表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通で異常な社畜のドラゴン転生記  作者: 狼猫 ゆ狐
三章・多種族国家都市フォーレン
23/95

さて、ギルドに行くかな。

ジューーッ……カッカッカッ



 俺は今宿屋の厨房を借りて料理を作っている。


 料理は元社畜の嗜みだ。

 俺が仕事を終える時間には大抵の店は閉まっている。だからといって毎日コンビニ弁当だと飽きが来てしまう。


 なので俺は料理を覚えた。いくら社畜でも飯にはこだわりたい。

 まあ、そのせいで睡眠時間は大分削られてしまったが。


 自分で言うのも何だがそれなりの腕はあると思う。



「よし! 出来た!」

 


「ほー、大したもんだね」



「あっ、おばちゃん。

 そうだろ?

 今日ぐらいはあいつに俺の手料理を作ってやりたいからな」


「…………あの子も良い男捕まえたみたいだねぇ」


「まあ、料理スキル持ちには敵わんだろうがな」


 照れ隠しにそう言うと、部屋まで料理を運ぶ。







「おーい、アリシア。ご飯作ってきたぞー?」


「あっ、主殿!?

 ご、ご飯を!? 主殿の手作りですか!?」


「ああ、そうだぞ? 我ながら上手く作れたと思う。食べてみてくれ」


「主殿っ……ありがとうございます。

 ………………うんっ!凄く美味しいです!」


「そうかそうか。よかった……

 …………そうそう。アリシアは今日は宿で休んでな? 昨日が初めてだったんだから」



 うん? 俺か? 俺は一応経験はある。

 ただ、就職してからはそんな暇は無かったが。

 

「すみません…………主殿。お言葉に甘えさせて貰います」


「ああ、そうしろ。

 俺はガダンの店とかギルドとか行ってくる。少しは町の外に出るかもしれんが」


「はい。わかりました。いってらっしゃいませ」









 俺はギルドに向かっているが、昨日よりも視線を集めている気がする。アリシアはいないんだけどな。



 …………服か! 今俺は冒険者用の服を着ている。


 黒を基調にしたかなりお洒落なコートだ。機能性も高い。どうやらエリザベスさんのお店はかなりの高級店だったようで、良い服を売ってもらえた。

 値引きもしてもらえたし。服が必要になったらまた行こうと思う。


 そうかそうか。昨日は村人の服だったが、今の格好だと注目を集めるのも仕方ない。エリザベスさんもやりきった! って顔してたし。




 ギルドに着いた。


 俺がギルドに入るとざわめきが起きる。


「お、おい……あれが噂の」

「ああ、あの方がそうだ……」

「確かにすげえ美形だが……」

「あいつが白銀(シルバー)全能(オールマイト)か……」



 うん?白銀(シルバー)全能(オールマイト)


『どうやらマスターの二つ名のようです。


 二つ名とは、有名な冒険者に付く異名のことですね』


 ………………はっ?そんなもんがなんで俺に?


 …………心当たりメッチャあったわ。あれだけの騒ぎを起こせばなあ。

 まあ、そんなに自重する気はないが。


 俺は受付のセレナのもとに歩いていく。



「ああ! ユーヤ様、素材の鑑定は終わっていますよ……

 …………あれ? アリシア様はいらっしゃらないのですか?」


「ああ、今日は俺だけだ。だが問題ないさ」 


「そうですか。では、結果をお伝えします。

 まず、素材の買い取り額が金貨1342枚、

 次に討伐の褒賞金ですがお二人分合わせて、金貨で3050枚ですね。

 更に常時依頼の討伐依頼が金貨で2000枚

 合計で金貨6392枚ですね。そこから昨日既にお渡しした金貨500枚を差し引きまして、金貨5892枚ですね。

 白金貨58枚と金貨92枚に別けることをお勧めします」


 ちなみにお金の価値は


銅貨=100円=銭貨10枚

銀貨=1000円=銅貨10枚

金貨=10,000円=銀貨10枚

白金貨=1,000,000円=金貨100枚



 となっている。バイ、ウルさん。俺は日本円にして6千万円を手に入れたらしい。

 まあ、命がけで魔物を狩るんだから当然かな?売った魔物も強い奴ららしかったし。


 そう思うと町に入るのに3000円だから、安いと思うだろ?

 この町の領主は良い政治を行っていると思う。町に人を呼ぶためにはそこに金をかけても仕方ないからな。



「ああ。金貨は昨日のが残っているからな。白金貨で頼む」


「かしこまりまりました。

 …………こちらになります。

 ところで、その物が消えるのってどうなっているのか聞いても?」


「うん? ああ。魔法だよ」


 ついに異次元収納をつっこまれてしまった。まあ、言うが。


「そうですか。始めて見ましたね。

 そうそう。ユーヤ・ヤクモ様とアリシア様のランクが上がります。

 お二人とも素行にも問題はないと判断されました。

 Aランクです。おめでとうございます。

 本当はSランクでもおかしくないんですけどね。それは流石に大きな実績がないと…………」


「ああ、それは弁えている。

 だが、試験とかはないんだな」


「ええ。冒険者カードを見ればお二人がそれに足る人物だとわかりましたから。

 まあ、支援や回復特化などの魔物を倒す機会の少ない方などは試験を受けますが。 

 ああ、それと、そのうちギルドマスターから面談の申し込みがあるかもしれません。是非とも受けてくださいね」



「ああ、了解したよ。それでは俺は行くな」



 セレナからカードを二つ受け取りギルドをあとにする。



 …………また、俺がいなくなったあとには冒険者達が騒ぎだしたそうな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ