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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
第2章 Road to El Dorado
40/88

ファールとフェイク 9/23

 徐々に試合ペースは緩やかになっていき、6点差で俺達が追う展開となっている。そろそろ前半も終わりが近づいている頃。

 運動神経抜群の氷牙と遠距離シュートを打つ爽乃に徹底的にマークをする敵チーム。妥当な判断だ。だが、それで良い。俺のマークは緩くなっているということ。そろそろ俺の出番かな?

 つまり、俺のシュートが打ちやすくなる。左手を添え、3Pラインより少し離れた位置から俺はネットを鳴らした。我ながら完璧な放物線だったと思う。


「あいつ、わざと姿をくらませて」


「くらませていたんじゃない。勝手なそっちの判断さ。俺はずっとフィールドに立っていたしな」


 敵将は顔をしかめ、俺の煽りに完全に逆上している。スポーツは、敵を怒らせたら勝ちだ。相手からペースを奪っていけば良い。

 氷牙がパスカットをし、俺にボールを回してくる。ナイスパスだ。

 また敵将はドラゴンと化して、俺のシュートをブロックしにくる。だが、身体能力があれば勝てるなんて、甘い。


「まさか、フックシュートだと?」


 左手だけでボールを掴み、敵のファールをもらいながら、左手をスナップさせてフックシュートをゴールにねじ込む。

 フリースローもしっかりと決めて、2点差まで挽回する。

 時間的にそろそろラストプレーか。榴ヶ岡がフリースロー後のプレーで堅実に点を返す。4点差に戻る。

 振り出しに戻して後半に入ろう。追いかける展開を払拭しておこう。

 俺は爽乃からロングパスをもらい、シュートモーションに移る。すると、案の定、怪獣が俺に向かって跳んでくる。あれほど痛い目を思い知らされただろうに、懲りない奴だな。


「身体能力が上がっているということは、目の情報処理能力も上がってるんだろ?」


 光魔法(シャイニング)閃光フラッシュを俺は炸裂させる。桐生は体勢を崩す。フリー……じゃない!櫻井がディフェンスに入っている!

 俺はすぐさまシュートモーションをやめて、ドリブルに移りレイアップシュートで点を決める。油断大敵。危なかった。

 櫻井が榴ヶ岡にラストパスを出す。残り20秒。なので、俺は"ブザー"を鳴らす。

 すると、榴ヶ岡は本物のブザーだと勘違いし、片手でボールを遠投する。


「氷牙!」


「わかってるよ」


 俺達がプレーをやめないから、『ドラゴンズソウル』全員が焦り出す。そして、桐生がようやく気付く。


「なんでお前らプレーを続けて……終わってない?ブザーが鳴っただろ!って、まさか、お前の音魔法のフェイク!?」


 爽乃のゴール下からの超遠距離弾道を使ったロングパス。そして、氷牙がそのパスを空中で受け、直接ダンクをしようとする。桐生が咄嗟にディフェンスに入ろうとする。だが、それをも押し切る言うことなしのアリウープ。完璧だ。完璧な流れで後半に託せた。


 白 39ー赤 39

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