白虎と鋼 1/17
「お前らの姿を見ないと思ったら、こんなところに居たのか。探したぞ」
上からフィールドの地面を崩して降りてくるのは、第1席の城ヶ峰虎武。奴はその虎のような威勢と地属性魔法を使い、鋼を操るのに長けていることから『白虎』という異名を付けられている。虎のように孤高の強さを誇り、1年生ながら学園の1位に君臨している。
俺と真霧は2人で行動して、NOAHが出現するポイントを目指していた。第1席のこいつを倒せなくても、NOAHを破壊するという任務を遂行するためだ。しかし、見つかってしまっては俺達がなんとかしなくてはならない。こうなると、勝たなければならなくなってしまった。
「……お前の相手は俺だ、城ヶ峰」
城ヶ峰を後ろから斬りかかろうとしたのは、次元操作剣を使った紫ノ宮だった。城ヶ峰は振り向かずに紫ノ宮の攻撃を避ける。まさか、この攻撃も読んでいたのか。
『ここで面白い戦いが見れそうだ!
ダーク・クルセイダーズの紫ノ宮と学園主席の城ヶ峰が対峙したー!!』
「ちょっとした時間稼ぎだがな。2人共、目をかっぽじって見ろよ。この後のためにも、こいつの手の内を少しでも曝け出させる」
「そう言うからには、少しは楽しませてくれよ?少し仲間が簡単に負けて、俺は呆れているんだからな。
金環・鋼剣演舞」
まるで神の背中から生えた、神聖なる翼のように城ヶ峰は自身の背後に限りない量の剣を生成する。
そして、剣を城ヶ峰の方向に向けて、そのまま発射する。紫ノ宮は空間魔法を用いて、剣の雨を回避する。
「俺がそれを読めないとでも?」
空間移動した先に、ダガーが飛んで行く。紫ノ宮の腹部にその短剣が突き刺さった。
「ぐっ……くそっ」
「やはり弱いな。ウォーミングアップにもならん。
英雄煌槍」
無数もの剣が城ヶ峰の背後に控えたまま、城ヶ峰は巨大な槍を具現化させる。神々しくもあり、また絶望を心の底から引き出すような光を放っている。
「……避けろ!紫ノ宮ぁぁあああ!!」
城ヶ峰が槍を強く握り、紫ノ宮を突き刺す。
「魔法が、使えない……だと?」
「惨めだな」
これが第1席の実力。彼の強さは、理解の範疇を超えていた。勝つことすら頭の中で考えることができなくなってしまった。
「次の相手はどっちだ。お前か?それとも、お前か?はたまた、両方か?」
城ヶ峰は醜い動物を見るような目つきで俺達を見て笑った。
「……いや、3人だ」
ヒーローは遅れて登場する。それを象徴するかのように、俺達のチームのエースがこの場に現れる。
「……ったく遅えんだよ!お前は!氷牙!!」




