嘘つきの真実
君は、僕を嘘つきだと言った
「この料理美味しいよ」
嘘。ほんとは少し味が濃かった
もうちょっと薄味なら良いのにな
そう言わないのは
君の喜ぶ顔が見たかったから
「今日は天気もいいし、どこかへ遊びに行こうか」
嘘。ほんとは家でゆっくり休んでいたい
ほんの少し体調が悪かったから
でもそれは
君が退屈しないで済むならと思ったから
「すぐ良くなるから」
嘘。ほんとは起きているのでさえも苦しい
ほんとはもう眠ってしまいたい
でもそれは
君といる時間が一秒でも惜しいから
「ずっと側にいるから」
嘘。もうすぐ僕は君の側からいなくなる
あまりにも君が泣くものだから
悲しまないようにと思ったから
「愛してる」
嘘をついても君にはすぐにばれてしまうけれど
いつも言葉にできなかった
嘘つきの僕が最期についた
君へ送る最期の、真実の言葉
君は、信じてくれるだろうか
ここまで読んでくださりありがとうございました。