それぞれの夏休み〜鳳爽乃と雪ノ下椿〜 8/8
「お待たせしました!少し遅れちゃって申し訳ないです!」
少し待ち合わせ時間に遅れてきたのは、純白のドレスのようなワンピースを身に纏っている雪ノ下椿。雪のように白い肌。真っ白な彼女は、女子の私が見てもとても女性らしく綺麗だと思う。私なんて、ダメージジーンズにパーカーという女子の欠片が残っているか否かの服装だ。
「大丈夫だよ。やっと日にちが合って良かったよー。ずっとここ来たかったんだぁ。喫茶『タイム』」
「そんなに有名なお店なんですか?私、そういうの疎くて……」
「知る人ぞ知る名店って感じかなぁ。カフェはコーヒーがメインだけど、喫茶店は軽食とかも出したりするからね。パフェとかが有名なんだって」
「へぇ、そうなんですか。メニュー見てもどれも美味しそうですね……決められません」
雪ノ下ちゃんの言う通り、メニューを眺め続けるとますます悩んでしまう。
「そうだ、じゃあお互いのを分け合わない?」
「それ良いですね!じゃあ私はいちごパフェにします!」
「シンプルで良いね。じゃあ私はプリンパフェにしよう」
「わぁ、それも美味しそう!じゃあウェイターさん呼びますね。すみませーん……」
ウェイターを呼ぼうとした途端、雪ノ下ちゃんの声が小さくなる。人見知りなのかな。
「すみませーん!注文良いですかー?」
「声小さくて、すみません……」
雪ノ下ちゃんが顔を赤く染める。女子の私でも思う、可愛い。
「全然大丈夫だよ!気にしないで!」
「ご注文は如何なさいますか?」
そう言っている間に、ウェイターが席に来ていた。清楚な黒のネクタイとベスト、パンツを身に纏った男性の人だった。声も低くて渋い感じ。
「いちごパフェとプリンパフェでお願いします」
「かしこまりました。どうぞ、ごゆるりと」
ウェイターがぺこりとお辞儀した途端、ピロロンと私のデバイスが鳴る。どうやら電話だ。
「あ、出てくださいね」
『……冷姫だ。きっと雪ノ下ちゃんも関係あるから、ここで電話するね。スピーカーをおんにして、と。
もしもし、冷姫』
『あぁ、鳳。突然悪いな。
女子勢は今週中ならいつでも良い。高校に来てくれ。合宿を申し込んだ』
「え、どこと?」
『それは来てからのお楽しみだ。
ところで、大空の連絡先知らないか?あと雪ノ下』
「雪ノ下ちゃんは今ここにいて、冷姫の話は聞いてもらってる。大空君は知らないな、ごめん」
『じゃあ、音坂先生に聞きに行くわ。雪ノ下と一緒ってことは、パフェ会だよな。楽しんで』
「んー、お疲れー」
「……合宿、ですか」
「夏休みに行いたいチームは3チームずつで合宿を行えるんだって。よく冷姫のネットワークで誘えたなぁ」
「楽しみです……!それにしても、冷姫さんと鳳ちゃんの会話って、円満夫婦みたいですよねっ!」
「そ、そんなんじゃなーい!」




