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普通で異常な社畜のドラゴン転生記  作者: 狼猫 ゆ狐
三章・多種族国家都市フォーレン
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ふう。一日の終わりだな

「…………と言うわけで、その後、紙に書いてあるところ全部回ってきた。

 あまり、苦戦もしなかったな」


 場所はドワーフの鍛冶屋。ガダンとエミリーに今日あったことを話した。


 案の定絶句している。


「おーい? 聞いてるかー?」


「………………ハッ! すっ、すまねえ。ちょっと思考が停止してた。まさか本当に今日中に出発して、しかも今日中に終わらせて来るとは…………。どんだけだよ…………しかも、すげえ奴だと思ってはいたがまさかドラゴンだったとは……」



 そう。俺の正体がドラゴンであることもサラッと言った。


「ああ。そうだぞ。お前らは信用できると思ったからな。俺のことを話すに足る人物だと」


「ッ! お、お前さん………どんだけ俺に気に入らせたら気がすむんだよ……」



 ガダンはとても感動している。

 よかった。すんなり受け止められたようだ。


 エミリーはまだ機能停止しているが。


『………………人たらし…………』


 うん? ウル、なんか言ったか?


『いいえ? なにも?』


 ? なんか言われた気がしたんだが。気のせいか。


「決めたぜ! 俺はユーヤ、お前さんが何かをするときは味方でいてやる! お前さんが町を、国を興すってんなら俺が専属でついていってやる!」


「ちょっ! お父さん!? また何言ってるですか!?」


 おっ、エミリーが再起動した。


 にしても、国を、ねえ。


「うーん、アリシアといい。お前といい、俺のことを買いかぶり過ぎじゃないか? 俺は国を興す気なんて無いぞ?」


「ガハハハ! 俺は俺の勘を信じるぜ?それに、そんときゃ、エミリーもつける。こいつはこれで中々、生産職全般に適性がある。

 ………………まあ、鍛冶では俺には遠く及ばんがな!」


 職人のガダンが言うなら、きっとそうなのだろうな。


 ………………どうしよう? 今のところ国を興す気なんて無いのに、凄く魅力的に思えてきた。



「ガハハハ! なんだったらこいつをそのままお前さんのハーレムに入れてやってくれ! その辺の男にやるよりも余程いい!」


「お父さん!? 何を言ってんですか!?」


 ハーレム? なにそれ? 本気でいってるのか?


『この世界では一夫多妻も一般的ですよ? というか、地球にも無くはなかったでしょう? 国によって、歴史によって、ですね。まあ、この世界でも、実際は中々ありませんが』


 アリシアが駄目って言うんじゃ?


『今聞きましたら、アリシアは「主殿が私一人で収まる器な訳がありません。全然構いませんよ。ただ、誰彼構わずというのは……」と言っています』 


 …………まじで?


『マジです』


 …………考えとく。



「ガハハハ! まあ、そのうち貰ってやってくれ! こいつは仕事ばっかで全然そんな話がねえ。早くしねえと嫁ぎ遅れるからな!」 


「もう! いいじゃないですか! 今は仕事がしたいんです!

 …………ただ、ユーヤさんなら、そんなに悪くないかもです」



 おーい?最後の聞こえてるよ?

 ドラゴンの聴力、侮れんな。


 にしても、やっぱりメチャクチャ良い親子だよ。あんたら。


「ああ、考えとくよ。じゃあ、俺は宿にアリシアが待ってるし、もう行くな?」



「おう! また来てくれ!」


「はいです! また来てください!」











「………………ってな感じだったな。今日の俺の一日は」



 俺はアリシアに今日あったことを説明する。

 ガダン達とで2回目だから手慣れたものだ。

 今回はウルも話しに加わっていたし。ちょいちょい補足してくれた。


 ただ、俺が道を間違えたことは言わないで欲しかったな。

 主の威厳がさ……


『そんなことで、アリシアは失望したりしませんよ。

 

 というか、アリシアの忠誠はとっくに天文突破してますよ。

 無くなりようがありませんってば』


 そうかな? 確かに俺も少しはそう思うけど。



「むう。楽しそうですね。私も行きたかったと思ってしまいます。

 ああ、そうそう。今日、ウル様から確認が有りましたが、私以外にも恋人をつくっても構いません。

 …………ただ、人が増えても、私も構ってもらえると……うれしい、です……」



 頬を赤く染めてもじもじ言うとは。


 だから破壊力が半端じゃ無いんだってば。

 俺はたまらずアリシアを押し倒した。





 ウルの溜め息を吐く声と、気を利かせて機能を切る様子が印象的だった。


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