新学期と魔装VR体育祭 8/31
宿題を終えていなかった恭介と爽乃との激闘も椿の援助もあり難なく終え、いよいよ新学期と去る8月。
いよいよ、両体育祭の9月に突入する。この魔装高校は、体育祭を現実と架空の世界で開催する。全員参加の体育祭『魔装祭』。これは文化祭と同時に開催される。9月の中旬頃だろうか。そして9月の下旬には、参加を募って応募したチーム全員参加の『魔装VR体育祭』が幕を開ける。『魔装VR体育祭』は3大大会にギリギリ入らなかった大会で、『エルドラード』・『ラグナロク』・『ティタノマキア』には少し劣るが、生徒からの反響も好ましい大会だそうだ。
「さて、今日集まってもらったのは他でもない。魔装VR体育祭に参加する競技を決める」
いつものように取り仕切るのは、氷牙。いつも通り質問をしようとするのは、椿。
「質問良いですか。
VR体育祭は絶対参加しなければならないのでしょうか」
「良い質問だな。参加しなくてもデメリットは全くない。だが、参加するとメリットがある。『エルドラード』に参加するには、チームの順位が8位以上である必要がある。そのチーム順位は得点制。勝ちは50ptに試合で得た点数。負けは試合で得た点数のみが加算される。決闘は月に3回までという規定がある。
決闘には上限があるが、その上限にプラスアルファで追加できるエキストライベントみたいなもんって言えば良いのか?つまり月に3回決闘を行っていても、得点を追加できる」
ゲームとかクイズ番組のボーナスステージみたいなものか。
「参加しても今まで勝ち取った得点は失われないってことだったよな。まあ赤っ恥かかなければそれでいいって感じか」
恭介がサラッと漏らした独り言に俺は顔を歪ませる。その所以は初期の決闘において、俺はバナナでできた地面を歩くように転んでいたからだ。今、思い出すだけでも恥ずかしい。
「まぁ、このチームで有利そうなのはリレーだよね。椿ちゃんの加速魔法が使えるし、氷牙の風魔法も他のチームを妨害できそうだし」
爽乃の言う通りだ。加速魔法を持つ椿がいることで百人力。
「それは決定で良いな。
しかし、もう1つ参加競技を決めなくちゃならないんだ。フットサル、テニス、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、クレー射撃とか色々あるが、なかなか強敵が揃ってくる。リレーは基本的にどのチームも入れてくるから、まだ闘いやすい」
この中から強いて選ぶとなれば、勿論。
「バスケットボールにしよう」
「自信があるのか?クレー射撃で爽乃を得点源にして、他は足を引っ張らないようにっていう手もあるぞ」
「恭介が遠距離系なら文句は言わなかったよ。だが、氷牙と似た戦闘スタイルだったと聞くから、勝ちに行くには厳しい」
恭介はVR空間に行きたくないのか、苦笑いを浮かべている。俺的にも彼には整備に専念してほしい。
「まあ、俺は正義に反対しないよ。何か策がありそうな顔をしているしね。
それよりも、一番近い決闘に目を向けるべきだと思うから、早く話し合いを終わらせることが先決だと思うよ」
苦笑いしていた恭介が、超弩級の正論を述べる。そう、来週には、『ルーナ・ピエーナ』との決闘が待っている。これに皆の反論も打ちのめされ、結局第二種目はバスケットボールになった。
「じゃあ、これで会議は終了するか。お疲れ様」
早急に会議を終わらせて、来る決闘に集中することにした。満月を意味する『ルーナ・ピエーナ』は、ヒットアンドアウェイに重きを置いたチーム。RPG的に言えば、命中と素早さにパラメータを振っているといったもの。攻撃を回避されないように当てるということが要となってくる難しい試合。気合いを入れる他ない。




