光と闇 8/18
「さぁ、大空君。答えは出せた……顔をしているね」
俺に質問をぶつけようとしたのだろうが、俺の顔を見てから確信を持ったようだ。
「あぁ、真霧。待たせたな」
「君の答えを見せてもらおう」
俺は深呼吸をする。もう、限界なんて感じない。俺は壁を越えたんだ。……胸に手を当てなくても、心臓の鼓動を感じる、鼓動が聞こえる。集中が研ぎ澄まされている。今だ。
「……光魔法・七剣戟!」
俺は真霧に向かって、7本の光剣を飛ばす。光の速度で真霧を貫こうとするが、それ以前に攻撃が来ることを読んでいたようで、闇のシールドを展開していた。
「俺の魔法は、ありとあらゆる『波』を操る『波魔法』。音波や光波を操ることができる。それが俺の魔法の能力だ」
「良い答えだ。大空君、いや、正義君」
いつもの俺なら、焦って成長しても真霧に勝てないじゃないかと思ったかもしれない。だが、今回は違う。闇のシールドをよく見てみると、既にボロボロ。使い古した縫い目の荒い雑巾のように見えた。俺の能力は通用すると確信する要因となった。
何故、俺の名前を言い直したのかは、少し疑問に思ったがスルー。
「ありがとう、真霧。君のお陰だよ」
真霧はゆっくりと首を振る。見つけ出したのは、君だとでも言いたそうな表情。
「さぁ、君のパワーアップを次の段階に移そう。
正義君、君は基本7属性を知っているかい?」
「基本7属性、主属性ってやつか。どの人間にも、どれか一つは適性があるってやつだよな。
えーと、風・火・氷・水・木・雷・地、だっけ?」
「そう、それが主属性。それぞれの能力は?」
「能力?なんだ、それ」
「うん。これがいずれ決闘でも重要になってくるから是非覚えておくと良い。
それぞれの属性に適した能力があるんだよ。風は変化。火は侵食。氷は鈍化。水は回復。木は増加。雷は破壊。地は創造。普通どれか1つは当てはまる。
だが、君は7属性全てに当てはまっていない。俺と同じ異質中の異質中なんだ」
「当てはまっていないって?」
魔法はどんな人間でも使うことができるのではなかろうか。いや、真霧の言葉通りに使うことができないだろう。妙な説得力がある。
「君のチームの雪ノ下さんを想像してくれればいい。火と氷の属性を持っているだろう?
だが、さっき言った通り、普通の人は1つに特化しているんだ。但し、副属性使いの人は全ての属性を特化することなく、平均的に使うことができる。完全に当てはまってはいないんだ。
君は波魔法とフルマッチしている。君はきっとどの属性も使うことはできるけど、俺と一緒で使いこなすことはできないと思うんだ。
主属性を使えないから、副属性を使い始める。それが副属性使いの運命。戦略をあまり知られず闘わなければならない。だけれど、逆にそれが長所でもある。他人から自分のスタイルが知られていないということだから。
これから君は自分のスタイルに磨きを掛けなければならない。副属性に相性はほとんど存在しない。だから自分の実力で勝負をしなければならない。
だが、君ならきっとできる」
俺は真霧に励まされてばかりいる気がする。嫌な気は全くしない。むしろ、俺だってやればできるのだと、そう思わせてくれる。心の底から気力が湧いてくる。
「さぁ、明日は君のチームメイトを驚かせよう」
「あぁ!」




