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ラスト人類私makeモンスターズ

 さあー、私受験まであと一週間ですのぜー。


 現実逃避ってやつですのぜー。




 ……嘘です、息抜きがてら書きあがってたものを改訂して予約投稿しただけです。


 というわけで四話。


 五話投稿予定は未定です。いつになるやら。



「さて、実践だね」

「はい。さっそくやりましょう」


 まずは……えっと、どうしたらいいんだろう?

 ダンジョン作成系のゲームが好きな妹(もちろん血の繋がり的な意味ではない)はいたけど、私自体そういうのには疎い。どちらかといえばアクションゲームの方が好きだったので、何から着手すればいいかわからなかったのだ。


「まずは、どのようなモンスターが作れるのか確認してみてはいかがでしょう?」

「おお、それだ」


 表示枠の『モンスター作成』をタッチ。余談だが女の子へのタッチのほうが得意だったり。


 表示枠で表示されていた内容が変わり、画像とデータの書かれたものへ。


「七体しか作れないよ……」

「レベルが上がるごとにメニューから作成可能なモンスターは増えますので」


 ん?

 メニューから?


「ってことは、これの他にもモンスターを生み出せたり?」

「はい。ダンジョン内での突然変異や、モンスターレベルが上がったことによる進化ですとか、他には異種交配による生殖で新種ハイブリッドが生まれたりですとか」


 なるほどなるほど。


          ☆☆☆


 中学三年生の時だ。


 私は生徒会長をやっていた。で、副会長の女の子がこれまた可愛い娘でね。つい私の食指が伸びちゃったのも仕方がない。

 でも、その子には彼氏がいて。

 さらになんかその彼氏が当時の番長? とかなんかそんなんだったらしくて、ソレと付き合えてた副会長、安浦リクも世間一般的に見ると不良と呼ばれる子で。


 まあ別に私も虚弱ってわけじゃないし、夜は体力ないとキッツいしで、実家が合気道の道場だったから混じって練習してたんだよ、中学校の時は。

 だから別に絡まれたり喧嘩売られても怖くないし、というかむしろ下手な男より強かったしで、リクを口説きにかかって、それで毎回すげなく「死ね」「キモい」「ちょ、こっちみないでよ!」 と言われ続けてたわけだけど。ツンデレだよね! と口説きを続行。


「ねぇ、あんたさ、男じゃなくて女が好きだなんて……変だよ」

「べ、別にあんたのために言ってるんじゃないんだからね!」


 とか口では言ってたけども、結局男らしく番長だった人に喧嘩売りに行って、リクかけて決闘して、それで結局、寝取った。

 決闘意味ないじゃーん、とも思ったけど、まあ、リクが可愛かったので良しとする。


 で、夜のリクがすごいのね。死ねとか散々言ってたくせに、乱れるわ乱れるわ。まるで新種かと思った。


          ☆☆☆


「――つまりそういうことね?」

「全くその話とさっきの話のつながりが見えませんが、あなたのなかで納得が得られているのならもうそれでいいです」


 若干呆れた声のナビくん。私がなにかしたって言うの?


「うん? で、どうすればいいの?」

「とりあえず、モンスターの基本情報のページを開いてください」



モンスター

 ・作成したモンスター一覧

 ・作成可能モンスター一覧

   →基本情報

   →経験値割り振り設定

   →モンスター作成

      ⇒一括作成

      ⇒細部設定作成



「これか」


 基本情報、をタッチする。



======

 蔦人間(マンドレイク)Lv1

   人型をベースに、植物が共生しているモンスター。主に蔦を使って攻撃するが、命の危険を感じると金切り声を上げる。このこえを聞いたものは死ぬという……。頭の上には大きな花が咲き、花粉を飛ばす。

 作成:消費HP200、MP400、AP20


 食人植物(マン・イーター)Lv1

   食虫植物が突然変異で巨大化し、人を喰らうようになった化物植物。自分で動く術はないが、蔦が自由に動くため、蔦人間の蔦に紛れて獲物を捕食する。

 作成:消費HP120、MP400、AP300


 木霊(コダマ)Lv1

   木々に宿る魂が実体を得たもの。単体では特に何もできないが、数が多くなればなるほど甚大なプレッシャーを放つ。また、必ず木に宿っており、木がないところには設置不可能。

 作成消費HP25、MP400、AP10


 花の妖精(フラワー・フェアリー)Lv1

   花に宿る手のひらサイズの小さな妖精。攻撃などは特にしない。目は大きく、とても可愛いらしいので、冒険者はフラフラと近付かないように注意。もしうっかり近づこうものなら妖精の悪戯の餌食になる。

 作成:消費HP120、MP400、AP70


 鳥娘(ハーピィ)Lv1

   人間の娘をベースに、腕には羽毛が生え、足は鷲のもの。夜目は聞かないが、明るい場所では十キロメートル先の針の穴を正確に射抜けるほど。また、非常に好戦的であり、迂闊に近づくと危険。

 作成:消費HP220、MP220、AP15


 猫娘(ケット・シー)Lv1

   基本形態は猫の耳と尻尾、肉球がついた人型であるが、猫型、半猫型にも変身できる。尻尾は三叉に分かれていて、愛玩に向く。しかし性格は凶暴であるため、飼い主に慣れぬうちはちょっかいを出さないほうが賢明。爪は定期的に研いでおかないと鉄を切り裂く威力を遺憾なく発揮するすることになるだろう。

 作成:消費HP400、MP65、AP320


 淫魔(サキュバス)Lv1 

   人型の魔物。女性型であり、女性のセクシーさを極限まで煮詰めた見た目になっている。また人語を解し、男性を誘惑して精を吸い取り殺すなど、色仕掛けをすることは有名。男性から精気を吸い取る前に一度でも絶頂してしまうと死に至る。

 作成:消費HP100、MP100、AP100

======



「うむ」

「……どうして説明読むだけで鼻血出てるんですか」


 ナビくんが理解しがたいことを言った。

 そりゃあ鼻血も出るよ、健全な思考を持っているのならば。つまりナビくんは不健全。

 ああ、それは関係ないとして。


「モンスター娘ハーレムじゃない!」

「あー、そーですね、なんとなくそんな気がしてました、ハイ」


 ナビくんの呆れ顔なんて目に入らない!

 男に興味はない! いくら女装して見た目は超絶美少女でも、男相手だと濡れない! 無理!

 という結論に至り、私はいたってケンゼンであることを再確認すると、両手を握り締め、言う。


「作るわよ!」

「あー、はい。作ってください、ダンジョ――」

「モンスター娘ハーレム!」

「はぁ……そうですよね……」


HP1690/1690

MP1920/1920

AP1450/1450


 パラメータを再確認する。これだけあれば全部一匹ずつ作っても大丈夫。……なはず。


「いや、HPが0になると普通に死にますから」

「乙女の敵!」

「くあっ!」


 勝手に心の中を読んでくれやがりましたナビくんにデコピンしといた。「うぅー、どんなスキル使ってくるかと身構えてたのに、体術ですか……」と呻いていらっしゃるが私には関係ありません。


「それじゃあ、一体か二体くらいしか作れないじゃない」


 私がそう疑問を口にすると、ナビくんは大仰な仕草をつけて言った。


「それでは、HPとMP、APの回復方法をご教授しましょう」


 その大げさな仕草と舞台がかった口調、何より男であることにムカついたので、『建造物創造(ダンジョンクリエイト)』で作った自動ドアで挟んでみた。


 頬の部分だけ挟んだのでタコみたいな口になったナビくんが言う。


()ょっと、()うして()んなこと()るんへふ(です)か。はな()てくらは(ださ)い」

「とりあえずそのまま続けて?」

(イヤ)です」


 とりあえず話が進まなさそうなので、能力解除。


 それで? と話の続きを促す。


「……ん、んん。HPが減少した時の回復方法は、食事と睡眠です。食べて寝る、これだけでHPが回復します。まあ、手っ取り早いのは『道具創造(アイテムクリエイト)』でHP回復薬作っちゃうことなんですけどね。

 次、MPの回復方法。精神的数値ですので、ストレス解消が一番手っ取り早い回復方法になります。大体予想できますので、具体的な方法はもう何も言わないでくださいね。勝手に(サカ)っててください。

 最後に、APの回復方法。これは身体の疲れのようなものなので、息を整えるだとか、体を休めるだとか、いわゆる身体の疲れを軽減するような行動を行うと回復していきます」

「ふーん。MPの時に聞き流せない言葉があったけど、今は許してあげるよ。い・ま・は・ね!」

「…………」


 若干言の端に怒気を乗せてみた。ほんのチョビっとだけ。


「あの、それやめてください……。失神か失禁しそうなので……」


 青ざめた顔でナビくんが言った。超軽くやったつもりなのに、ここまでの効果があるのか。妹達を守るために危ない場面を乗り越えることもあってか怒りを相手にぶつけるのは割と得意だったのだけど、あれ、こんなに威力あったけか。


「魔王化していることを忘れないでくださいね……。本当に心臓が止まるかと思いましたから……」

「うん」

「…………」


 ナビくんがジト目を向けてくる。言いたいことはわかる、「本当にわかってるのかコイツは」だろう。

 

 わかってるよー失礼な。


          ☆☆☆


「よし、これで完成、っと」

「とりあえず一通り完成しましたね、ダンジョン」


 二週間が経った。


 そしてたった今――ダンジョンが完成した。ヨーロッパの城とか教会とかをごっちゃにしたような、とにかく無駄に荘厳な雰囲気の城だ。外壁にはユリの意匠があしらわれ、非常に美しい外見に仕上がっている。


 まだ一階建てだけど、だいぶ高い。魔王化した私の脚力でもギリギリ天井まで届かないくらいはある。まあ、ハーピィちゃん達にちょっかいかけられるくらいの高さかな、わかりやすく言うと。


「あの、伝わりづらいです」


 ナビくんは無視、っと。


 ダンジョン名は「白百合の城キャッスル・オブ・ホワイトリリィ」。完成した瞬間、自動で付いた。どうも、魔王の通り名、ダンジョンの外装、内装、配置モンスターによって自動で付けられるらしい。そしてそれはこれからも変わる、と。


「だよね?」

「その通りです」


 これでだいたい把握した。それじゃあ今度は最後に――。


「ねえ、ナビくん」

「はい、なんでしょう?」

「こんなダンジョン作ったけどさぁ」

「はい」


 そう、一番大きな、ダンジョン作るのが思ったより楽しくってすっかり忘れていたこと。これは聞いとかなければならない。


 一体、私はなぜダンジョンを作ったのか。なにからナビくんを守るのか。


「――敵って、何?」





==========


 菱川ひしかわ夏希なつき 19 ♀ 『高貴なる百合の女王』Lv1


HP1690/1690

MP1920/1920

AP1450/1450

 

筋力    72

器用度   29

素早さ   91 

知力    89

精神力  172

運気    16


アクティブスキル(任意で発動)

建造物創造ダンジョンクリエイト』『生物創造モンスタークリエイト』『道具創造アイテムクリエイト』『情報閲覧パラメータメニュー

パッシブスキル(常に発動)

『魔王化』

固有スキル(本人が編み出したスキル)

『女の子スカウター』NEW『威圧』


【称号】

《魔王》《世界の守護者》《日本家屋の主》《建造物主ダンジョンマスター》NEW《モンスターハーレムの主》NEW《城主》NEW《魔物から恐れられし者》NEW《百合娘》NEW《ごちそうさま》NEW《鳥娘いただきました》NEW《猫娘いただきました》NEW《蔦娘いただきました》NEW《妖精いただきました》NEW《淫魔いただきました》

【二つ名】

現在二つ名はありません


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