なんだここ?
「……………………………………ん? ここは?」
ガラームを倒したあと、直ぐに俺は気を失い、気がついたら見知らぬところに一人で立っていた。
周りを見渡してみる。
前世のアルプス的な感じのとても景色の良いところだ。山がたくさん。
あっ、あっちにフィヨルドが、
…………えっ!? フィヨルド?
すげー、なんか、地球の美しい所の寄せ集めみたいだ。しかも不自然じゃない。
「ここは、どこなんだ?
ウル?おーい、ウル? 聞こえないのか?」
「ウル君は此処では干渉出来ないよ。ボクの世界だからね」
後ろから声が。
本当なら驚いて警戒する所だが、何故かそんな気は起きなかった。
俺はゆっくりと振り返る。
そこには、美を体現したような女性が。
世界中の財宝をかき集めて作り上げたような煌めく金髪が腰まで伸びている。
前髪は片方は耳にかけて、片方は少し長めで目が隠れている。
そして神秘的で、宝石みたいな金色の瞳。
顔の造形は有り得ないほどに整っていて完璧だが、人間味がないということはない。
…………これって、俺が覇気を全開にしたときと同レベルかそれ以上の美しさじゃないか?なんだこの絶世という言葉でも全然足りないような美女は?
落ち着け。はっきりいって異常な状況だが、まずは落ち着け。深呼吸。
……………………よし、落ち着いた。
「おお~! 直ぐに冷静になったね。凄い」
金髪金瞳の美女はニコニコ笑いながら言う。
「それで? お前は誰なのかな?
まあ、予想はついているが」
「うん? それは是非とも教えてほしいな」
「ああ。初めまして………………で、良いのかな?
……………………………………絶対神様?」
「…………………………うん。正解だよ。勇哉君」
金髪金瞳の美女、改めて絶対神様は言った。
「立ち話もなんだね。あの家で話そうか」
絶対神様が指を鳴らすと近くに家が現れた。
「粗茶だけど」
「あっ、これはどうもご丁寧に」
出されたお茶を飲む。
「凄く美味しい……」
「あはは、ありがとう。人にお茶を出すのなんて初めてだけど、口にあったようで良かったよ」
心底安心したように笑う。
絶対神様は俺の向かいの椅子に座ると口を開いた。
「さて、では、初めまして。ボクは絶対神をしている、アソーティアと言う。今日は君に話があってこの世界に呼ばせてもらったんだ」
「それなんだが、神様の世界ってこんな感じなんだな。もっと全面的に白くて神聖な雰囲気の所だと思ってた」
「ああ、そういう風な世界を創る神様もいるね。
それこそ、神聖な雰囲気を出したい! だとか、その方が神様としての力が強まる! って理由が多いよ。
ボクは神様としてこれ以上ないくらいには力があるしね。自然が好きだから。今は夏バージョン」
「そんな感じなんだな、神様って」
「うん。割りとそんな感じだよ。
神様っていうのは一つの種族だと思ってくれたら良いと思う。
個性がそれぞれあるし、まあ総じて何かに秀でていることが大抵だね」
「ふーん、そうなのか。それじゃあ、アソーティア、様? は何に秀でているんだ?」
「好きに呼んでくれて構わないよ。君ならね」
「じゃあ、ティアと呼ばせてもらう」
「おお……! なんか照れるね」
頬を軽く朱色に染めてる。
ナニコレ? 絶対神様ってこんな可愛いの?
「えーっと、それで何に秀でているのか、だったね。
ボクにはそういうのは無いかな」
「無い?」
「うん。そもそも絶対神っていうのは何でも出来て何にも出来ない生き物なんだよ。うまく言えないけどね。
性別も本来は無いんだ。言わば中性なんだよ。ただ、ボクは何故か女性よりでね。体も女性のものなんだ。性交も出来るだろうね。したことないけど。
中性だったころの名残が一人称とかかな」
何でも出来て何にも出来ない、か。どういうことだ?
性交…………って、何故ここでそんな情報を!?
「あはは。動揺してるね。面白いよ。
ボクはあまりにも位が高すぎるからね。中々こういう風に気軽に話せる相手って居ないんだよね」
「そうなのか。それじゃあ、俺が話し相手になろうか?」
「! いいのかい?」
「ああ、構わない。何時でもこの世界に呼んでくれたらいい。
多分だが絶対神は世界に降りることも出来ないんだろ?
まあ、戦闘中とか話中の時とかは勘弁してほしいが」
「確かに他の世界に行くには制限がかけられてしまうんだけど……
…………なるほど、君は人たらしだね」
楽しそうに、嬉しそうにティアは言う。
「自覚は無いんだがなあ…………」
「それは相当だね」
しばらく俺とティアは他愛ない話をした。
突然改まってティアが言う。
「それで本題なんだけど、君は神になるよ」
………………はい?
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