一方そのころ、配下の戦い
異世界転生/転移日間ランキング4位になりましたよ!
遂に、遂に5位以内になりました!これでランキングの最初のところに少しでかめに載ります……!
読者の皆様に感謝を!
本編どうぞ! 何回も視点が変わるので、場合によっては読みづらいかもです。
ーsideソフィアー
これはちょっと荷が重かったかしら?
私は目の前の手負いの魔物三体を前にしてそう思いました。
それぞれが怪我をしていますが、私が想定していたよりは傷が浅かったようで、私に向けて威嚇をしてきています。
ゴブリンキングと取り巻き二体。
ランクでいったらAランクとBランクですね。
今も私に牙を剥いて唸ってきています。
それにたいして私側は火の精霊と水の精霊、有象無象の属性を持たない精霊、これらが私に力を貸してくれます。
どの精霊も実体化を出来ないくらい力が弱いですけどね。
精霊にも力の強弱があります。
上位の精霊ですとそれこそ単体で神に匹敵しますわ。
単体でというのは、精霊は他の生物と契約をすることで力を増すという性質のある種族だからです。
しかし、私に力を貸してくれる精霊は今のところは下位の精霊のみ。単体ではほぼ影響力を持ちません。私に同調して魔法を使うくらいが関の山。そうすると私の使う魔法の威力が上がり、消費魔力が下がります。
それでもかなり助かるのですけどね。
先程私がユーヤ様達の戦闘に交ざれたのは他の方々が目立っていたので私はただ魔法を撃っていれば良かったから。
私一人では戦いには向きません。
魔法職の辛いところですわ。
正直なところ、この状況は割りとピンチですわね。
「どうしようかしらね」
私は分析を始めた。
ユーヤ様とウル様に教えていただいた将棋やチェス、そして戦略の数々を思い出す。
………………そうね。これは相手を詰めばいいのよ。
相手が何も打つ手が無くなれば私の勝ち。
私は相手の怪我の位置とそれが及ぼす戦闘への影響、私の打てる手、外部の影響、これら等から戦闘を組み立てる。
やってやるわよ。
今まではアリシアやサクラに修行を手伝ってもらったらから、一人で戦うことは初めてだけど、やることは変わらないわ。
相手の行動を全て予測、対策する。
知恵の化け物と言うらしい私の力を見なさい。
ーsideユーヤー
…………おお、凄いな……
なんだあれは? ソフィアの一方的な頭脳戦になっていたぞ?
精霊を活用して周囲の地形の確認をして、所々地面を水魔法でぬかるませたり、
相手の負傷していて弱い方向から攻撃をして追い込んだり、
逃げ場を無くしていったと思ったらいつの間にか魔法で罠が張ってあったり、
最終的にはゴブリンキング達が満身創痍の状態で周囲全てを罠に囲まれていた。
しっかりと火魔法で止めを刺されてたし。
詰め将棋を解くところを見ていたようだった。
ちなみに詰め将棋とは、相手の王様の逃げ場を無くすように攻めていくという将棋のミニゲームのようなもんだ。
もうちょっと細かいルールとかあるが、あくまでザックリと言うとそんなもん。
ゴブリンキングがぬかるみで滑ったところを、助けにいった取り巻きが罠にはまったらところには感心した。
そこまで読んでいたのかと。
というかウル曰く、俺のブレスの時の衝撃や音も戦略に組み込んでたらしい。
おっ、今度はあっちで進展があったようだ。
ウルが全ての戦況を見ていたから解説してもらいながら色々見てる。
すっかり観戦モードだ。
ああ、勿論危なそうだったら助けるが。
あくまで本人達に頑張ってもらいたい。
ーsideアリシアー
私は空を飛んでいる。翼を広げてワイバーンキングから逃げ回っているところだ。
私は主殿程は速くは飛べないので小回りやアクロバティックな動きで翻弄する。
それにしても、全くこのデカブツは。
意味もなく吠えながら大振りに腕を振り回したり、噛みつこうとしても当たるわけないでしょうに。
完全にステータスを活かせていませんね。
失望しましたよ。それでも王種ですか? 腹立たしい。
確かに威力には目を見張るものがありますが。
直撃したら私でも大怪我を負うかもしれません。
「あなた程度に主殿の台詞を使ってしまったかと思うと、主殿に申し訳無く思ってしまいますね」
私は飛びながら用意していた剣を握りしめる。
黒血で作ったナイフ。
私の血液操作と常闇の支配者と暗殺者の心得。これ等を全て活かした私に作れる最高の武器。
切れ味も扱いやすさも断トツ。
「もう死んでもらいますね
主殿の戦闘もとっくに終わっているようですし」
私は翼を大きく広げて軌道をほぼ直角に変える。
ワイバーンキングの真上をとった。
私は翼を閉じて垂直落下する。
ワイバーンキングは私を見失っている。
気配も消しましたからね。只でさえ私の動きを捉えきれていないのに。
「終わりです」
私はワイバーンキングの後頭部に黒血のナイフを突き刺した。
ーside忠犬兄ー
俺たちはジャイアントトロールと戦闘を繰り広げている。
にしてもこいつ無駄にデカイな。
足にしか攻撃が出来ていない。まあ、無理すれば俺たちの脚力ならこいつの身長よりも高く跳べるが、隙ができかねないのでしない。
「サクラ! 狼化するぞ」
今はユーヤ様のお蔭で(※バルザックのお陰です)狼化したところを見られて困る相手はいないからな。
「はい! 兄さん」
「灰狼化!」
「白狼化!」
俺たち兄妹のそれぞれの体から煙が湧き出てきて体を隠す。
煙が無くなると、そこには二頭の巨狼が。
灰色の毛で紫色の瞳、比べてでかい方なのが俺。
白色の毛で紫色の瞳、比べて小さい方なのがサクラ。
どちらとも凛々しい姿をしている。
俺はこの体を軽く試してみる。
…………ふむ、やっぱり人型のときよりも身体能力は断然上だな。
実際はそんなにこの姿にはなったことはない。
だが、違和感はない。
………………いける。負ける気がしないな。
「サクラ、先ずはこいつを…………」
俺がサクラに指示を出そうとすると、
「うん? なに? 兄さん」
既にサクラがジャイアントトロールの喉を爪で切り裂いたところだった。
「…………もう、終わったのか」
「ええ。こいつと長いこと戦うなんて嫌だもの。浮気になるわ!
本当は一瞬で終わらせてやりたかったけどね」
………………今回はサクラに手柄をとられてしまった。
ーsideユーヤー
アリシアは流石の強さだな。
それにしてもあのナイフ…………俺でも脅威を感じたぞ。相当やばいな。
それに、飛行では俺は敵わないだろう。直線を進むだけなら俺のが速いかもしれないが、それ以外は勝てない。
音も出ないし。本当に恐ろしいな。
俺の部下で本当に良かった。
サクラ…………俺はそんなことで浮気だなんて思わないっての。気にしすぎだよ。
それより、あの速さは半端じゃないな。
ジャイアントトロールは気付いたら喉から血が噴き出ていた、なんてことになっていたのだろうな。殺されたことにすら気付けなかっただろう。
アッシュは少し不憫に思ったぞ。
俺に良いところを見せようとしていたからな……。
後でフォローしとこう。
よし、これで敵は全滅し…………………………
……………………は、い?
なんだこれは? 何故俺の目の前で俺の腕が舞っている?
何故俺の左側から赤いものが噴き出している?
「アハハハハハハハハハ! ねえねえ?
君の腕………………切っちゃった♪」
俺の背後から声が。
振り返ると、
全身を黒い装備に覆われた男が、手に持つ黒い剣に血を滴らせながら顔を歪めて笑っていた。
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