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薄命物語  作者: 真田 幸一
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第2話 出会い 後半

あれから、もう10ヶ月か・・・

昨日のように感じる。

栞と友達になってから・・・


まさか、俺が栞の人生初の友達になるとは思わなかった。

あの姿・形・心で今まで友達がいなかった方がおかしいと思う。

10ヶ月前に友達になってから、よく一緒に遊んだり、勉強したりした。

栞の家に行くと、クッキーを焼いてくれていたこともあった。

それが、またおいしかった。

栞の手作りクッキーはこのまま店を出しても売れるのではないかと思っていた。

そして、いつも俺の隣には吉田幸一がいた。抜け駆け禁止と言いたいのだろう。


夏になると、男子は一段と元気になるものだ。

理由はどうせ体育の時間だろう。

女子の水着姿に興奮するやつ。悲しい習性だ。

まぁ、栞は予想通り目立たなかったな。

近くにアイドル的存在の天山由貴がいるからだろう。

でも、可愛かった。


秋になると、合唱コンクールがあった。

男子は男性パートという決まりがあり、はぁ~、ため息を出しながら低い声を出す練習。

気を抜くとすぐに女子より高い裏声になってしまうからだ。

吉田も同じ現象が起こるらしい。

なんか俺達似ているな。

外見も、中身も。

栞は歌が上手だったが、舞台の上に立つと緊張して、いつもよりうまくいくという素晴らしい能力を持っていた。


さて、季節は冬というか春?

1月である。もうすぐ修学旅行がある。2月1日(火)~2月3日(木)の予定だ。

今年の2年生は、島根県の琴引フォレストパークスキー場に行くことになった。

そろそろ修学旅行のしおり←ひらがなを作らないといけないらしい。

2年4組は、カンポの宿三瓶(現在は閉館している)に泊まるようだ。

そこで、今日の学級活動(学活)の時間で、活動班、部屋班、部屋割り、そしてバスの席決めが行われる。

修学旅行の前の一大イベントである。

活動班は男子が5・5・5・5、女子が4・4・4・5。前から順に1・2・3・4・5・6・7・8班だ。

俺は3班になった。

部屋班では、1班と同じ部屋で、4-Bである。

一応班員を紹介しておくと、

4班の班長兼部屋班長の田中、4班の副班長の吉本、高本、山本、高木。

3班の班長兼部屋副班長の土田、3班の副班長の山田、粟田、吉田、真田である。

まぁ、3班は別名「田班」と呼ばれたというのは嘘で、特になにもなかった。

班決めの時とかに急にうるさくなる栗田と古田。

こいつらのじゃんけん勝負は白熱し、10回目で勝負がついた。

案外気が合うんじゃないか?

そんなことはどうでもいいかのように、先生はただただのんびり椅子に座って見ていた。

バスの座席決めに関して言っておくと、班で固まって座るので、班長がじゃんけんをするのだが、

古田の「レディーファーストだろ」と

栗田の「誰がレディーだって?」発言により、さらにいっそう白熱した。

結果、一番後ろの五人乗りの席の真ん中に栗田が座ることになった。

騒がしいやつだ。

因みに俺は、後ろから6番目の進行方向左側の窓側の席だ。隣には土田が座ることになった。


さてさて女子のほうだが、栞がいる2班には、近所に住む

吉本華苗(よしもとかなえ)・茶菓本真美 (さかもとまみ)・田中真実 (たなかまみ)(まみまみコンビである)、が同じ班になった。

部屋には、1班の中森・中田・天堂・未(「いまだ」と読む)がいる。


どうでもいいが、隣のクラスには、井原・西・鶴という3人組と島崎・藤村という2人組がいる。


道徳の時間を学級活動の時間に変えて行った班決めが終わり。

先生は、「さ~て~と~道徳の時間だよ~」と言って、道徳のプリントを配る。

有名な台湾出身の野球選手の話だった。

「私には、日本の戸籍はないんだよ」

が今回のポイントである。

選挙権がないとかという話である。

少々シリアスな話であるのに関わらず、クラス中に修学旅行ムードが広がっている。

はぁ~。分らなくもないが、頼むから、もう少し真剣になろう。


さてさてさて、放課後だよ~。

とくにすることもなく、いつも通りに近所の友達と帰ることにした。もちろん甲本さんも一緒だ。吉田幸一は保健委員(代理)の仕事らしく、保健室に行っている。

橋を渡っている時のことだ。

「ところで、二人は付き合っているの?」

と、吉本、茶菓本、東申一と田中は興味津々、好奇心旺盛の眼差しを向けながら聞いてきた。

「ち、違いますよ。そんな関係じゃありませんよ」

即全力完全否定。

少し傷つく。ショボ~ン 

「ははは・・・」

とりあえず、笑うことにした。空笑いだ。

「そうなんだ。だったら俺と付き合ってくれよ。栞ちゃん」

ちゃん・・・東、ちゃん付けは、やめておいた方が良いと思うぞ。

本人は気にしていないようだが。

「あ、えっと、気持ちだけ取っておきます」

東は頭を抑え「あ"~、ふられた~」と叫ぶ。

オーバーリアクションの古田を越えたな。

「す、すみません」

甲本さん、いちいち謝らない方が良いと思うぞ。

まぁ、そこもまた栞の良いところでもあるのだが。


吉本、茶菓本、東、田中と分かれて、二人きりになった俺と甲本さん。

「あの、今日も家に来てくれますか?」

誘われたら行くに決まっているでしょうが。

「うん。行くよ。」


俺たちの関係は、単なる友達なんだろうか?

今、ふとそういう疑問を抱いた。

まぁ、栞は料理が上手で(手作り弁当を食べたことがある。)、可愛いし、優しいし、大人しいし、文句無しである。

俺はアレの大きさに関しては、特に考えていないから、気にしなくていいぞ。

栞が告白してきたら、その時は付き合ってもいいな。

学校のアイドル的存在の天山由貴、富士美里先輩、富士山早由里先輩は、高嶺の華だからな。苗字からして。

富士山先輩は、もうあきらめた方がいいかもな、彼氏がいるらしいから。


その後俺は、栞の家に行き、栞の部屋に入り、栞の向かい側に座り、栞の手作りクッキーを堪能して、栞と勉強して、栞の父親の甲本晋一さんが帰って来て、栞を本に挟んで、挨拶して家に帰った。

さてここで問題だ、上の文で甲本栞さんは何回出てきた?

答えは次回予告の後。


ED


次回予告。

1月18日、1月19日ともに特に無し。

一気に飛んで、1月30日日曜日。特に無し。

1月31日月曜日、修学旅行の1日前だ。

色々と準備するものもあるだろう。

クラスのみんなは既に修学旅行ムード全開だ。

俺はいつものように栞の家に行って手作りクッキーを食べるはずだったのだが・・・


次回、薄命物語 第3話 「修学旅行準備」


ちなみに答えは、6回。最後の「栞」は本に挟む物だ。






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