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普通で異常な社畜のドラゴン転生記  作者: 狼猫 ゆ狐
四章・村をつくる
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テンプレ2。お前そんなんだっけ?

 場所は変わって都市フォーレンの中、入ったばかりのところ。


 あれからは何事もなく町までたどり着けた。まあ、魔物が出てくるときもあったが、部下達が瞬殺してた。

 張り切りすぎだと思った。そんなに俺に良いところを見せたかったのかな?


 いや、俺がガラームと戦ったから気を使っているのか?

 なんにせよ、頼りになることだ。


 町に入るときは俺とアリシアが冒険者カードを見せて確認してもらって、サクラとアッシュは犯罪歴の確認とか書類を書いたりしてから町に入った。

 サクラとアッシュの許可証のための銀貨は俺が出しといた。まあ、当然だろ。

 二人は申し訳なさそうにしていたが。



 サクラもアッシュも文字の読み書きは出来る。


 もとの姿が人型だからか、アリシアと違い、進化しても自然と出来るようになったりはしなかったが、ウルに習っていた。

 二人とも物凄い頭が良かったらしい。直ぐに覚えていた。

 


「やっぱ目立つなー。

 今回は前と違って俺とアリシアが有名になってるし、サクラとアッシュも居るしな」


 しょうがないっちゃ、しょうがないか。

 そんななかでも部下たちは全く我関せずだ。自分の評価など知らんって感じ。

 凄いね。スルースキルのレベルが高くないか?



「先ずはギルドに行ってみるかね」


 四人でギルドへと移動する。




 …………やっぱり俺たちに見とれて事故る人がたくさんいたが。


 知らんし。俺はそんなこと知らんし。かんけーないね。








 俺たちはギルドへと入る。


 ギルドにいた連中は俺たちをチラッと見たあと、それぞれの仕事等に戻り、三秒くらいすると、今度は勢いよく振り返って凝視してきた。



 なんだ? その綺麗な二度見は? アメリカ人でもそんなに見事にシンクロしないって。



「面白い連中ですね」


 サクラが楽しそうに笑う。


 アリシアはあんまり他人に興味を示さない俺至上主義者だし、アッシュも同じくだ。あんまり他人を気にしていない。


 かっこいい系美人のサクラだけが楽しそうにするというこの違和感。


「ふむ」


 俺は耳を済ませてみる。ざわつきから音を拾う。



「お、おい、あの方は……」

「ああ、白銀の全能(シルバーオールマイト)だ……」

「はあ? 誰だそいつは?」

「お、お前! 知らないのか!? あの白銀の髪に、男でも見惚れる顔、白銀の全能(シルバーオールマイト) 様だぞ!?」

「俺は最近来たばっかだから……」

「いいか? あの方はたった一日で最低ランクからAランクになるという偉業を成し遂げ、素行の悪い冒険者に絡まれたときにはその威圧感だけで撃退したとか、様々な伝説をお持ちの方だよ!」

「はあ!?そんなん作り話だと……」

「本当だよ!

 しかも今回はアリシア様だけでなく、他にも二人連れてるぞ?」

「ここ1ヶ月程見なかったから他の町に行ったんだと思ってたんだが……」



 なんか色々言ってる。

 アリシアたちも聞こえたらしく、少し誇らしげにしている。

 シルバーオールマイトを知られたな……少し照れる。



 んー………………いた。確か、セレナだったか。エルフ受付嬢の。


 俺は受け付けにいるセレナに向かって歩いていく。

 アリシアたちも追従する。



「お久しぶり…………というほどでもないのかな?

 セレナさん」


「お久しぶりです。でいいと思いますよ、ユーヤ様。今度は人が増えましたか?」


「ええ。俺の部下ですね。また登録を…………」





「おおーい、おおーい! こんなとこに優男君が居るよぉ? どうなってんのぉー?」



 背後から、なんかチャラい感じのチンピラが絡んできた。おい、前にも似たようなのあったぞ?二度目か?二度目なのか?



「なーんで、こんなとこにいるんですかー? お坊ちゃん?いい女連れてよお?…………

 ………………おい! こっち向けよ!! 死にてえのか!」


 おいチャラ男、今武器を抜こうとしたな? 気配で分かるぞ。


 俺が振り替えると、




 血で出来たナイフ、ハイコボルト製のナイフ、ハイコボルト製の剣が喉元に突き付けられたチャラ男が。



「「「口を開くな…………!」」」


 おおう、俺の部下ですね。

 アリシア、アッシュ、サクラの順だ。

 忠誠心高過ぎる。


 

 チャラ男君は気が付いたら自分が危機的状況で、しかも絡んだ相手が振り返ったら信じられないくらいのイケメンでと、混乱しているようだ。


「お、おい! なにしてやがる! ギルドでこんなことして、許されると……」


 いやいや、お前からだろ? なに言おうとしてんの?

 とか思っていると、後ろから誰かが物凄い勢いで走ってくる。




「すっみませんでしたアアアーーー!!!」

 

 その男はチャラ男の後頭部を掴み、地面に叩きつけると、自分も土下座した。




 …………誰? こいつ?

 軽く俺はパニックに陥っている。


 部下たちは静かに武器を引っ込めてる。まだチャラ男を睨んでるが。


「旦那あ! 本当に申し訳ねえ! こいつは旦那のことを知らなかったんだ! 責任は俺がとる!」


 いやいや、だからお前誰よ?


「誰だお前は?」


 そう言うと、ガバッと頭を上げて言う。


「俺は大体二ヶ月前に旦那達に絡んだ大男でさあ!

 そちらのアリシア嬢に失礼なことを言って、旦那に威圧で追い返された男でさあ!」


 …………思い出した! 居たわ。絡んできた奴、さっき二度目って思ったときの一度目がこいつか!



 …………えっ? こいつこんなんだっけ?


 俺の記憶だと、汚くて臭い大男だったハズなんだが?


 こいつは汚さなんて微塵もなく、嫌な臭いもしない。

 顔も心なしか男らしくなってる気が……

 普通に男前じゃん?


 さっき話に出てきたアリシアは「…………私?」とか言ってる。


 おい、アリシア? 結構大事なことだけど完全に忘却の彼方なのかい?


「主殿が格好よかったことは覚えてます」


 …………それはそれでどうかと思う。


 まあ、そんなこと言いつつ、有能なアリシアさんのことだ、ちゃっかり全部記憶してるのだろうな。


 まあ、それは置いといて、俺は未だ土下座中の大男に向き直り言う。



「お前…………そんなんだったけ?」


「俺は旦那の威圧にやられたあと、自分が増長しすぎで威張りすぎのアホウだって気づいたんだ!

 それからは自分を見つめ直し、鍛え直す日々でさ!」


「更正したと?」


「そんな偉そうなことは言えた身じゃないでさぁ。俺はまだまだでさあ。」 


 

 …………思ったことが一つ。こいつ今まで敬語使ったことないな?

 まあ、面白いからいいわ。


 それに大分真面目になったっぽいし。



「それで?」


「是非とも旦那の舎弟に!」


「配下になら」


「構わないでさあ!!」




『マスター…………この人、盾役としての凄い才能がありますよ? ちょっと見たことないくらい』


 

 マジで? 凄い拾いもんしたわ。



「それじゃあ、詳しい話はまた後で。取り合えず荷物まとめてこい。俺たちに付いてくるだろ?」


「了解しやした!」


 大男がギルドから駆け足で出ていく。



…………おい、地面にめり込んでるこの男は?

 あっ、名前も聞き忘れた。それは後でいいか。



 俺はなるべく爽やかに振り返る。


「このサクラとアッシュの冒険者登録を」



 ヤバイ。ジト目だ。凄いジト目だ。


 俺はごり押しを発動する!


「この二人の登録を!」


「…………………………………………はあ。

 登録ですね。はい、こちらに必要事項を……」





 登録はつつがなく終わった。

 また、戦闘方とかでひと悶着あったが。


 アッシュは書きたくないと。俺が宥めて、無難な近接格闘に。


 サクラは狼になる、とか書こうとしてた。なんとか近接格闘にさせたが。


 サクラ、ポンコツ疑惑発生か? いや、そんな筈はない。



「これで登録は終わりです。こちらがカードになります」


 サクラは興味深げに。アッシュはチラッと必要なことを確認すると直ぐにしまった。



 俺の神竜の耳には「これで、情報収集がしやすく…………ユーヤ様にお褒めいただける。」とか呟いたのが聞こえた。

 アッシュよ、お前は忍者かスパイかなんかになりたいのか?


 意外と褒められたい子だったのかね。今度撫で繰りまわしてみよう。面白そう。




「そうだ、セレナ。領主に会いたいからギルマスに面会を」

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