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覚えてる人はいるだろうか?

長かった伏線の回収です。

さらっと出して、そのままだっのを今回さらっと出します。



本編どうぞ!

 ふむ。フィルボード、か。

 相当大きくて強力な組織みたいだ。


 それに、プレジャーの反応を見る限りはナナシのことも知っていたみたいだ。どんな関係かは定かではないが。


 もう一つ、気になるのはマサトのことだ。

 最初は異世界に来たことで調子に乗っているだけの日本人かと思っていたが、そうだとしても、あそこまでアホなのか?



…………感情を司る、か。



 俺はアリスを撫でながら、とめどなく考え続ける。

 そして、


「…………影」


 俺が呟くと、吸血鬼が一人音もなく現れる。


「影に命じる。

 フィルボード、そして異世界からの転移者について調べてくれ。くれぐれも自分の身を優先に、でな?」


「御意に」


 そう答えると吸血鬼は影に溶け込むように消えていった。


 これで取りあえずはいいか。


「そうだなぁ。あとはこの町の防衛を強化したいな。ライナーとラオウ率いる防衛部門があるが、まだ心もとない。



…………そうだ、あいつがいたな」


 俺はとある人物を思い出した。


 多分誰も覚えていないだろう人物。俺も一度も出会っていない人物。

 しかし、この町の防衛力を発展させるのに大いに役立つと思われる人物。


 俺の独り言を聞いていた配下達は皆目検討もつかないようだ。

 抱きついているアリスはそもそも、今にも寝そうなので聞いてい

ないが。


「えーっと、俺、ウル、アリシア……が関係あるのか。


 取りあえずは服とか日用品を用意しようかな」


 俺はキョトンとする二人を気にせずに、忙しなく準備を始めた。

 あいつに会いに行くんだ。必要なものがある。服とか。


 そして、その日の内に三人で目的地に向け出発した。








「な、なるほど。この方は流石に私もわからないですよ。

 というか、よく覚えていましたね。マスター」


「? お二人は知っているのですか? 私はまだよくわかりません」


 二人が告げてくる。


「当たり前だろう? ウル。俺は恩を忘れない男だ。


 そして、アリシア、お前も間接的にだがお世話になってるぞ?」



 俺はそう言うと、

 とある小屋の前に立ち、ドアをノックした。


 ここは、魔物の楽園という名前の森の中、俺が生まれた森だ。一般的にはかなり強力な魔物の巣窟となっているらしい。


 そこの奥深くにポツンと建っている小屋。

 俺は前にこの小屋から服やなんかを拝借した。いずれは返しに、と思っていたが、今まではなんだかんだで忙しくてな。


 俺は扉の前で少し待ってみる。多分中に人は居ると思う。



「はーい」



 小屋の中から返事が。


「はいはい、こんな辺境までどちら様かのぉ? というか、よくこの小屋を見つけたもんよの……」


 ドアが開くと、中には……



…………褐色の肌、長い耳、男を魅了するような体。


…………まごうことなきダークエルフがそこにいた。



「俺もこれは予想外だな…………」


 俺は失礼にならないよう、ダークエルフの首から下をなるべく見ないように全霊を注ぎながら、呟いた。

 

「おろ? なんじゃ、お主? 妾に見とれたのかの?」


「ちげぇし。見とれてねーし」


 俺は即座に返答するが、心なしかウルとアリシアの視線が冷たい気がする。

 思わずで即答したから、言葉使いが荒くなってしまった。



「カッカッカッ、まあ、入るがよい。久しぶりの客じゃ。もてなすぞ?」


 ダークエルフは笑うと、扉を開いたまま小屋に戻り、言う。






「ほれ、お茶じゃ」


「あっ、わざわざどうも」


 俺たちは小屋のなかに入れてもらい、お茶を振る舞われる。


 お茶を出すと、ダークエルフも俺たちと同じテーブルにつく。


 俺は軽く観察してみた。

 褐色の肌にエルフ耳、ウルとはまた違った、落ち着いた色合いの銀髪に、琥珀色の瞳。非常に整った顔立ち、豊満な肉体。

 

 アリシアやサクラを初めとした女性陣といつも居なければ即座に惚れていたような美女だった。


「それで、妾になんの用件かの?」


「あ、ああ、実は前に服を借りさせて貰いまして、それの謝罪とお礼、そして他にも話が…………と、思ってたんですが。


………………こんなところで出会うもんなのかな?



………………神様?」


 俺はこの人を前にしたときに悟った、この人も神、だと。



「なんじゃ、いきなり。自己紹介より先に正体をばらすもんかのぉ?」


 ダークエルフはテーブルに頬杖をつき、言う。



「いかにも。妾は魔法を得意とする魔神をしておる、カミーユじゃ。竜神殿?」


 ばれてたみたいだな。


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