Introduction
女子なんか、大嫌いだ――
精神が異常に狂いまくった高校二年生のシスコン/剣山貴仁は、常日頃そんな想念を抱きながら、三次元世界を生きていた。勿論のこと、女子を厭う彼には歴とした理由がある――それは昨年の冬に起きた、家庭内での殺人事件が深く関与していた。
その出来事の際、妹の剣山恩によって九死に一生を得た貴仁は今の今まで、妹に恩返しするためにも、ひたすら生き続けた。
しかしその人生の道中で、貴仁は関わりたくもないようなドS系悪女の喜入宵やいかにも女子女子している偽者の妹の礼井野伊代、そして消極的で根暗な筑波実輝と一緒に、学校一台行事『連立高校文化祭』を作り上げることになり、艱難辛苦を味わうことになる。
女子が嫌いだとは雖も、やはり女子と関わるのだから、貴仁の心境にも多大なる悪影響が及ぶのは当然で、時には喧嘩したり、一緒にお喋りしたり、殺されたり、お化け屋敷や風俗店を作ったり……etc……ついにはキスをする羽目になったり……と、嫌いなはずの青春と葛藤・苦悩しながら、また、あの殺人女を想起しながら、貴仁は自分の過去を振り返ることによって自分の為してきた行い勉強する――
二次元としてではなく、三次元として、生きるために、いるために、あるために、
飽食しきった二次元から逸脱した、三次元の物語が、彼自身によって、語られる。