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奴隷と仲良くなりたい

見てみたら読了時間が200分を越えてる・・・・

アクセス数も一日で46500とは・・・・

趣味で始めたのに、思えば遠くまで来たもんだ・・・・・・


本編どうぞ! 新キャラと絡みますよ!

 俺の前には四人の奴隷が。

 ここは奴隷商館の一室。話をするために貸してもらった。

 俺が探ってみても誰かが部屋の外で盗み聞きしているということも無さそうだ。


 ふむ。この四人は中々個性的だな。



 全体的にワイルドで、鬣かというぐらいに髪形がワシャワシャしてる大男がラオウ。

 興味深げにこっちを見てくる。


 細身でインテリっぽい見た目のこいつがバルザック。心なしか青白い。半悪魔ハーフデーモンだからかな?違うか。今は人に化けてるみたいだし。

 俺たちを値踏みしてるようだ。


 アリシア以上の胸を持ち、黄色のセミロングの髪に青い眼、勝ち気な顔をしていて天使っぽい羽を持つ美女がハルネシア。

 こっちを睨んでる。


 金髪ショートカットで鮮やかな赤眼を持つ、小柄で小動物っぽい可愛らしい美少女がアリス。ただ、今は怪我でボロボロだ。正直見ていられない。一応の応急処置位はされているが。

 じーっと俺を見ている。



「先ずは、っと」


 俺はアリスの元にゆっくり歩み寄る。


「ちょっとアンタ! 近づくな!」


 ハルネシアがアリスの前に立ち、俺を威嚇する。


「…………頼む。退いてくれ」


 俺は出来るだけ真剣な声で頼み、頭を下げる。


「!? ちょっとなんで、頭を下げんのさ!?」


「頼む。悪いようにはしない。アリスの治療をしたいだけなんだ」


「そんなこと言って、信じられるか!

 それに、アリスは私が治そうとしても無理だったんだ」


 ハルネシアは回復魔法の使い手だ。既に試みたのだろう。

 アリスとの距離感から、仲が良いのだと察せられた。


「…………」


 俺はアリスに目を向ける。

 アリスはじっとこっちを見てくる。その目を見るに、俺の容姿なんかに見とれているわけでは無いだろう。

 もっと真剣で、何かが込められた目だ。


「アリスには呪いがかかっている。

 だから回復魔法を受け付けなかったんだろう」


 そう、何故かアリスには呪いがかかっている。知恵を司る者でようやく知れたことだ。

 だがハルネシアは俺の言うことを疑っているようだ。



「その方の言っていることは本当ですよ」


 様子を見ていたバルザックが言ってくる。


「知ってたのか?」


「ええ。ですが私ではどうしようもありませんね」


「半悪魔でもか?」


「………………知っていたのですか」


「まあな」


 俺とバルザックは互いに互いの心のうちを探る。


 どうやらバルザックには信用されたらしい。フッと顔を緩めてくれる。

 そして、この部屋のなかを覗いたり盗み聞きしている者がいないことを確認すると、人に化けていのる解いた。


「ほー、そんな感じになるのか」


 頭には羊っぽい角が。青白いのが、もちっと青くなった。

 目は白目の部分が黒く、黒目のところが紅い。



「………………そんな反応なんですね」


 もうちょっと驚いたり怖がったりしてくれると?


「俺にそんな反応を望まんでくれ」


 そもそも俺は神竜だし。それはまだ言わない。



「………………!!」


 ハルネシアはかなり驚いている。

 アリスは軽く驚いたようだが、すぐに俺の方に目を向け直した。

 ラオウは凄く興味深そうにバルザックを見ている。


 俺の部下達は何も反応しない。ただ、俺の安全に気をつかっている。


「そういうわけで呪いを解く。だから、アリスに近づいても良いだろう?」


 俺はハルネシアに向き直って言う。


「………………怪しいことしたら、殺す。

 奴隷契約とか関係ない。私は死んででもアンタを殺す」


 おー、怖い怖い。

 だけど、それだけアリスを大事にしてるのかね。


「お姉ちゃん、この人は大丈夫だよ」

 

 ! 初めてアリスが口を開いた。とても可愛い声だ。


 

「そんなこと言っても……」


「私はこの人から何も嫌なものを感じないよ」


「!! アリスが、全く嫌なものを感じないのかい!?」


 どういうことだ?


『アリスは勇者の卵ですから人の善悪が直感的にわかるのでしょう』

 


 そうなのか。

 だから俺は信用された?

 俺って善なの?


「…………アンタ、いいよ。アリスを見てやって……」


 ん、ハルネシアの信用も一応は得られたみたいだ。


 

 俺はアリスの傍に行く。


「アリス、今から呪いを解く。

 いや、呪いを“喰う”ってのが正しいな」


「?」


「わからなくてもいいさ。

 ただ、少し体に触れるぞ?」


 こくんっと頷かれたので、頭に手を置く。


「喰らいつくせ、暴食を司る者」


 俺は暴食の王を発動させる。

 体の中に呪いが入ってくる。少しキツいが神的な、竜的な、マインド的なあれで耐えきる。


 アリスは気持ちがいいのか目を細めている。


 アリスの体から金色こんじきの光が現れて俺に吸い込まれていく。


「綺麗だ…………」


 ハルネシアが呟く。確かに。





「よし、これで呪いは消えた。ハルネシア、後は頼む」


「あ、ああ。任せて!」


 呆気にとられていたハルネシアにそう声をかける。


 ハルネシアがアリスに回復魔法をかけ始めた。

 

 ほー、あんな感じなのか。黄緑っぽい光が翳した手から溢れ出ている。

 怪我にも効くのか。


「お前のも綺麗だけどな」


 いや、本当に。神秘的だ。


「えっ?……ば、馬鹿なこと言わないで…………」


 照れていらっしゃる? ハルネシアが顔をほんのり朱色に染めてそっぽをむく。




 アリスが全快になる。

 ピョンピョン跳ねてみたり、腕をぐるぐる回したりと体調を確認している。

 とても愛らしい。


「ん! 治ったー!」


 そうかそうか。お兄さんは嬉しいよ。


「お兄ちゃん! 治ったよー!」


 そっかそっか。それは良かった。



 ………………お兄ちゃん? なんだその心引かれるワードは?


「お兄ちゃん?」


「ん! お兄ちゃんなの!」


「ちょ、ちょっとアリス、なんでそいつがお兄ちゃんなのさ?」


 ハルネシアも言う。

 そういえばさっきハルネシアはお姉ちゃんって呼ばれてたな。

 

「? お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ?」



 それからハルネシアはどうにかお兄ちゃん呼びを止めさせようとしていた。

 俺はお兄ちゃんと呼ばれることにグッとくると共に、呼ばせてもいいんだろうか?と揺れていた。


 そうするとアリスは、


「お兄ちゃん、お兄ちゃんじゃないの……?」


 上目遣いに落ちた。

 

 くそっ、可愛いすぐる。

 金髪赤眼で、年齢的には多分高校生位だが、小柄で仕草は子供っぽい。

 愛でてぇ……!


「いいぞ! 今日からはお兄ちゃんと呼ぶといい!」


「ん! お兄ちゃん!」


 ひしっ、と抱きついてくる。


 いやー、ダメだわ~、これはダメだわ~。


「アリスがこんなになつくなんて……」


 ハルネシアが少し落ち込んでいる。


「まあまあ、いいじゃないか、お姉ちゃん?」


「! お姉ちゃん言うな!」


 可愛らしいな。


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