表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/95

会議しまーす

今日は20時にも投稿します!

 今は俺の町の館の会議室にいる。


 あの後は王都へと戻り、奴隷解放の手続きだけして直ぐに空間魔法で戻ってきた。

 記憶を軽く操作したとはいえ、あの場には冒険者が沢山居たしな。のんびりしてたら騒ぎになってたかもしれない。


 そうして町に帰った後は町の主要なメンバーと元奴隷四人を引き合わせた。中々好感触だったな。


 その後、会議室で話し合いをするために俺達と主要なメンバーが集まったわけだ。



「今日は集まってくれて有り難う。

 さっきも紹介したが、そこにいる三人と俺の足の間に座ってるのが新しい住人だ」


 俺は会議の初っぱなに挨拶をして、元奴隷四人の紹介をする。

 足の間に座ってるのは言わずもがなアリスだ。

 ちょこんと座って、俺に体をもたれかけさせている。

 上機嫌だ。


 本来ならここにいるメンバーの半分くらいは、誰かがそんなことしたら目くじらたてて起こりそうなものだが、アリスの可愛さに和んでしまったのか何も言わない。


 かくいう俺も、本当なら立って挨拶をしようかと思っていたが、即効やめにして座ったままの挨拶にした。


 勿論重要な話し合いだとか正式な場でもやりたがったらちゃんとアリスを叱る所存だがな。今はいい。



「今日の議題は大きく分けて二つ。

 部門の新設。

 そして今後の課題の確認だ」


 メンバーは黙って頷く。


「まず部門の新設、これは防衛部門、医療部門、そして政治部門の三つを作る」


「それはどういったことをする部門なのですか?」


 サクラが尋ねてくる。

 うむ、良い質問だよサクラくん。


「それはだな、まず防衛部門が町を守ることに特化した部門だ。今回俺たちはナナシに襲撃された。この町も何者かに襲撃される可能性が少なからずあるからな。神にも目を付けられてるし」


 ナナシについてはウルが廃刊全員に報道している。

 ウルは時々速報の役割も果たす。


「次に医療部門、これはこの町の衛生面から、住人の怪我、病気までを受け持つ機関だ」


 これが本来の目的だったんだよな。


「最後が政治部門、この町の頭脳となる。何かあったときの対応や統治が主な仕事だな」


 

 俺の説明で新設部門について皆納得したみたいだ。


「それでそれぞれの人員だが、防衛部門がライナーにラオウ、この二人をトップに。

 医療部門はハルネシアをトップに。

 政治部門はウル、グレイン、ソフィア、バルザックをトップに。


 そういう風にまわしてくれ。ただ、この町の住人で見込みのあるやつや、王都等で身請けした奴隷なんかを部門に加入させることを勧める」


 これが主な新設部門のメンバーだ。

 サクラ達は既に俺の直属の部下だから防衛部門とかに入れたりはしない。

 ただし、アリシアは情報部門の“陽炎”のトップも兼任している。



「皆納得してくれたかな?

 ではそういう風にしてくれ。何かあったときは俺に言いに来てくれ。


 次は今後の課題だな。

 課題というのは、戦力の増加のことだ。さっきも言ったが俺達は力を持たなければならない。そのためにどうするか、という話だ。


 これは一つ、やりたいことがあるんだ」


 皆頷きながら聞いてくれていたが、俺のやりたいことがなんなのか全く予想がつかないみたいだ。


「やりたいこと、それは…………

…………アリス、君に関することだよ」


 俺は自分に寄りかかっているアリスを見つめて言う。


 アリスはソフィアお手製のクッキーをもしゃもしゃ食べてたけど、俺の言葉にきょとん?としている。


 ソフィアはあのスカウトの後からお菓子作りの趣味に目覚めたんだ。今や俺よりも上手い。

 

 

「アリス、アリスは自分でも知らないかもしれないけど、

 ………………アリスは実は勇者なんだ」



 部屋がざわつく。これはまだ俺とウル以外知らなかったことだ。

 クールなアッシュでさえも目をまん丸にしている。


「ゆ、勇者ってあの、勇者なの?

 ………………ご、ご主人様?」


 ハルネシアがご主人様呼びに赤面しながら聞いてくる。

 ハルネシア的には、もはや呼び方を修正出来ないところまでいってしまったらしい。


「ああ、その勇者だな」


 この世界では勇者というのは正義の使者として知られている。

 強力な力を持ち、悪を滅ぼす存在。


 この対比が魔王だ。絶対悪。


「アリスは勇者の卵だったんだ。多分大怪我をしてたのもそれで目を付けられたんだと思う

 今は俺の名付けで勇者が孵化してる」


 アリスは俺の名付けと同時に称号が変化していた。

 勇者の卵から勇者へと。


「アリスは勇者であることで成長にかなりの補正がかかる。

 だから俺達の戦闘組で特訓するんだ。

 そうすることでアリスは俺達と肩を並べるか、それ以上に強くなるかもしれない。

 特訓をしてやることで俺達自身も成長できるかもしれないしな」


 アリスの称号、勇者は以下の通りだ。



【勇者】


 絶対正義の体現者。本能で悪を察する。

 勇者だからといって正義の執行をしなければならない義務はない。

 

 成長に莫大な補正がかかる。様々なスキルを獲得しやすくなる。

 相手の存在が善か悪かがなんとなくでわかる。

 その他、勇者特典がある。



 

 これを俺達で育てたらどうなるんだろう?今は一般人よりも幾分強い位だが。

 特典は専用スキルの入手が可能になる、光魔法に適正が上がる、等々だ。



「これからはアリスの修行を皆で担当する。

 日によって誰がするかを変えるか」


 それからはアリスの特訓の日程を決めた。

 最高の才能と最高の家庭教師達。

 ああ、楽しみで仕方がない。



「ん! がんばる!」


 勝手に決めて怒っているかもしれないと思ったら、アリスはノリノリだった。



 それからはそれぞれの修行についてだとか、新設部門を更に深める話し合いだとか、前からある部門の経過報告など、様々な話し合いをしてから解散になった。  


次回、ウルが…………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ