほらお兄ちゃん朝だよーこのエプロン麻だよーねっとり唾液かけちゃうよー」
と、ボクを容赦なく揺さぶるボクの妹。
「むにゃむにゃ……、あと二分……」
「はぁあ、これだからお兄ちゃんは……」
昨日色々な体験があった結果、未明に喜入と長電話してしまったから、かなり眠い。
正直今日は学校を休みたい……、サボっていいかな……? 授業もないしな。
「あああなかなか起きないなあーどうしよっかなーじゃあエプロン脱いじゃおうかなー」
「――っ! ほ、ほら、もう起きたよ! 頼むからそれだけは止めてくれ!」
ボクは起き上がり、大声で必死に妹のえっちな奇行を止めにかかる。
「ちぇっ、けちなお兄ちゃん……。少しは健康の為にも欲情しておいた方がいいんじゃない? 異常な女嫌い&最近エロ本及びエロ漫画を買ってないお兄ちゃんは特にね。それとも私の身体で十分なのかな? きゃはっ!」
「お前の身体なんかいらなねーよ!」と、ボクは激昂して反論の意を唱える。
ボクはあえてこの場で言語道断しておこう――ボクは妹でえっちなのは想像しない!
当然のことだけれど笑笑。
「ああ、お兄ちゃん今日優しくないなぁぁぁぁぁ。なんでなのぉぉぉぉぉねぇぇぇぇぇ、聞いてるのぉぉぉぉぉ? ねえってばぁぁぁぁぁ!」
ばたばた布団を叩いて駄々を捏ねる妹。
「もう、朝から騒々しいなっ! 少しは閑寂とした態度で人をもてなせないのか?」
「ぷ~っ、今日のお兄ちゃんは小賢しい。何でそんなにも大人ぶったこと言ってるの?」
いやいや、これは普段から思っていことなんだけどな。
「ああごめんごめん。すまないすまない。お兄ちゃんが悪かったぞー」
とりあえず適当にこの場を凌いでおこうと、ボクは優しく妹の頭を撫でて宥めておく。
「じゃあしょうがないから、お兄ちゃんを許す。早速今日の朝御飯食べてみてよっ! 久しぶりの自信作なんだよ! ほらほらリビングに来て来てっ! 一緒にYKG食べようよ! 涎かけご飯を!」
妹は過去を赤らめ、すっかり上機嫌というか、テンションマックスになった。
そして、指示されるがままにボクは居間に向う。
木製の四角卓上には――シーザーサラダ、豆腐の味噌汁、TKG、秋刀魚の蒲焼、卵焼きなどが配置されていた(どれも唾液は混入していなさそうに見える)。
「おお、美味しそう! いつもの料理にプラスαされてるじゃん」
「そうでしょう。じゃあほらほら食べて食べて。はい、あーんっ」
「あ、あーんっ」
妹は早速TKGを箸で採り、ボクの口内へ運んだ。
「お、美味しい! 今日は高級感のある卵だな」
「これね、私の卵じゃなくて、世にも奇妙なダチョウの卵を使ったんだよ? 結構大きいから黄身だらけだけどねー」
確かに妹の言う通り、最早茶碗はほとんど黄身が占めており、米が少ないようにさえ見えた。ああ、勿論唾液の味はしなかった。
「こっちの蒲焼も食べてみて! 上手に味付けしたからさ」
「おお、これも美味しい! こんなの初めて食べたよ」
つくづく褒め言葉しか出てこない。
「ありがと、妹」
「どういたしまして、お兄ちゃん」
そんな妹はいつもよりも増して可愛い笑みを、ボクだけに向けてくれた。
やはり、生きていて良かった――――と、ちょっぴり思ってしまった。




