予定地の確認をしようか
今俺はアリシアと合流して、村をつくる予定地の湖に来ている。
「…………やっぱ良いとこだな」
「そうですね」
『ですねぇ』
とても綺麗な湖に、木々が美しい。
「ここに村を作りたいのだが、この光景をあまり壊したくはないな」
俺がしみじみと思っていたら…………
「ゲハハハハ! おお―? だれだあ? 俺っちの縄張りに入ってきてる馬鹿は~?」
メチャメチャ大きいスライムがやって来た。俺の2倍?3倍?
可愛い系じゃない、形が不定な感じのちょっぴりグロテスクな感じのスライムだ。
この湖の近くに住んでいるのなら話さねば!
交渉をせねば!
「初めまして。俺はユーヤという。
ここらに村をつくらせて欲しいのだが、お前の縄張りだったのか?」
だからこの湖には人が全くいなかったのか。
見つかりにくいだけでなくて。
「ああ~? 村をつくるだあ~? 駄目に決まってんだろ!
ここは俺っちだけの場所だ~。入ってくる奴は問答無用で全員食ってきた~。これからもそうだ~!」
なんてことを言ってくる。
「そこをなんとか。良いだろう? お前に迷惑はかけないさ。」
「あん~? ふざけたこと言うな~! 俺っち以外がここを使うのは許さ~ん!」
そう言うやいなや俺に襲いかかって来る。
その体をぐにゃぐにゃと変形させながら俺に突っ込んでくる。
交渉は無理そうだ。残念だな。
…………ごめん、嘘だ。ちょっと、こいつは交渉云々抜きで話が決裂して欲しいと思った。
………………ちょっとだけな?
「しょうがないな。
村のためだ、逆に喰ってやる!」
俺は自分の影を大きく広げると、向かってくるスライムの盾にするように広げる。
「んあ~? そんなもんで防げると………………ギャーッッ!! ワババババ!!」
スライムが影に突っ込み、
結果、影に吸い込まれていく。
いや、影に喰われていく。
俺は影魔法に暴食を司る者を組み合わせたのだ。
とても使い勝手が良くなった。
暴食を司る者に進化したからこそ出来るようになった芸当だな。
まあ、こんな見かけ倒しスライム位でないと暴食を司る者では抵抗されてしまうがな。
だが、雑魚相手には無敵だ。
「影の晩餐
………………影に喰われて消えちまえ」
ついには全て影に飲み込まれてしまった。
【グランスライムはユーヤ ヤクモに捕食されました。
ユーヤ ヤクモは「分裂」を獲得しました。
ユーヤ ヤクモは耐性系スキルが進化しました】
……………………スキルだけは一丁前だったな。スライム君。
分裂は俺では使えない死にスキルになるのかな?
まあ、いずれ役立つ時が来るだろう。
「あいつがここらの主だったのならもう大丈夫だろう」
村の場所が決まったな。
「アリシア、周りの魔物で危険そうなのは狩っておいてくれ。
俺はサクラとアッシュ達を連れてくる」
俺は翼を生やして皆の野宿している場所に飛んだ。
……………………結局一日かからなかったな。
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