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普通で異常な社畜のドラゴン転生記  作者: 狼猫 ゆ狐
四章・村をつくる
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絶対神様、それマジ?

「君は神になるよ」


…………………………………………はい?


 俺は流石に開いた口がふさがらなかった。


 そりゃそうだろう。

 いきなりあなたは神になると言われて、はいそーですか。と言えるようなやつはちょっとどうかと思う。


「俺が………………神に?」


「うん。神に」


「オーケー、ちょっと待ってくれ…………

 ……………………よし。落ち着いた。幾つか質問をさせてくれ」


 ふう。流石に取り乱しかけたぜ。


「取り乱さないのもどうかも思うけど…………

 …………君はそういう人だったね」



 ちょいちょいティアは俺の考えを読んでるのでは?と思う。



「そんなことしないよ。ボクもようやく出来たトモダチの心を読むような無粋な真似はしないさ」


 そうか。それは良かった。


「うん。そうそう」


 

 …………やっぱ心を読んでね?


「読んでないってば。何となく予想してるだけだよ」



 それでそこまで具体的にわかるとは……流石の絶対神スペックだな、と感心すべきか?



「そんなことで感心しないでおくれよ」


「そうか? まあ、話を戻そう。

 質問だが、神になるってどういうことだ?」


 我ながらずいぶんアバウトな質問だと思う。



「そうだねー。神になるということは魂がかなり大きくなるってことだね。それにともない寿命がなくなる。


 それと、神は大まかに四種類有るんだけど、

 人々の信仰、もしくは自然の求めによって生まれる神、

 普通の生物からの成り上がりの神。

 神の子供が神な場合。

 そして、世界の管理等をする、システム的な役割で生まれる神、だね。


 君は神殺しをなしえたことでのレベル上昇、そして元から神になるのに十分な素質があったことが要因だね。つまり、二番目に言った成り上がりさん」



「………………なるほどな。俺は元から神になる才能があったことと、ガラームを倒したことで神になるのか。

 それで、神になることで変わることは?」



「うーん、神になると、ね………………

 さっきも言ったように寿命がなくなるってことと、他の神に関わりやすくなるぐらいかな。

 世界の管理とかは他の神の管轄だしね。君が何かをしなければならなくなるということはないよ。何かを司るということも無いかな?

 …………そうだ! 神になると、属神とか派閥とかが出来ることがあるね。

 神様同士でも争いはあるから。その時に派閥に入っていると何かと便利かな?」


「派閥……」


 俺が派閥に対して考え込むと、ティアも同様に何かを考えている。


「…………君はどの派閥にも入らない方が良いかもね。

 ボクの称号のせいで良くも悪くも注目されてる訳だし。

 誰かの下につくとそれはそれで厄介ごとを生むかもね」


 ちなみに、称号は神でも弄ったりは出来ないそうだ。ティアも絶対神の興味のことで迷惑をかけてすまないと申し訳無さそうにしていた。

 世界に組み込まれたシステムだそうだからどうしようもない、と。


 名付けは前世と今世の結び付きを作って俺の記憶とかを意図的に受け継がせるためだったそうだ。


 確かに、ステータス百分の一で、前世の記憶がなかったらもっと早くに死んでいたかもしれない。

 俺はその話を聞いたときティアに感謝した。



「派閥に入らない、か」


「勿論、ボクと君は友達だし、そうなったことにも少なからず責任はあるからね。出来るだけ手伝ってあげたい。

 ただ、ボクは色々と制限があるからあんまり助けてはあげられないんだ。

 だから、ボクの加護をあげる。君だけだよ? ボクの加護を持つのは」


「加護?」


「そう、その神様と親しいということさ。そして、特典もつく。

 魂の繋がりも少なからず出来るから名付けに似たものだと思ってくれればいいよ」


 俺は熟考する。

 うん、よし。


「ありがとう。その申し出を受けさせてほしい」


「良かった。断られたらどうしようかと思ったよ」


 ティアは、安心したように息をはいたあと、席を立ち、此方に近づいてくる。


「うん? どうした?……………………っ!!??」


 ティアが椅子に座ったままの俺に合わせ、体を倒して







 俺にキスをした。



「ぷはっ。

 ………………ふふふ。本当は加護をあげるのにキスする必要は無いんだけどね。なんかした方がいい気がした。


 絶対神様のふぁーすときす、とても貴重だよ?」


 ティアがぺろっ、と舌を出して言った。


 小悪魔か!! 神様なのに!!



「君のことはずっと見ていたからね。

 ああ、ストーカーとかいうのとは違うよ? ちゃんと、常識と節度を持って見てたさ。

 それで会う前から割りと好感度は高かったのさ。

 会ってからは、うん………………

 …………君が人たらしだと言うウル君のことがよくわかるね」


 俺は未だに驚きから立ち直れないでいる。


「そろそろ、目覚めなきゃいけない時間だね。

 起きたあとに色々と確認してみるといいよ。進化とか、色々」


 ティアが指を鳴らすと俺の意識が体から離れていく感覚が。


「それじゃあ、またね?」


 そして、俺は現実世界へと戻された。















 



「もう、時間だから、か。

 ………………この世界は勇哉君のいた世界と時間の進み方が違うからそんな制限、無いのにね」



 絶対神アソーティアは自分が思っていたよりも照れていたことに驚き、同時に心地よく感じていた。



「こんな感情は知らないね。

 …………………………………………だけど、悪くないな♪」


 アソーティアのその端正な顔の頬はうっすらと朱く染まっていた。

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