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かりそめアパート。  作者: シュレディンガーの羊
ようこそ
6/105

005。



「それってどういう……」

「レッドー、手伝い来たよー」


俺の問いを遮るように騒々しくドアが開け放たれた。

現れた朝黄の姿を捉えた途端に青葉の眉間に皺が寄った。


「俺だけで十分だ、お前はお呼びじゃない」

「ブルーには聞いてないもーん。ね、レッド、僕がいたら助かるじゃんね?」


朗らかな声と表情の変わらないお面がシュールで、思わず頷いてしまう。

ほらー、とはしゃぐ朝黄に青葉が舌打ちする。


「言っておくが、俺はお前には一ミリも負けてないからな」

「はいはい。レッドは僕を優先したわけじゃないって。もー、ほんとにブルーはレッドが好きだよねー」


さらっと口に出された台詞に、俺はぎょっとして青葉を見る。

けれど、青葉はしれっとしたまま頷く。


「否定はしない」

「ちょ、え、青葉!?」

「まぁ、有頂天だったとこから突き落とされて、ネガティブってたときに優しくされたら懐くってのはちょーっと単細胞だよねー」

「有頂天? ネガティブ?」


有頂天もネガティブもよほど、クールな青葉には似つかない。

それに好かれていたのも、懐かれていたのも初耳だ。

高校ではそれほど話すほうではなく、今回のビラの件だって驚いたくらいだったのに。

朝黄があれれ、と首を傾げる。


「ブルー話してないの? レッド知らなかったの?」

「別に言わなくてもいいだろ」

「えー、知っててもらった方がいいじゃーん」


仮面のしたの顔は見えないはずなのにその時、朝黄がにやりと笑った気がした。


「ね、おチビさん」



tread on air(有頂天になる

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