思ったよりもイイカンジ。
あの日から一ヶ月程たった。
村は大分出来てきている。
ログハウスが何軒も林立しているみたいだ。
一~二階建ての。
広場なんかもある。
中々自然と調和した良い村になった。
湖を中心に考えて造られている。
日本にあったら有名な避暑地とか、リゾート地になりそうだ。
「良い村になったな」
「ええ。全てはユーヤ様のお陰です」
そんなに持ち上げるなよ。グレイン。
今俺はこの村で一番大きい建物の一室にいる。
この建物は二階建てで、屋敷と言っても良いほどにでかい。
そしてこの部屋、例えるなら、学校の教室よりもでかい。
一応、会議室的な扱いだ。
本当に魔法とスキルの凄さを実感した。
ハイコボルト達は嬉々としてどんどん家々を建てていくのだ。
もの作りの得意なコボルトが進化するとこうなるのか。って思った。
それに、魔物の素材なんかも使われているから、構造もしっかりしている。
この場には俺とアリシア、サクラ、アッシュ、グレイン、そして、何名かのハイコボルトがいる。
ああ、ウルもな?
『今、ついでみたいに言いました!?』
言ってない言ってない。
『ほんとですかぁ?』
ほんとだよ?
そもそもウルは眷族ネットワークでハイコボルト達に常識を教えたり、家を建てる際の計算もしてくれている。
俺の家を建てる際のイメージも「世界の書庫」から補完してくれたし。
とても助かっている。ありがとう。これからもよろしくな?
『ふゃあっ!
…………あ、改めて言われると照れますねぇ……』
フフフ。本心だよ?
さて、ここにいる人の人物説明をしよう。
このハイコボルトはそれぞれの部門のトップだ。
あと、見回り・狩りのトップだな。
この子達は約束だから、フォーレンの周りの狩りもしている。
これらはグレインを一番上に据えて回っている。
アリシア、サクラ、アッシュはこういった話し合いでは必須だ。
俺の専属部下だし?
普段は俺の護衛的なことをしていか、鍛練をしている。
後はハイコボルト達では倒せない魔物が現れたときの対応とか。
正直俺はこいつらが今どの位強いのか知らない。
ステータスを見るのはマナー違反だと俺は思っているし、ステータスがいくら高かろうと、負けるものは負けるし、勝つものは勝つのだ。
俺のベビー時代のパワーベアー戦のようにな。
そう言えば俺も自分のステータスを最近あんまり見てないな。
そのうち確認しなきゃなぁ。
俺は周りを見渡して言う。
「都市フォーレンに行こうと思う。
そろそろ領主との約束の人間の受け入れをしなければならないし、
俺の武器の確認もしたい。
それに、品物を売りに行かなければいけない。今回は先駆けだ」
この村で作られた品は幾らか、俺の異次元収納に入っている。
「それが宜しいかと。あらかじめ皆にはそろそろ人間を村に受け入れると言っていますしね。
私達兄妹もお供します」
ふむ。確かにこの二人は人間に近い見た目をしている。
獣人で十分通るだろ。
「勿論私もお供します」
アリシアは元からそのつもりだ。
「では、留守はお任せを!」
グレインが胸を張って言う。他のハイコボルト達も頷いている。
「ああ。頼むぞ?」
俺は留守の際の注意、指示を幾つか出すと、立ち上がり、
「さあ、行こうかね」
この村で作られた、質の良い服を翻して部屋を出た。
………………宣伝のためだ。抜かりはない。
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