空に想う 時を惜しむ
剣を使わぬ者が、それを振るう
めくらめっぽう
形も何もありゃしない。
力任せに振り回し
挙げ句の果ては己も怪我する
その時初めて目が覚める
累々転がる斬ったもの
真紅が広がる足元に
怪我した自分に気がついて
なんて馬鹿な事をしたのだと
ぬるりと濡れた手のひらに
ようやく気がつくその重み。
力任せに気持ちをふるう
それは鋭い刃となって
ところ構わず
暴れだす
罪無きもの 巻き込んで
グルグル、グルグル
今もこの先、未来の時も
全て飲み込み
散らしてく。
想像しようか
一息落ち着き
考えようか
これを使えば
どうなるか
自分に使われれば
どう思う。
やりきれない思いは
誰しも持ってるモノなのだから
この世に与えられた
存在というものは
奇跡なのだから。
少し立ち止まり
鳥になったつもりで
空高くから、空高い場所から
今の事を 眺めれば
欠けてしまった
大切な気持ちに
気がつける。
そしてそれを
ほんの少し取り戻せば
力をふるうことに
立ち止まる時を
与えてくれると思う。
人の一生短いもの
そこらの街路樹よりも
早く、くたばる人間さ
ならば 少しばかり
善人ごっこしてみよう
奪うより 与える側に
なってみようではないか。
さすれば何か
いいことの 一つや二つ
落ちてるだろう
それを拾ってみたら
面白く 楽しみな
さいの目が
出ると信じて
人の道とやらを
歩いていこう。
消えてしまったものは
もう取り返せないから。
だから
それらを 消さないように
してみようか。
なので 少しばかり
ちょっとだけで良い
善人ぶって
生きてみよう。