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4.浮遊感(1)


 絵や詩を描く方法は、様々だと思う。人それぞれの表出の仕方、拘りがあって、……だからこその、それ込の作品だとわたしは、思っているからこそ、表現する方の手は美しい、指は美しい、目は美しい、と感じてしまうんだ。……わたしでは想像もつかない、創造もつかない、ものを生み出す方々の、それ、は、きっと、わたしとは違う、別のものをもっと美しく写し取って、もっと繊細に、もっと鮮やかに動かれるのだろうって、羨望も込めて、思えてしまう。それは、眩しいほどに。


 **


 ……けれど、鑑賞者、という羨望する自分を取り払って、わたしが、ひとりの表現者として絵を描きだそうとするとき、……それら、様々な事柄は、全て、吹っ飛んでしまう。まっさらだ。何も思考しない。ただただ、白いキャンバスに夢中になって、わたしの指に陶酔する。指が遊ぶとき、わたしは、表現者を飛び越えて、まるで一人の観察者へと変わってしまう。すべての思考は後に先延ばされ、一瞬前の指の動きに目を奪われて、思考は羽を広げる。その瞬間は、思考からも解き放たれた自由だともいえる。……けれど、残念なことに、絵を表出する、と、いうことは、そこに、意味を付随しなければならない、とも、同義なんだ。


 **


 抽象的なものを描かなくとも、……あなたは、他者から、質問をされたことはないだろうか……?


 「これは、なにを描いたの?これは、何なのかな……?」



 **


 ふふ。この手の話にはとっておきな抜粋があるよね。……そう、目の前のあなたも、もしかしたら、すぐに思い浮かべられたかもしれない。


 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの、『星の王子様』だ。


 (わたしは、内藤濯様の美しい翻訳本が大好きだ。本当に美しいと陶酔してしまうほどに)


 この作品の中で、星の王子様は、トラブルで不時着してしまった、切羽詰まった”ぼく”に、羊の絵を描いて欲しいと頼み、”ぼく”はめんどくさいなと思いながらも、子供の時に唯一描いて大人に見せた、ゾウをこなしているウワバミの絵の外側部分だけを描いて、王子様に渡す。子供の頃、大人たちは、その絵を全く理解してくれなかったが、王子様は、その外側の部分の絵だけを目にして、”違うよ、ゾウをこなしているウワバミの絵なんて僕は欲しくないよ。羊が欲しいんだ。羊の絵を描いて”と、言う。(細かい部分が違っていたら申し訳ありません。このような流れであるのは確かですが、本は実家の本棚にあるのです涙 また読み返したくなってきました……)


 このエピソードの何にわたしが惹きつけられたかって?


 それはもう、いうことはひとつ、


 王子様は、説明を求めない。これは何?と聞かなかったこと。


 **


 は、何を言い出しているんだ?とうとう頭がいかれちまったか?藤 菊……もう手遅れか。


 と、思われたそこの目の前のあなた。


 ……それは、事実かもしれませんが、まぁ、そうなのかもしれませんが、


 わたしがここですごく、涙目になり伝えたいことは、わたしがいかれちまった話というどうでもよいことではなく、


 王子様は、説明を求めなかった。 という 一点のみで。



 **


 これは、わたしから見れば、本当に大きなことで……、


 と、いうのも、絵は、作品が指から生まれる瞬間は本当に無我の境地にあったとしても、もう、その数舜後には、既に、作者自身が、

”これはなにを描いているのか”


 を、思考し始めていて。


 ……そして、絵や、詩、は、その、作品単体だけではなく、その作者の説明が、より重要視されることも殆どなのではないかとわたしは思っていて。


 **

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