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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
第2章 花鳥風月
14/88

現在位置と顧問 7/14

「さて……鳳さん。今回のテストの結果は?」


 この学校の赤点は30点未満。とりあえずそれだけは回避すればいいのだ。冷姫と榊原の部屋で、神頼みする。


「では、発表します……!でれれれれれれれんっ!国語45点、化学43点、世界史33点、英語31点、数学92点、物理95点!」


 ……あれ?最後の2つおかしくなかった?あれ?確かにその2つは教えてないけどさ、ちょっとありえない点数を聞いてしまったんだけど。


「おー、良かったじゃん、赤点なくて」


 冷姫はそうしれっと言う。あれれ?


「ちょっと待て。確かに、赤点回避できて良かったよ?

 だけどさ、物理と数学超高得点は誰もつっこまないの?」


「じゃあ、逆にお前に問うぜ?

 鳳のコンタクトは、銃と直接接続されていて、自動操縦なのか?」


「……いや、違う」


 そう、鳳の距離を測るコンタクトと銃は、鳳という思考媒体を通じて、つまり鳳が微妙なズレを計算している、ということなのか。


「ってまさか、VRでの地形、環境を計算してるってことか……?」


「そういうことー!」


 そう元気に鳳は答える。どんなセンスだよ。

 おい、このチームには化け物しかいないのか。いや、榊原というフツメンがいた。


「榊原はどうだったんだ?」


「え?あー、俺は赤点取っても、退学させられることはないよ。一応VR技術は学年で2位だから。流石に勉強はするけど」


 ……ダメだ。化け物しかいなかった。

 この学年のVR技術でのトップは真霧。真霧は大体の成績はトップなのだ。それに追随するように、このチームにはVR戦闘2位、VR技術2位がいるのか。


「そのくせ、一年チーム順位では、11位なんだけどな。エルドラード出場安全圏までは程遠い」


「戦闘メンバーがいないからじゃないか?」


「それが一番の要因だろうな。だが、そう甘えてる場合でもないしな」


 エルドラード出場安全圏は5位以上だと言われている。エルドラードに出場できるのは、学年8位以内のチーム。6位から8位だけでなく、15位までは順位変動が激しい。8位と15位が最後の試合で入れ替わるのは、無くはない話らしい。


「だって、今日は『ブレイヴ・ハーツ』の顧問が発表だ」


「え、そうなの?」


「期末テストの後に一年の顧問とチーム部屋発表らしいよ。誰になるのかな」


音坂おとさか先生は嫌だな……またあんなことが起こったら」


 冷姫が本気で嫌な顔をする。へぇ、こんな顔もできるのか、と思うような程の嫌な顔。


「冷姫が中学生の時、本気で泣かされたんだっけ?」


「鳳、その話は無しだ」


 冷姫は物凄い形相をした。例えようがないくらい凄みを感じた。どれだけ嫌いなんだ。というか、どんな先生なんだ。


「悪かったな、氷牙。私があんたのチームの担当だ。他の皆もよろしくな。音坂彩香(あやか)だ」


 噂をすると何とやら。冷姫の背後に音坂先生が立っていた。冷姫の顔が凍りつく。

 ネクタイを締めたカッターシャツの上に、橙色の上着を、先生は羽織っていたが、目に付いたのは、何よりも口に咥えたココアシガレットだ。ボーイッシュな服装や口調をしているが、ワイン色の髪を後ろで束ねていたり、少し胸が膨らんでいる辺り、女性らしい。口調は少し男子っぽいが。


「「「「よろしくお願いします……」」」」


「さて、氷牙?全員分の飲み物を調達してこい。勿論、ココアシガレットもな。はい、これ、金。お釣りは返せよ」


「はい!わかりました!」


「ふふっ、良い返事だ。部室棟の3階で待ってるからゆっくり来いよー」


 あれ、冷姫が嫌がるような先生に見えないが。少なくとも俺には、良いというか悪くない先生にしか見えない。


「歩きながらでも、一人一人の名前を教えてくれるか?」


「えーと、じゃあ、俺から?榊原恭介です。このチームの整備士担当です」


「私は、鳳爽乃です。スナイパーやってます」


「最後に俺が、大空正義です。一応リーダーになってるのかなぁ……?」


「ほう?君がリーダー?氷牙じゃないのかい?」


「みたいですよ」


「へぇ、あの氷牙が……私には引き下がったことないのに」


「あの、冷姫と何があったんですか?」


「……私は……いや、やめておこう。

 とりあえず、君は大罪を犯した。正義」

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