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普通で異常な社畜のドラゴン転生記  作者: 狼猫 ゆ狐
四章・村をつくる
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領主の憂い

主人公以外の視点です!

短めです!


本編どうぞ!

「本当にこの町は良い町だ……」


 だからこそ、辛い。



 私は、この多種族国家グランデ、都市フォーレンの領主だ。

 

 この町には様々な種族がいりまじって暮らしている。しかし言って他の種族への差別や偏見などは少ない。


 皆が皆、支えあって生きている。私はこの町に住む一人の人間としてそれを誇りに思っている。


 しかし、だからといって犯罪が無くなる訳ではない。



 つい先日も、この町に存在する闇組織の被害を受けた人達がいる。彼ら、彼女らは自分の財産を失ってしまった。


 あの事件は何とか解決に至ったが、被害を受けてしまった人というのはどうしても出てしまった。


 私もなんとかしてあげたかったが、不幸な人というのはいくらでもいる。領主として特別扱いは出来なかった。


 彼ら、彼女らは税金を払えていない。出来るだけの便宜をはかったが、やはり無理があった。このままでは法律によって奴隷に落ちてしまう。


「なんとかしてやりたいなあ……」


 私は誰にともなく呟いた。

 



「領主様、対談の申し込みが来ております。

 なんでも魔物の村をつくらせて欲しいとか」


 ……なに? そんなことをお願いに来る者なんて始めてだ。


「真偽は分かりませんが、なんでも人に化けたドラゴンが対談主だとか」


 執事は明らかに信じていないように言う。


 ドラゴンが、人に化けた?


 ドラゴンとはとても誇り高い種族だ。

 それ故、他の種族にあまり興味を抱かないことが多い。

 そしてドラゴンにもピンキリではあるが、中には災害のような力を持つ個体が居る。

 出来ることなら敵対してはならない。


 これが私のドラゴンに持つイメージだ。

 それが人に化けて村をつくるだと? 全く予想がつかない。


 執事は信じていないようだが、私はこの対談相手に、既にある種の期待と確信を持っていた。


「ああ、直ぐにでも行く。客人を部屋に案内しておいてくれ」







 私が部屋に入るとそこには、男の私も見とれるような容姿を持った男がいた。


 しかも見た目だけではない、この客人からは覇気というのか、オーラと言うのか、とにかく纏っている雰囲気が並々ではない。


 執事も固まっている。 


 ……三十秒前の、この方に会う前の、胡散臭げな態度は何処にいったのだ?


 そうしていると、客人は座っていたのを優雅に立ち上がると、私を見据えて、言った。


「貴方が領主殿だな?

 初めまして、私はユーヤ・ヤクモと言う。以後お見知りおきを」




 私は今や、この対談が楽しみで仕方がない。なにが起こるのだろうか?

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