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普通で異常な社畜のドラゴン転生記  作者: 狼猫 ゆ狐
三章・多種族国家都市フォーレン
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冒険者ギルド、テンプレだな。

「ほおー、これがギルドか」


 三階建ての大きい建物で奥には修練場があるようだ。更には、大きな魔物のためだろうか? 解体用の庭なんかもある。他にも色々施設はありそうだ。


 俺とアリシアは盾と剣、杖が重なっているデザインの看板の下にある扉を開け、ギルドへと入っていった。




「イメージ通り、だな」


 中は広い空間になっている。奥には受付、依頼書が沢山貼ってある依頼板、手前には冒険者同士の交流のための酒場なんかもある。


 中々騒がしい。だが、それがいい。




 とりあえず受付に向かって歩いていく。

 

 受付嬢には様々な種族の綺麗所が採用されているようだ。

 ギルドのイメージのためにそういう人ばかり集めているのだろうか?


『綺麗なだけではありませんよ? マスター。

 皆さま中々お強いようです。どうやら元冒険者が受付になる場合も多いようですね』


 最近ウルさんが俺の心の声にまでツッコミを入れてくる、そんなことできたのか。知らなかった。迂闊なことは考えられなそうだ。


『ふふふー、私も日々成長してますので!

 まだまだ凄くなりますよお~

 あっ、そうそう、マスターのプライバシーのために、疑問とか、私に話そうと思ってる時にしか心の声は聞こえないようにしてますよ!』 


 ウルさんはとても気のきくいい子でした。



 それにしても、確かに。受付嬢達はさっき見渡した時に見た冒険者達のステータスより幾分強いようだ。ここにいる冒険者達があまり強くない可能性もあるが。


 にしても受付嬢達…………


 …………アリシアの方が綺麗だな。うん。

 決して贔屓になんかしてない。ああ、してないともさ。


 …………いや冗談抜きで。他の人と比較すると更にアリシアの可愛さが引き立つな。


 

 なんてとりとめもないないことを考えながら受付嬢の元へと向かう。


 受付嬢はエルフの女性だ。


「えっと、こんにちわ。素材を売るのと、登録をしたいのだが」


「……っ。は、はい。冒険者登録と素材の買い取りですね。そちらの方もですよね?」


 おお、真っ正面から向き合っているのに俺の顔に見惚れない、流石のプロ根性だ。


 ………………いや、俺はナルシストではない。純然たる事実だ。


「ああ、二人ともだ。ついでに冒険者についての説明なんかもしてもらえると助かるな」


「かしこまりました。

 冒険者というのは冒険者ギルドに登録している人を指します。

 冒険者ギルドは主に魔物退治や有事の際の対応を目的とした組織で、殆どの国や都市にはありますが、そのどれからも独立しています。すべての国に中立な存在ですね。

 冒険者は町民や村民の手伝いや、薬草採取、魔物退治などを幅広く行う何でも屋の側面ももちます。

 冒険者にはランク付けがされており、最低ランクのEランクから、D、C、B、A、S、EX ランクと上がっていきます。

 Eランクはほぼ一般人と変わらないか、少し強いぐらい。主にお手伝い系の依頼をこなします。

 D、Cランクは一人前。

 Bランクは上級者。

 Aランクまでが人の範疇に収まるランクです。

 Sから先は人外、それこそ一人で町や国を落とせてしまいます。

 ランクを上げるには依頼をこなすか、魔物を討伐されることで上げることが出来ます。

 ちなみに魔物にもランク付けがされており、同じくEからEXまで。更にその上の神話級となっており、そのランクの魔物一体に同ランクの冒険者一人で同等とされています。ただ、そのランクでも戦闘力が上位の者と下位の者ではかなりの差ができますがね。

 最後に冒険者カードですが、これは冒険者ギルドのある国であれば、それを見せることで身分証明が出来ます。通行税もとられません。

 冒険者はその町を守ってくれる存在でもありますからね。沢山来てくれた方が国側にも利益はあるのです。

 先ほど言った魔物の討伐はカードに記入されます。

 冒険者カードは魔道具になるのでとても高価です。再発行はかなりお金がかかりますので注意してください。

 ……………そんなところでしょうか」



「ああ、よくわかったよ。ありがとう。

 ……ところで、沢山しゃべって疲れないか?」


「…………少しだけ」


「ははは、それはちょっと悪いことをしてしまったね。何でしたら 俺の手製のジュースでも飲みますか?

 変なものは入ってませんよ? 鑑定してもいい」  



 そう言って俺はこっそり異次元収納から森で採った果物で作ったジュースを差し出す。水魔法はジュース作りにも使えるんだよな。


 この気遣い、元社畜の嗜みだ。これくらいできないとあの仕事はこなせない。



「あっ、ありがとうございます。

 …………んん! 美味しい……」


 そうだろう。そうだろう。万物鑑定で上手い果物を探して俺が試行錯誤したんだ、美味くて当然だな。

 アリシアも絶賛だ。俺の血の次に美味しいとのお言葉をもらった。

 そうして、俺が少しどや顔をしていると、


「ギャハハハ! 男がジュース作りだと! 

 そんなあまちゃんが冒険者になるだあ? やめとけやめとけ!

 お前はそこの女を置いて、とっとと家に帰んな! 女は俺様が可愛がってやるよ!」




 …………ここにいたか、テンプレよ。



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