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女子組でのお出掛け。始まり

ーsideウルー



 私は集まった皆さんに確認を取ります。


「それじゃあ、行きますよ~! 忘れ物は無いですか? おやつは三百円までですよ!」


「「「「「「?」」」」」」


 なんと! 私の渾身のネタが通じないとは……

 お出掛けを遠足に見立てると言う秀逸な素晴らしいボケなのですが……


 そういえば、このネタはマスターの故郷でのことでした。そりゃあ通じない筈です。もしわかっていたらこの場は爆笑に包まれるでしょうからね!


 今私達は女子組で町に遊びに行くところです。


 メンバーは、私ことウル、アリシア、サクラ、ソフィア、アリス、ハルネシア、エミリー

 の七人です。正直かなり目立ちますよね。


「いえ、やっぱりなんでも無いです。じゃ、じゃあ、行きますよ?」


 私はボケが不発に終わった照れを隠すように空間魔法を発動する。

 マスターよりも魔法に関しては、かなり上である自信があります。流石のマスターも人間です。計算を得意とする私の方が上手いのは必然です。


 そんなこんなで、あっという間に魔法を構築し終わります。

 ふっ。照れ隠しにしてはかなり高度なことをしてしまいましたね。




「よっと。うーん、座標も何もかもバッチリですね!」


 流石私! 良いところに転移出来たようです。

 遠目にフォーレンが見えます。

 王都よりも馴染みのあるフォーレンにする私のこの気遣い。

 

 皆も感動しているようです。

 ほら! サクラなんて感動しすぎて涙目……

 うん? 涙目?


「大丈夫ですか!? サクラ!?」


 アリシアがサクラの介抱をしています。


「だ、だいじょーぶでふ!」


…………サクラが転移酔いしやすい体質なのを忘れていました。

 可愛らしい狼耳をペタンとさせて、尻尾をダラーンとさせています。


…………それでも強がるサクラ、かわいい。

 もふりたいですね。マスターがサクラをもふもふしたがるのもわかります。


 っと、そんな場合じゃ無かったですね。

 サクラに回復魔法をかけましょう。



「ちょっと、アンタ! 大丈夫?


…………じゃ、なさそうね。いいわ、アタシが回復魔法をかけたげるわ」


 ハルネシアがサクラに回復魔法をかけています。


…………出遅れた! これじゃあ私が気の使えない人みたいです……


 まあ、次の機会は私が率先して動きましょう。



「あ、ありがとうございます。ハルネシアさん」


「いいわよ。気にしないで。

 それと、アタシのことはハルって呼んでもいいわよ」


「わかりました。ハル」


 おお。絆が育まれているようです。



…………ここにいる女の子は皆マスターの恋人、もしくは恋人候補ですからね。

 正妻としては皆さんに仲良くしてもらいたいわけですよ。

 

「それじゃあ町に行きましょー!」


 私が率いないと。なんたって正妻ですからね!




「次ー…………」


 フォーレンの門番さんが固まっていますね。

 無理もないことです。このメンバーですものね。


「お久し振りです! 門番さん! 私ですよ! エミリーです!」


 おや? エミリーはどうやらこの方に面識があるようですね。

 そういえばエミリーはフォーレン出身なのでした。


「あ、ああ、エミリーちゃんか……久し振りだね。

…………それにしても、こちらの方々は…?」


「私のお友達ですよ!」


「そ、そうなのか……」


 どうやらエミリーに、友達認定される程には仲良くなれているようです。

 

 それからはそれぞれの身分証明をして、町に入りました。





「んー、実際に見るとこんな感じになっていたのですね。フォーレンは」


 やっぱり自分の目で見るのとは全然違いますね。


「懐かしいです……、この町では主殿と二人で過ごしましたね」


 アリシアはマスターと二人で過ごした日々を思い出しているようです。

 確かにあの時はとても羨ましく思ったものです。

 私にも体があれば……と。


 でも今は私も体がありますからね! マスターとあんなことやそんなことも出来ます。

 この間はあんなこともして……

 

…………おっと、またトリップしていたようです。


 

「それじゃあまずは何処に行きましょうか?」


 私とアリシアとで話が進んでいきます。この中では割りとこの二人がリーダーになることが多いですね。

 初期メンバーだからかな?


「よし! なら、まずはギルドに行ってセレナを誘ってみましょう!」


 あの人はなんだかんだでマスターに気があると思うんですよね。

 あわよくば、マスターのハーレムに引き込んでやります!


 どうやらセレナは割りと有名人らしく、アリスとハル以外は知っていました。

 ギルドの受付嬢って時には有名になるみたいです。


 それから皆でぞろぞろとギルドに移動します。




「ちょっとお嬢さん達ィ?僕達と一緒に……」


 む? これはナンパと言うやつでは? 五、六人の男性が声をかけてきます。

 割りと見れる見た目をしているようですが、それでなびくような女性は残念ながらこの中にはいませんね。


「いえ、結構です」


 マスターが言っていました。セールスとナンパは断固として拒否しなさい、と。


「ちょ、まだ何も言って……」


「うるさい」


 サクラがイラッときたようで、絶対零度の眼差しを男達に向けます。


「お前らのせいでユーヤ様に私が浮気したと勘違いされたらどう責任をとってくれる?」


 やっぱりサクラはマスターが好きすぎますね~。

 マスターはそこまで気にしないと思いますけど。

 まあ、独占欲は強目だとは思いますが。


「ハア? 誰だよ、ユーヤって」


「死ぬか?」

 

 アリシアが殺気を叩きつけています。

 アリシアも静かにキレてますね。

 まあ、私もかなりイラッときましたが。マスターを呼び捨てにするとは……


「お兄ちゃんを、悪く、ゆーな!」


 アリスが精一杯胸を張って、背伸びして言います。


…………こ、これは! な、和む……


 アリスが可愛すぎます。

 男達もアリシアの殺気に汗をダラダラ流して固まっていましたが、今はふにゃふにゃです。


 アリスの癒し、恐るべし。


「お、覚えてろ~」


 男達はアリシアの殺気とアリスと癒しのダブルパンチでなすすべもなく逃げていきます。



 まあ、ほっといて行きましょうか。


女子の町編が一回で終わらなかったっす。

もちっと続きます

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