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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
第2章 花鳥風月
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暗号と謎 8/9

 身体中が痛い。何とか朝イチに家を出て、昼過ぎには着くことができた。リニアの旅はしんどい。家から高校はそれなりの距離がある。勿論、乗り換えもあるため、キャリーバッグを持って移動するのも身体を痛くする要因となった。


「2週間振りくらいか」


「「お疲れ」」


 榊原と冷姫はどうやらチームルームにいたようだ。


「本当に疲れたよ

 んで、合宿は来週からなのか。今日は少し違うってことで良いのか?」


「悪いね、大空。急に呼び出したりして。

 それで、冷姫の暗号のことなんだけど」


 昨日送られてきた『CCCZKXJUWOTPDUNV』という暗号だ。全く見当もつかない。


「なんなんだ?あれ」


「冷姫の武器に隠されていた暗号。

 一番気になるのは、第7席がこの暗号を浮かび上がらせるのに関わっているんだよ」


「榊原、もしかして鎌のデータを見せたのか?別に悪いとは言わないが」


「あぁ、それは申し訳ないと思っている。

 それで、大空を呼び出したのは、1つ疑問に思ったんだ」


 榊原の声色が変わる。榊原から聞いたことがないほど深刻な声色。


「第7席の蘇芳先輩は、駿河先輩と同じチームなんだよ。これは何かあるんじゃないかと思って」


「最近俺も駿河先輩と会う機会がないから、何も聞いてないよ。だが、それを聞くとますます気になるな。その蘇芳先輩って人はなんか言ってなかったのか?」


「『うちの鎌使いと似たような現象に陥っている』。これが妙に気になっているんだよ。冷姫の鎌に暗号が隠されているのを知っていた可能性も捨てがたい」


「ちょっと待て、うちの鎌使い。つまり、姉貴から鎌をもらったもう一人の人物ってことだよな?」


「冷姫に姉っていたのか」


「あぁ、話してなかったな。それもついでに話しておこう。

 俺が鎌使いを目指す契機になった人物が姉だ。それでこの学園で活躍していたんだが、死因不明で高校3年の時に亡くなった。それで俺は姉の形見として『冷酷姫暗殺鎌(メドゥーサズサイズ)』を貰い受けた。

 姉は鎌をメインウェポン、サブウェポンと状況に応じて使い分けていたんだ。俺はメインウェポンを貰った。サブウェポンはこの学園での姉の弟子にだ。

 それに暗号が隠されていて、俺がいない間に干渉しようとしたって言いたいんだよな?」


 冷姫の姉が亡くなっている……?冷姫は軽く話しているが、そんな簡単に話せるものなのだろうか。


「冷姫の言う通りだよ。

 でもそんなことはないようだ」


「なぁ、榊原。足踏みしているのもなんだし、駿河先輩のチームルームに行かないか?」


「その言葉を待ってた。冷姫はここで待っててくれ」


「俺はお留守番かよ」


「暗号が誰かに盗まれちゃ、危険だろ?」




 チーム『フェニックス』のチームルームに着く。流石特待生のチームといったところで、玄関からリッチな見た目をしている。恐る恐るベルを鳴らす。


「はーい。あ、大空君、久し振りね!」


 部屋から出てきたのは、私服の駿河雀。クリーム色の半袖ニットから薄っすらと見える紺色のショートパンツがとても似合っている。


「お久し振りです。試合に勝って挨拶しに来なきゃなのに、全くで申し訳ないです……


「椿ちゃんが試合に勝ってから会いに来てくれた時、キャプテンは忙しいって言ってたから大丈夫だよ。あなたがチームを引っ張っていることは知ってるから気にしないで?

 ところで、あなたが会いに来るということは、余程の用?」


 流石女の勘というやつだ。駿河先輩の目が鋭くなるのが感じられる。


「この前榊原が蘇芳先輩に手伝ってもらって、武器データの中に隠された暗号が導き出されたんです。このことについて何か知りませんか?」


 駿河先輩は何とも言えないような顔付きをする。


「……私が知らないと言えば嘘になるし、全部知ってると言えばそれもまた嘘になる。

 榊原君、武器データの暗号を私にくれないかな。私も勿論持っている暗号というか、メッセージを送るから」


 榊原は考える間もなく。持っていたメモに暗号を書いて駿河先輩に渡した。


「じゃあ、私のチームメイトの武器に隠されていたメッセージだね。

『Dear Hyoga Reiki

 Keep on』……これだけなの」


「……え、これだけですか?」


「うん……同一所有者だから関わりありそうなメッセージだけど、謎が深まったね……」


「そんなことないです!良い収穫でした!ありがとうございました!」


「そう思ってくれるなら嬉しいよ。じゃあ、またね」


 駿河先輩はこちらに向かって笑顔で手を振る。


「あ、先輩。とてもその服装似合ってますよ」


 駿河先輩は自分の服装を一度見てから、顔を染めてありがとうと言った。


「……大空、駿河先輩を落とそうとしているのか?

 まあ、それはともあれ、冷姫が姉のことをサラッと話すのは、大空のことを仲間だと認めている証拠だよ」


 冷姫が亡くなった姉について語ってくれたのは、そういう心情があったことに嬉しく思った。

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