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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
第3章 嵐の前の静寂
56/88

それぞれの前日 11/21

 『エルドラード』出場チーム発表から約1ヶ月が過ぎた。いよいよその大会が明日に控える。つまり、今日が最後の調整チャンス。なかなかそれぞれの個人技がまとまってきている。あとは、俺の新技か。


「氷牙、最後の調整のことなんだが、俺に付き合ってくれないか?」


「ああ、俺は問題ないが、どういう風の吹き回しだ?」


 氷牙の言うように、俺が調整をする時は基本椿か爽乃で滅多に氷牙とは行わない。氷牙のように俺とレベルが違いすぎると、氷牙にも俺にもデメリットだから、チームで別の人と合わせるようにしている。


「新技を完成させるには、本当に強い奴と手合わせする必要があるのかなってね」


「そういうことか。なら、手伝う」





「……どうなってんだ、さっきの。それが正義の新しい技なのか?」


「……ああ、できた。ようやくこの新技を完成させることが」


 氷牙と対峙していた時、今まで感じたことのないような不思議な感覚に陥った。氷牙と真霧の姿が何故か重ね合わさって、妙な集中力が漲っていた。何か、俺の中で化学反応を起こしたような、漫画風に言えば、覚醒したというやつだ。今の俺ならできるとそう直感したのだ。


「確かに俺は致命傷を受けたのに、やられたこともわからない。一撃を受けたのに、『お前は一歩も動いていなかった』。変な感じだな。何をした?」


「専売特許だ。まあ、あと1つ奥の手を残しているんだがな」


 氷牙は少し嫌な顔をする。教えないのは、冗談だっての。


「それにしても、氷牙も『虚無ノ殺戮鎌(パンドラズサイズ)』を使い慣れてきたじゃん。椿ちゃんも『氷刃三日月』を持っても違和感が消えたし、爽っちゃんも『System301』を上手く使って遠距離射撃だけでなく、近接戦闘も長けてきた。良い傾向だよ」


 恭介の言う通りだ。氷牙は扱いが難しい『見えない鎌』を器用に操ることができている。それに椿も二刀流を使いこなせている。一番強くなっているのは、間違いなく爽乃。援護としてだけではなく、近距離戦闘でもみるみる力を付けている。

 あれから駿河先輩が属する『フェニックス』との話し合いの結果、NOAHを破壊するのは『ラグナロク』決勝ということに決定した。理由は、NOAHが記録する決闘が1つに絞られてNOAHを叩きやすくなるからだそうだ。それまでは気を楽にして良いとのこと。


「正義、大分良い雰囲気になってきたじゃないか」


 俺の後ろから話しかけてきたのは、音坂先生だった。『フェニックス』の顧問も音坂先生で忙しいだろうが、今日ばかりは心配して来てくれたのだろう。


「はい。なんとか明日には間に合いそうです」


「……だが、実戦ではどうなるかが問題だな……」


 音坂先生が呟いた妙な独り言に俺は嫌な予感が頭をよぎった。





「明日は切り札のお前にも少しは動いてもらうつもりだけど、良いかな」


「ああ、勿論だよ。準備万端だ。正直な話、俺は待ちくたびれた」


「俺はあんまり乗り気ではないな。こいつを出すには早いんじゃないか?体育祭でも出したのに」


「いや、俺は不意打ちが嫌いなんでね。正々堂々と面と向かって闘わなければ、本当に掴む勝利とは言えない」


「……わかったよ、真霧。お前の意見に従うよ」

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