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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
第2章 花鳥風月
18/88

AWAKEN 7/20

 石油コンビナートか。トラップ多すぎるため、前衛からはとても嫌われている。後衛は後衛で、味方に爆発を撒き起こさないように神経をすり減らさなければならない。総じて嫌われている地形だと思っていい。

 最も、幸いな事には天候が異常気象じゃないことだ。タンクに雷が当たった瞬間、一貫の終わりというやつだ。氷牙は風のバリアを全身に纏えば、爆発によるダメージは無いわけではないにしろ軽減はできるだろう。

 さて、改めて、ルールの確認をしよう。

1、敵の撃破……50pt

2、敵への攻撃がヒット……10pt

3、制圧地点の占拠……5pt

4、設置された罠によるダメージ……−1pt

 これがジェネラルルール。制限時間内により多く点数を重ねた方の勝利。

 この地形は、石油タンク自体が全て罠になってしまう。その他にも、張り巡らされたレーザー光線が目立つ。ここのトラップは全て即死ダメージのため、上位ランカーからも恐れられている。下位であっても、戦略次第では上位に圧勝することさえ容易に見られる。『殲滅の戦場』と皮肉を込めて呼ばれたりもしている。

 俺が言いたいことを簡潔に言うと、俺みたいに弱い奴でも戦い方によれば活躍できるということだ。


「さあ、揃ったな。俺は山野を相手する。雪ノ下は魚野。皐月はどうにかして大空が相手してくれ」


 ……それで良いのか?1対1はこのフィールドでは最大の禁忌。仲間同士が離れれば、相手同士が連絡を取り合い戦いの火種を他に引火させる可能性が高い。考えすぎと言われればそれまでだが。


「それは、やめよう。三位一体となって仕掛けよう」


「……わかった。なら、どういう攻め方をする?」


 冷姫は不服そうな顔つきをしたが、妥協したように呟いた。


「そうだな。雪ノ下さんが制圧点を取るのを俺らが援護しよう」


「「了解」」


 そう二人が返事した途端だった。そこら中のタンクが急に轟音を立てながら暴発した。


「れ、冷姫!」


「わかってるから黙れ!」


 そう俺を制しつつ、冷姫は今まで現実で感じた以上の暴風を巻き起こす。言わば、風のクッションで俺達3人を爆風からガードする。


「ナイスです!冷姫さん!」


 石油タンクを潰したとなると、相手は火属性か……?それに弓か銃系統の遠距離系。


「それにしても、危なかったな。いきなり遠距離射撃が飛んできたな。なんとか開始早々のリードは与えなかったが……」


「場所が特定されたのか?」


「それはない。これだけ多くの射撃と見ると、数撃ちゃ当たる戦法だ。緊張を避けるためにも、特定されたと思わないべきだ」


「でも、ここからどう動くか、が重要になってきますよね。先程の爆撃で、ここは物陰は何も無くなってしまいましたし」


「くっそ、さっきの爆撃食らったままじゃ終われないぜ……あいつらに同じ事してやりてー」


「大空、復讐のことを考えるな。冷静に行け」


 冷姫さん、とても酷な事を仰る。冷静に策を練るなら、同じ爆撃攻撃をされないようにここに留まることだ。だが、ここでは石油コンビナートの跡形も無くなってしまい、相手に遠距離系の武器所有者がいると思われるため、障害物がないのは少々心許ない。

 俺に何ができるのか。攻撃も防御もできない。音魔法もこれといった使用方法が思い浮かばない。完全に足手まといだ。


「大空、背負うな。確かにお前が俺達のリーダーだ。だが、お前は今一人じゃない。一人で抱え込むな」


 俺は冷姫の言葉にハッとした。俺は、俺自身のことしか考えてなかった!駿河先輩も、俺がチームとして活躍ことを示していた。つまり先生が決闘前に言ったのは、俺がリーダーとして『勝利への道』を示すことなのか!


「冷姫、1対1なら潰せるか?」


「笑わせるな。一般1年で、雪ノ下か真霧以外なら、マンツーマンで俺が負ける奴なんていると思うか?」


 冷姫は余裕の表情を浮かべる。なんだかんだで雪ノ下のことをそれなりに認めているのか、と同時に思う。まあ冷姫もギリギリだったしな。


「作戦変更だ。雪ノ下さんは、ーー。冷姫は、ーー」


「それ、大丈夫なんですか?私が当たるのが、もし後衛向きの人だったら?」


「前衛より前に出る後衛なんていない」


「……俺は賛成だ」


 雪ノ下も数秒してから、首肯した。


「さぁ、奏でようぜ。俺達の戦闘をよ!」

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