スキルを創ろうか
ウルが落ちつくまで少し待った後、
『申し訳ありません……。迷惑をかけました』
「そんなことない。全然迷惑じゃねーよ。
いいか? 人に自分の弱味を見せるってことはな、その人に自分の弱点を見せてもいいってことなんだ。
だから俺は度をこえたり、調子にのらなければ、むしろ迷惑をかけて欲しいと思ってる。それはきっと信頼の裏返しだから」
『…………ま、ますたぁ』
また、ウルがうるうるしてしまったのでちょっと待った後、
……………………あれ? これって、オヤジギャグじゃね?
まあ、いい。
……いっとくが、俺はオヤジじゃないぞ? 断じて違う。まだまだ若い。
……ハッ!? 俺ってこの世界だと生まれたてだから若いと言っていいのでは!!
0歳だからな! ありだろう!?
………………んんっ! いいか? 俺は今何も言ってないし、お前は何も聞いていない。そうだろう?
俺がまた、誰に対してか分からない言い訳をしていると、ウルが話しかけてきた。
『マスター、失礼しました。
では、これからはなにかあったらマスターに頼らせてもらいますね!』
うん、スキル説明の途中でスキルのお悩み解決をするとは、これいかに。
まあ、ウルが成長したようで良かったが。
「ああ、そうしたらいいさ。
よし、それじゃ続きだ。
可能性の種2つでなんのスキルを獲得しようか……。
この選択が俺の人せ……竜生を左右するな。…………うん、人生でいいや」
それから、ウルと話し合いを続けた。
先ずはテンプレのスキル強奪だが、これは不可能なのだと。
なんでも、スキルは魂にくっついてるからスキルだけをとるのはその相手の存在そのものにも干渉することに~~。とのこと。
次に全ステータス一億倍とかも無理っぽい。
当たり前だが可能性の種を増やすとかもダメだった。
という風にあれは無理。これは可能。あれが欲しい。と話し合った後に、獲得するスキルを決めて、欲しいスキルを願ってみた。
【「可能性の種(2)」が芽生えました。
スキル「人化」を獲得しました。
「可能性の種(2)」が一つ減り「可能性の種(1)」になりました。
「可能性の種(1)」が芽生えました。
ユニークスキル「喰らう者」を獲得しました。「可能性の種」が消失しました】
フハハハハハ、スキル強奪は出来ないが、魂ごと吸収するのは可能なのだよ! 「可能性の種」の制限の隙間をつくように話し合いを重ねてスキルを創り出して良かった!
喰った相手(口で食べるだけでなく、手を翳しても吸収される)の一部スキルを自分のモノに出来ることがあるという、スキルだ。
確率なんかは状況で変わるらしい。その確率の要素は分からん。まあ、これはチートと言ってもいいのではないか?
「人化」はそのままだな。人になれる。
俺の人格はほぼ人のそれだ。前世をベースにドラゴンの価値観が少し混ざった感じだ。
人肉は出来れば食べたくない。出来ればをつける時点でもうアウトかな?
恋愛や性欲の対象だって人だ。そもそも、ドラゴンでどうやって恋愛を? 夜の営みを? って感じだ。
俺は人と交流を持ちたい。だから、貴重な種を使った。後悔はない。一度落ち着いて安全を確認してから人化してみようと思う。
ステータスの確認をしたら探検を始めようか。
といってもスキルが増えただけだけどな。
ユーヤ ヤクモ ・種族 ベビードラゴン
性別 男
・レベル 1
・HP 100/100
・MP 100/100
・パワー 10
・スピード 10
・ディフェンス 10
・マジック 10
・マインド ???
・ラック 10
レジェンドスキル
・知恵の天使
ユニークスキル
・喰らう者
スキル
・人化
主人公ことユーヤは本当にオッサンじゃないですよ?
高校時代、日頃から大人びてると言われてたが、ある日クラスメートが弄ってオッサンと呼んできて、それが予想以上に堪えたので少しトラウマになってるだけです(笑)