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初戦闘なんだが…………まじか。

 意気込んでみたのはいいものの、道が全く分からんな。

 …………ウルに聞いてみるか。なんたってレジェンドスキルだしな。



「ウルえもん、道がわからないのだが、何か道がわかるもの出して?」


『……もおー、しょーがないなー、ユーヤくん! 道がわかるスキルを出してあげましょう!』



「……ふざけて言っただけなのに何故そのネタを知っている……」


『マスターの話しについていくために「知恵の天使」の権限をフル活用しました。

 また、マスターと話していないときはそれらを含めた色々な情報収集をしています』


「どこに情熱を向けてんだよ……」


 世界の書庫(ワールドレコード)の無駄遣いだろ……



「まあ、いいか。前世のことを知ってんのはウルだけだし、俺が教えなくても話題が理解してもらえるのは素直に嬉しい。

 話を戻すが本当にそんなスキルが?」


『あります。先程のスキル説明では数あるスキルの中から主なものを言ったので、言っていなかったのですが、

 

 「知恵の天使」の内包されているスキルのなかに「自動地図(オートマップ)」と「地形理解」というものがあります。効果は以下の通りです』



自動地図(オートマップ)


 自分の行ったことのある場所を自動でマッピングする。

 地図は脳内に表示される。

 また、そこにいる生物などは表示されない。

 地形が変わった場合は、またその場に行き上書きしなければ変わらない。


「地形理解」


 周囲の地形を、自分を中心とした半球の中に限り理解する。

 半球の大きさは戦闘力に比例する。



『これを私がリンクさせ、管理することである程度の周辺の地図は作れます。脳内に表示させますか?』



 ………ウルが有能すぎる件。


 レジェンドスキルなんだし道わかんじゃね? とか思ったら予想の二歩先をいかれたみたいだ。


「あ、ああ、た、頼む」


 俺が動揺を巧妙に隠しながら頼むと



 頭のなかにイメージが写りこんできた。

 まるで、ジオラマみたいだ。しかも、360度から見ている。木々の形までわかる。

 これは大分助かる。それに、ウルがサポートしたからなのか、割りと広範囲まで見えるみたいだ。多分半径数百メートル位。



 ……あっ川を見つけた。

 ここに行こう。



 そうそう、翼なんだが、慣れないものの体が知っているって感じがあるのでなんとか飛ぶことが出来る。

 まだ慣れないから高くは飛べないし四足歩行で歩いた方が楽そうだが。

 取り敢えずは歩いて行こう。



「ウル、移動するぞ」










「グルルルルゥ…………」



「…………だよなあ。そりゃ出るわ。今回は俺が悪いわ。さっき戒めたばっかなんだがなあ」


 そう言いながら俺は目の前を見上げた。


 そこにはでかめの熊が。見た目、地球の熊とそんなに変わりはないようには見える。


 取り敢えず俺は、目の前の熊が俺を威嚇していてまだ襲って来そうにないのでこいつを鑑定してみた。





種族  パワーベアー

性別  男


・レベル 20

・HP    800/800

・MP    0/0


・パワー    1000

・スピード   300

・ディフェンス 300

・マジック   0

・マインド   100

・ラック    10


スキル

・轟爪

・威圧





「圧倒的格上じゃねぇか」


 おいおい、転生初の戦闘がこんな化けもんとかよ。

 まじで一時の油断で簡単に死ねるな、この世界。


 だが俺はすぐに冷静さを取り戻し、策を練り始めた。

 それが俺クオリティーだ。


 ……このステータス差じゃ、普通勝てねぇよなあ。


 逃げるっつても相手のスピードじゃすぐ追い付かれるし。


 そして何より俺には攻撃系のスキルがない。


 強いて言うなら喰らいつくす者だが、戦闘中に使うには向かない。

 

 生きてる相手に手を翳すことでの吸収は相手に抵抗されるからあまり期待出来ない。


 相手のスキルだが、焦りまくってパニックに陥りかけてるウルを宥めてなんとか聞きだしたところ、轟爪が爪での攻撃が範囲と威力が上がるスキル。

 威圧が相手を威圧してすくませる、時には相手の意識を刈り取る、相手と自分との戦闘力の差で効力が変わる、だそうだ。


 ああ、さっきから体がピリピリすると思ったがこれが威圧か。あまりパワーベアーに対して恐怖を感じないが、何故だ?


「そ、それは恐らくマスターのマインドが高すぎるため戦闘力の差を埋めたのかと。

 それよりもマスター! やっぱり逃げましょうよ!! こいつには勝てません!」



 だから逃げても逃げ切れないっての。

 だが、ウルの言う通りだ。



 ああ、勝ち目がほとんどねえ。








「だがな、0じゃないんだよ」

 


 そう言って俺は翼を広げ、パワーベアーに向けて俺の出せる全速力で飛んでいった。



「グルルルアア!!」


 パワーベアーは俺に向けてそのデカイ爪を降り下ろす。


 俺はその爪を翼を使い、なんとか方向転換して避けた。

 

 だが、



「ッ!!」


 俺の体に小さいが切り傷ができた。

 轟爪の効果か……


 だが、俺は痛む傷を無視して相手にそのまま突っ込み、



 その横腹に



 喰らいついた。





 流石にディフェンスが俺のパワーの30倍なだけある。

 ほぼ噛みつけない。毛皮かてぇー。

 だが、牙が折れそうなほど力を込めてやっと少しだが噛みちぎれた。



「グルルルアア!!」


 さっきと同じ鳴き声。だが、今度は苦痛の声だ。


 俺は急いでその場を離れる。


 俺のいたところを絶望的な威力を秘めた爪が通り過ぎた。




「ハア、ハア、ハア…………」



【「喰らいつくす者」が発動しました。

 

 パワーベアーのステータスを

 パワーを5、スピードを1、ディフェンスを1減少させました。


 ユーヤ ヤクモのステータスに一部還元されました】




 ーーよしっっっ!!! 思った通りだ! 喰らいつくす者は、戦闘が終わってからではなく、食う度にステータス吸収か!!



「力が沸いてくるようだ。これなら次はもう少し食いちぎれそうだ」


『ま、ますたー……? もしかして、何度も特攻じみたことをして、ステータスを奪っていく気ですか……?

 しょ、正気ですか!? 何度も何度も何度も死の一歩手前のようなことをして!

 精神がもつハズがありません!!』



「それしかねぇんだよ。何度考えても。

 それに、さっきウル自身も言ってたろ?

 俺があいつに勝てる可能性があるのは“マインド”、精神だけだ。

それを喰らう者と組み合わせたこの方法が唯一の生き残る道だ。

 それに、ここは幸いにも森のなか。地の利は俺にあるし、全てのスピードが俺の三十倍というわけではない。初速とか反射神経とかな。

 というか、熊だから動作が大振りだし、相手は全くステータスを活かせてない。

 だから、俺は戦える。まだ、勝機はゼロではないんだ」


『マ、マスター…………』



「安心しろよ。俺はまだ死ぬ気はない」




「さあ、パワーベアーよ。


 お前が俺に一撃を喰らわせて俺が死ぬか。


 俺が精神を最後までもたせて避けきり、お前を喰らいつくすのか。


 存分に死合おうか」




 そう俺を睨み付け唸っているパワーベアーに向かって言い放った。


 ユーヤですが、色々喋ってますが、生まれたばかりの時は他人が聞いていたら「キュア、グルー、キュキュ。」という風になってます。

 ウルさんが登場してからは「全言語理解」により人族の言葉を喋ってます。



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