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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
第2章 Road to El Dorado
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フェアプレーと学習 9/23

 今日はVR体育祭2日目の日程。競技がそこそこ多いため、4日に分けて行われている。俺達は2日目のバスケと4日目のリレーに参加する。4日目は来週になるので、比較的楽なスケジュール。そうしなければ、学校側がしんどいのもあるだろうが。

 俺らのチームには白のゼッケンが渡される。あちらは赤のゼッケンだ。


「氷牙って、バスケ上手そうだよな」


「何言ってるの、正義君。我は、バスケのルールなんて全く知らないぞよ?」


 ……やはり、このチームはまともじゃなかった。えて、話し方には突っ込まない。突っ込んだら負け。


「氷牙。お願いだからフェアプレーで挑んでくれ……ラフプレーだけはするな」


「大丈夫、大丈夫。鎌で吹き飛ばせば良いんだろ?」


 俺は君のそんな笑顔が怖いよ〜。その前に武器の携帯禁止だよ〜。勘弁してくれぇ〜。


「わかってるだろうから、手短に言うよ。無理は絶対にしないように。魔力切れてきたら、ちゃんと言うこと。良いな?」


 スタートのメンバー全員から、おう、という返事が返ってくる。

 スターティングメンバーは、俺と氷牙と爽乃。



 ルールは3on3形式での試合だが、普通のバスケットボールのルールが適用される。

 魔法バスケットボールのルールは、基本的にバスケットボールのルールとは変わらない。魔法という要素が増えることが、少し変則なルールを作っている。

 まずは、魔法でのプレイヤーへの攻撃の禁止。但し、水魔法でフィールドを水浸しといったり、風魔法で追い風や向かい風を作るという相手に危害を加えない方法として使う事は認められている。つまり、ある程度の妨害は可能ということ。

 そして、シュートをしている時に、魔法による干渉で、相手ボールの軌道を変える事は禁止されている。それは、風魔法で相手に危害を加えないものであったとしても、ファールとして扱われる事になる。

 またボールへの魔法の付加は禁止。真霧のチームが勝っている時に、ボールを闇で消したらそれで終わりだし、当然と言えば当然のルール。

 最後に、これはVR体育祭の一つの競技であるため、時間の削減がされており、前半後半に分け、共に15分の時間配分となっている。ハーフタイムは5分。

 追加ルールは大体こんな感じ。あとは例外的に、俺の魔法によって審判のブザーの音を真似る事は禁止された。敵の錯乱も一つの策略であるが、ブザーは流石にゲームへの影響を及ぼす事に繋がると考えたのだろう。俺としても反論はない。



「やはり、最後だけあって、敵は並到底じゃないな」


 珍しく、氷牙は冷や汗を流している。

 相手は、『ドラゴンズソウル』。現在、1年生のランキングでは4位に位置していて、エルドラード出場はほぼ決定的と言われている。このチームは、桐生きりゅう龍次りゅうじをリーダーとしている攻撃的なチーム。彼は、龍に姿を変える、変容系魔術の使用を得意としている。そして、残りの二人もかなりのレベル。櫻井桜、氷牙とは違い小さい鎌を使う。草を刈る時の鎌ぐらいの大きさで、鎖が付いているものだ。その鎖鎌をトリッキーな動きをいつもはしている。武器は使用禁止の為、どんな事をしてくるのかわからない敵だ。榴ヶ岡(つつじがおか)韋駄天いだてん、彼は稲妻の如きスピードでフィールドを駆ける速さ重視のスタイル。このチームは総じて面倒くさい敵が多い。スポーツをやるにしても、個性が溢れている。氷牙が危惧するのもわかる。


「ジャンプボールは、氷牙に任せるよ」


「ジャンプボールってなんだ?まあ、いっか。ジャンプすれば良いんだろ?」


 ……うむ、嫌な予感しかしない。こいつに任せて大丈夫だろうか?

 相手のジャンパーは桐生。この学園のバスケ部に所属していたような記憶がある。この試合で要注意人物だろう。

 両チームの準備が整う。そして、今、試合開始(ティップオフ)


「「「「「あ」」」」」


 氷牙以外の全員がそう漏らす。氷牙は何が起こったのかよくわかっていない顔をしている。

 ボールが高く上がり切ったところで、氷牙はジャンプし、なんとボールを取った。取ってしまった。


「ピッ。白5番、バイオレーション。赤チームボール」


 氷牙は何故ファールを取られたかわかっておらず、キョロキョロと周りを見たり首を傾げたり落ち着きがなかった。

 取り敢えずゲーム再開。ボールは桐生に渡る。そして、鳳をドリブルで上手くかわし、レイアップで丁寧に決める。


「鮮やかだな。流石バスケ部ってところか」


 自陣ゴール下からスタート。まずは鳳にパスする。そして、鳳は俺にボールを返す。

 どうやら初心者として無視され始めた氷牙はノーマーク。なので氷牙にパスを出す。


「ゴールに入れれば良いってのは、知ってる」


 いや、ゴールがあるのにボールを入れないのは、色々とおかしい気がするのだが。

 氷牙は3ptラインより外からシュートモーションに移る。これは相手チームが誰も想定していなかったことで、守備に遅れが出た。

 初心者とも思えない綺麗な弧を描き、パシュッという爽やかな音を立てた。チーム初得点は、氷牙の3ptだった。


「案外、これいけるぞ」


 流石の学習能力に、チームメイトの俺でさえも舌を捲く。


 ブレイヴ・ハーツ 3ー2 ドラゴンズソウル

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