そして王都へ
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「ここから王都まではどのくらいかかる?」
俺はソフィアに尋ねる。
「そうですね………………フォーレンから王都までが歩いて五日でしょうか?」
ソフィアは顎に手を当てて少し考えた後に答えた。
ふむ。中々遠い。俺の町とフォーレンはそこまで離れているわけでは無いからフォーレン・王都間の距離と俺の町・王都間の距離とはそんなに違わないだろう。
「少し遠いな。五日か」
「ええ。ですがそれは一般人の場合ですわ。
ユーヤ様方なら走って一日かからないでしょう」
…………ソフィアは走れないだろ。背負っていくか?
…………いや。そうだなー。もしかしたらあれが出来るのでは?
「ウル。ソフィアの記憶から地図を造れるか?」
『出来ますよ?というか配下になった人達の記憶から地図を随時更新してます』
それは凄い。ならば。
「俺の空間魔法で一気に行こう」
俺はそう部下達に告げた。
「そんなことが……?」
部下達はかなり驚いている。
「可能だな。俺の視界内か、ウルの造る地図のなかなら。
消費魔力が馬鹿高いし、かなり集中しないと俺でも使えないが」
今のところな。
「それじゃあ、跳ぶぞ?」
俺は座標を確認する。
ウルの計算なしならまともに跳べない使い勝手の悪い魔法だが、それでもかなり便利だ。魔法って凄い。
「さあ、点と点を繋げる。
………………………………事故らないといいな。
集団転移」
俺が小声で呟くと皆ギョッとしてた。
しょうがないじゃん。使ったことないんだもん。
「……………………っと」
どうやら成功らしい。王都が遠くに見える。近くに出たら通る人を驚かせてしまうからな。少し離れた所を指定した。
「お前ら全員無事にちゃんといるか?
………………若干一名無事じゃ無さそうだな」
サクラがメチャクチャ顔を青くしてる。転移酔いか?
「だ、だいじょーぶ、でふ?」
なぜ疑問系?しかも呂律が回ってないし。
アリシアが介抱してる。
「さ、さあ張り切っていきましょう!」
サクラよ、やっぱり少し残念な子?
「おお~~~! 凄い賑わいだな!」
王都の中に入った。ソフィア以外はギルドカードで、ソフィアは書類を書いて。
また、並んでるときとか少し騒ぎになったけどな。揃いも揃って美形だし。
「ええ。中々栄えているようです」
「いいところでふね」
「…………騒がしい」
「前来たときと変わってないですわ」
皆好印象のようだ。アッシュを除いて。
ところで
…………サクラよ、やっぱり少し休むか? なあ? そうしよう?
「たいじょぶでふ」
…………………………はあ。
「それじゃあ、さっそく奴隷商館に行くか」
俺は通りすがりの人に道を尋ねながら商館に向かった。
百発百中で皆答えてくれた。こういうときは得だな。この顔も。
「ここか。思ってたよりも綺麗なところだ」
奴隷商館は清潔感のある三階建ての建物だった。
俺のイメージはもっと汚くて薄暗いところだった。
「おや? あなた方は…………」
店の中から礼服を着たオッサンが俺達を見つけてやって来た。
中々ちゃんとしたオッサンみたいだ。
「? 俺たちのことを知ってるのか?」
王都に来たのは初めてなのだが。
「ええ。商人たるもの情報は特別な力を持つことを知っておりますのでな。白銀の全能殿」
ふーん。そんなもんか?
「そうか。なら話は早いな。俺達は今日は奴隷を見に来た」
「ええ、ええ。承知しました。先ずは店の中へ案内させて頂きます」
俺達は案内されて店に入る。
一室に通されて椅子を勧められる。
「お連れの方々はお座りには?」
「「「「お気になさらず」」」」
俺以外は立っている。
………………そりゃあこういう場で主を前に席に座るのは遠慮するかもしれないけどさ……
ちょっと寂しいぞ。それに一人だけ座っているのも居心地が悪い。
「あー、気にしないでくれ」
「? そうですか。
では今回はどのような奴隷をお望みで?」
「回復魔法を使える人材を求めている。ただ、他にも面白そうなのがいたら是非とも引き取りたい」
もしかしたら凄い才能に会えるかもしれんし。ソフィアみたく。
『………………ま、ますたー。この建物内に……』
………………まじか。また何かしら特別なやつがいるのか?
「かしこまりました。では魔法の使える奴隷の居る部屋にご案内します」
俺達は部屋を移動する。
「こちらに居る奴隷は皆何かしら魔法が使えます」
鉄格子で部屋が区切られているが、ちゃんとした部屋だ。少なくとも不潔ではないな。
俺はざっと部屋を見渡す。殆どは人族だ。
………………ふむ。皆魔法スキル持ちだが、火魔法2とか風魔法3とかだな。軽く見たところ。
回復魔法持ちは一人いたが、レベルが2と低かった。心もとない。
「ふむ。店主よ、ここには俺の希望にそう人材はいなさそうだ」
「そうですか。当店にいる魔法スキル持ちはここにいるだけになってしまいますが…………」
うん? 違うだろう? いるだろ? 他にも。
「店主、本当にそうか? 一人もか? 一人もいないのか?」
「…………………………売れる状態なのは、ここにいるだけになりますな」
商人は言って良いものかと少し悩んだ後に言った。
「売れる状態なのは?売れない状態なのはいるのか?」
「ええ、まあ」
「それはどういう……?」
「うちでは治せない大怪我を負っている、奴隷契約の魔法でも従えない、呪いにかかっている、等の曰く付きですな」
「それでもいい、見せてくれ」
そういった奴隷を纏めた部屋に移動する。
………………なんだここは。
……………………宝の山かよ!!
とんでもない才能だぞ!?
店主は知らないのか?
…………まあ、知恵を司る者じゃないと知れないような情報か。
「店主、ここにいる人達、全員ほしい。」
「はい? 今なんと……?」
「この部屋にいる者たち、全員買う」
「…………あ、ありがとうございます……?」
かなり呆然としてる。
まあ、ここにいる四人を全員を買うといっているんだ、当然か。
わけありで売れない奴隷が全員売れたんだからな。
「ーーーーということになっております」
今俺は元の部屋に戻り、奴隷に関する説明と買った奴隷の説明を聞く。簡単な奴隷になった経緯などだな。
奴隷は基本的に主に絶対服従だが、死ねなどの命令はNG。
衣食住には責任をもて、等々の説明を受けた。
お金も払ったが、普通はこんなもんなのだろうか?奴隷の値段とはよく分からない。
でも、あの部屋にいたのは売れない奴隷だからかなり安いのだろう。
「よし、わかった」
「ええ。それではこの契約書をナイフで刺してください」
? 契約書を四枚差し出される。
取り合えず言われたようにやってみる。
!! 刺したら青く燃え出した。
灰も残らず燃え尽きる。
他の三枚も同様に行う。
「それで奴隷契約は完了です、ただ、従えきれるかはわかりませんがね」
奴隷契約は抵抗も可能だそうだ。激痛を伴うらしいが。
それにしてもいい出会いがあった。
買った四人は以下の通りだ。知恵を司る者で見た情報もつける。
ラオウ 獅子の獣人の男 弱いものには絶対に従わない
バルザック 悪魔族と人族のハーフの男 魔法で店主を騙して売られないようにしていた。他の三人をそれとなく助けて売られないようにしていた
ハルネシア 天族の女 回復魔法の使い手 男には絶対に従わない
アリス 人族の女の子 大怪我を負っている 勇者の卵
…………………………本当に俺のもとには凄いのが集まるな。




