最終話 ブレイヴ・ハーツ ?/??
「姉ちゃん、折角俺達が揃ってるんだし、VRで遊んでよ。でも姉ちゃんは必殺技なしね」
休日に鳳さんと榊原君が家に遊びに来ていた。
なんという自分勝手なルールを押し付けてくる弟。どれだけ私に勝ちたいんだ。汚いぞ、弟よ。
「良かろう。かかって来なさい」
でも可愛い弟の願いだ。叶えてやらねば!
まあ容赦はしないけどね。必殺技使えなくても、余裕で勝てる。朝飯前だ。
「霙さん強すぎる……」
「ちょっとは手加減してくれよ、姉ちゃん」
「どうだ、格の違いってやつを思い知ったかー、はっはっはー!」
「なんか自信満々な姉ちゃんが気に食わないから、俺達が勝つまで頑張ろうぜ」
「気に食わなくはないけど、勝ちたい」
「俺はバトル向きじゃないからパスするね」
榊原君は元々整備士って決めてたのは、私自身本人に話を聞いていて知っていた。
それから小一時間程、ちびっ子の戦闘に付き合わされ、私が疲れてギブアップした。その時の顔ったら、3時のおやつを期待していたけど、無かった時の幼児の顔みたいで少し面白かった。
「君達がチームを組んだら、きっと良いチームになると思うな。向上心があるしね」
「俺達でチームを組んで姉ちゃんを倒す!だから、姉ちゃんがチーム名決めてよ」
こんなに実力差があるというのに、私に勝とうと思うのが氷牙。普通の人なら、必殺技を使わずに大敗している時点で諦める。でも、どんな大きな壁であろうと乗り越えようとする勇気があるのは確かだ。
「うーん。君達には本当に勇気がある。勇気がありすぎて、無茶しちゃうの。
だから、君達に全力になってくれるリーダーと、皆の意見を汲み取る礼儀正しい人がいたら、きっと完全無欠なチームになる。
いつ如何なる時も折れぬ永久の勇気。仲と共に喜び、時には共に悲しむ心。だから『ブレイヴ・ハーツ』とかどうかなぁ」
「なんか思ってたよりシンプルだなぁ」
「氷牙なら賛成してくれると思ったんだけどね。シンプルイズベストって言うじゃない」
「良い名前だと思うよ、俺は」
「おおっ、榊原君はわかってるねー。いつかチームを作ったら、君にこの名前にするように任せたよ!」
「えぇ、俺ですか。俺なんかが冷姫を抑えられる自信がないですよ!」
「大丈夫よ。榊原君は優しいもの。きっと皆を見守るお兄さんみたいな存在になってくれるよ!
氷牙は皆に迷惑掛けないようにしなきゃね」
「ちぇっ、姉ちゃんの意地悪」
氷牙。私が君に付けた名前。凍れる牙のように、鋭く冷静でその場に応じた判断ができるようにと願って付けた名前。
「霙さんの言う通りだよ!」
「鳳!お前言ったなぁ?」
鳳さんは持ち前の明るさで、時に真面目すぎる氷牙を引っ張ってくれるだろう。
いつか氷牙達のチームができあがった時、手を合わせてみたいな。あと何年掛かるかわからないが、それまで楽しみに待っていよう。
拙作ながら、この作品に触れていただきありがとうございました。この作品を読むにあたって抱く感想は十人十色だと思います。死者多すぎワロタだとか、技名かっこつけすぎだろだとか、こんな上手く行かねえよだとか色々あると思います。ただ、この作品を読んで前向きになってもらえたり、プラスの気持ちになってもらえれば、作者としてもありがたいです。
長文になりましたが、重ねて感謝の言葉を申し上げます。この作品に触れていただき、本当にありがとうございました!




